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遺骨処分は自治体に頼める?対応の実際

最終更新日:2026年9月23日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

「遺骨を自治体に処分してもらえないか」と役所に相談しても、結論から言うと、自治体が遺骨を無条件で引き取ってくれることは原則ありません。市区町村が遺骨の火葬・埋葬に直接関与するのは、身元不明のまま亡くなった方(行旅死亡人)や、引取り手のない遺骨など、法律で定められたごく限られたケースだけです。一般の家庭が「遺骨を手放したい」「継ぐ人がいない」と窓口に相談すると、多くの場合は市営の合葬墓(合葬式墓地)への申し込みを案内されますが、これは無料ではなく数万円台からの有料契約です。また、遺骨をごみとして出したり山野に放置したりすると、刑法190条の遺骨遺棄罪(3年以下の拘禁刑)に問われるおそれがあります。この記事では、自治体が遺骨を引き取る本当の条件、市営合葬墓の申込条件と費用、違法になる処分方法とそのリスク、そして合法かつ最安で遺骨を手放せる3つのルートを比較しながら、あなたの状況ごとにどれを選べばよいかまで解説します。

目次

自治体は遺骨を引き取ってくれる?原則は「行旅死亡人」等に限られる

自治体が火葬・埋葬を行う法的根拠は「行旅病人及行旅死亡人取扱法」

市区町村が遺骨の火葬・埋葬に関与する主な法的根拠は「行旅病人及行旅死亡人取扱法」です。この法律は、身元が判明しない、あるいは判明しても引取り手が現れない死亡者(行旅死亡人)について、発見地の市区町村が火葬・埋葬の手続きを行うことを定めています。もう一つの根拠は生活保護法18条の「葬祭扶助」で、生活保護受給者などが亡くなり、葬儀を行う扶養義務者がいない・費用を負担できない場合に、市区町村が火葬・埋葬にかかる最低限の費用を給付する制度です。

これらの費用は、本来は故人の遺留金品や相続財産、判明した扶養義務者からの求償によって賄われるのが原則で、それでも不足する分を市区町村(一部は国庫補助)が負担します。つまり「自治体が遺骨を無条件・無料で処分してくれる制度」ではなく、「引取り手が本当にいない場合の最後のセーフティネット」という位置づけです。孤独死や引取り拒否のケースが年々増えており、総務省行政評価局の調査でも、遺品・遺骨の管理に苦慮する自治体の実情が報告されています。単身高齢世帯の増加や、遠方に住む親族との関係の希薄化を背景に、今後もこうした相談は増えていくと見られています。

行旅死亡人として扱われるまでの流れ

  • 発見地の市区町村・警察が身元確認を行う(身元が分かれば親族に連絡)
  • 親族が判明しても引き取りを拒否した場合、あるいは親族が見つからない場合に行旅死亡人として扱われる
  • 市区町村が火葬を実施し、一定期間(多くは5年程度)遺骨を保管する
  • 保管期間内に引取り手が現れなければ、市区町村の合葬墓等で供養される
  • 官報に公告され、費用は遺留金品や相続財産から充当し、不足分を自治体が負担する

この手続きは「祭祀承継者がはっきりしているのに引き取りたくない」という一般的なケースとは別物です。承継者が判明している遺骨を自治体に持ち込んでも、行旅死亡人としての扱いにはなりません。

「遺骨を手放したい」と役所に相談したときの実際の案内

祭祀承継者(お墓や仏壇を引き継ぐ人)がはっきりしているのに「遺骨の管理が負担」「継ぐ人がいない」という理由で市区町村の窓口に相談しても、無償で引き取ってもらえる制度は原則ありません。多くの自治体の窓口では、次のいずれかを案内されるのが実際のところです。

  • 市営霊園・市営墓地内にある合葬墓(合葬式墓地)への申し込み(有料)
  • 民間の永代供養墓・合祀墓・送骨サービスなど、自治体以外の受け皿の紹介
  • 生活保護受給世帯であれば、葬祭扶助の対象になるかどうかの案内
  • 手続き自体が分からない場合は、地域の相談窓口(社会福祉協議会等)の紹介

つまり「自治体=無料の処分窓口」ではなく、「自治体=有料の合葬墓という選択肢を持っている」というのが実態です。次の章で、その合葬墓の条件と費用を具体的に見ていきます。

行旅死亡人の火葬・保管・費用求償の実務

行旅死亡人として扱われた場合の実務をもう少し詳しく見ると、まず発見地の市区町村が火葬を実施し、遺骨を一定期間(自治体の要綱により異なりますが、5年前後とするところが多く見られます)保管します。この間に官報公告が行われ、判明した相続人・扶養義務者に対しては、後日、火葬・保管にかかった費用の求償(請求)が行われることがあります。「自治体が無料で最後まで面倒を見てくれる」わけではなく、負担能力のある親族が判明すれば費用請求が及ぶ点は誤解されがちなので注意が必要です。保管期間が満了しても引取り手が現れない場合、最終的に市区町村の合葬墓等で無縁仏として供養されます。

自治体の規模によって対応の手厚さが異なる

合葬墓の有無や運用の柔軟さは、自治体の規模によって差が出やすい傾向があります。政令指定都市や中核市では、市営霊園内に合葬墓・合葬埋蔵施設を設けているケースが比較的多く見られる一方、小規模な町村では市営霊園自体を持たず、近隣自治体の施設や民間の永代供養墓を案内されることもあります。お住まいの自治体に合葬墓があるかどうかは、市区町村の環境部門・霊園管理部門のWebサイトで「合葬墓」「合葬式墓地」「合葬埋蔵施設」などのキーワードで検索するか、電話で直接問い合わせるのが確実です。合葬墓がない自治体でも、近隣の広域連合が共同で霊園を運営していることがあるため、「うちの市にはない」と分かった時点で諦めず、近隣自治体の制度まで広げて確認してみることをおすすめします。

手元供養・遺品整理業者との違いに注意

「遺骨の処分」を検索すると、不用品回収業者や遺品整理業者の広告が見つかることがありますが、遺骨は家財道具や不用品とは法律上まったく別の扱いを受けます。一般的な遺品整理業者は、廃棄物処理法に基づく許可(一般廃棄物収集運搬業許可など)を持っていても、それは家具・家電・衣類などの「物」を対象にしたものであり、遺骨の引き取り・処分を適法に代行できる根拠にはなりません。遺骨を扱えるのは、墓地経営許可を持つ寺院・霊園、送骨サービスを提供する事業者、散骨を専門とする業者など、遺骨の行き先を明確に説明できる相手に限られます。「不用品と一緒にまとめて回収します」という業者に遺骨を渡すことは避けてください。

市営の合葬墓を使う条件と費用

誰でも申し込めるわけではない:よくある申込条件

合葬墓(合葬式墓地・合葬埋蔵施設などと呼ばれます)は、複数の方の焼骨を一つの共同の納骨室にまとめて埋蔵する市区町村営の施設です。申込条件は自治体ごとに異なりますが、共通して見られる条件は次のとおりです。

  • 申込者本人、または焼骨となる故人がその市区町村に一定期間住んでいた(住民登録があった)こと
  • すでに火葬され、焼骨(お骨)の状態であること(土葬の遺骨は対象外とする自治体が多い)
  • 改葬許可証・火葬許可証・埋葬証明書など、遺骨の出所を証明する書類の提出
  • 申込者が焼骨の使用者・管理者であることを証明できること
  • すでに納骨堂や自宅で保管している遺骨(改葬扱い)と、火葬場から直接受け取る新しい遺骨とで、必要書類や申込区分が分かれている自治体もある

人気の高い自治体の合葬墓では、募集期間が年数回に限定されていたり、応募多数の場合は抽選になったりすることもあります。「思い立ったらすぐ申し込める」わけではない点は事前に押さえておく必要があります。市外・県外に住んでいる方は対象外、または割増料金になる自治体もあるため、住民票の所在地を管轄する霊園管理事務所への確認が欠かせません。

費用の目安:数万円〜十数万円、民営の合祀墓より割安な傾向

市営の合葬墓は、民間霊園が運営する合祀型の永代供養墓と比べて割安な傾向があります。民間の合祀型永代供養墓の相場が3万〜10万円程度であるのに対し、市区町村営の合葬墓は自治体の財政負担もあり、同程度かそれ以下の水準に設定されているケースが目立ちます。ただし正確な金額は自治体ごとの条例・要綱で定められており、居住要件(市内在住かどうか)で金額が変わることも珍しくありません。中には申込時に一定期間分の管理料を一括で納める方式や、逆に管理料が一切不要な方式など、料金体系そのものが自治体によって異なります。申し込む前に、対象の市区町村の霊園管理事務所へ直接確認することが必須です。

合葬墓の特徴(表)

項目内容
運営主体市区町村(霊園管理事務所・公園協会等が窓口の場合あり)
埋蔵の形式他の方の焼骨と同じ納骨室にまとめて埋蔵(合祀)
費用目安数万円〜十数万円程度(自治体・プランにより幅あり)
申込条件住民登録・焼骨であること・証明書類の提出等
募集時期通年ではなく年数回、抽選制の自治体もある
管理料・年会費不要な自治体が多い(申込時の使用料のみで完結するケースが中心)
取り出し一度埋蔵すると、他の遺骨と混ざるため個別に取り出すことは基本的にできない

「一度合葬すると遺骨を個別に取り戻せない」という点は、家族間の合意を得てから申し込むべき重要なポイントです。承継者が複数いる場合は、申込前に全員の同意を取っておくとトラブルを防げます。また、合葬墓とは別に、一定期間は個別のスペースに安置し、期間経過後に合祀へ移行する「個別安置期間付き」の合葬墓を設けている自治体もあります。すぐに合祀することに抵抗がある場合は、このようなプランの有無も窓口で確認するとよいでしょう。

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遺骨をゴミとして捨てるとどうなる?刑法190条のリスク

遺骨遺棄罪の条文と量刑

「手続きが面倒だから」「合葬墓の空きがないから」といって、遺骨を家庭ごみとして出したり、山野・河川敷などに放置したりすることは違法です。刑法190条(死体損壊等罪)は次のように定めています。

「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。」

この「遺棄」には、遺骨をごみ集積所に出す行為や、自宅以外の場所に無断で放置する行為も含まれると解されています。焼骨は法律上「一般廃棄物」として通常のごみ収集の対象にはならず、清掃工場や自治体のごみ処理ルートに乗せることもできません。ごみ収集車が誤って収集してしまった場合でも、出した側の責任が問われる可能性があることに変わりはありません。

墓地埋葬法との関係:許可を受けた墓地以外への埋葬も禁止

刑法190条とあわせて押さえておきたいのが「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」です。この法律では、埋葬・埋蔵は都道府県知事等の許可を受けた墓地以外の場所で行うことを禁止しています。自宅の庭や所有する山林であっても、許可を受けた墓地でなければ遺骨を埋めることはできません。「自分の土地だから自由にしてよい」という判断は誤りです。

「知らなかった」では済まない:実際に問題化しやすいパターン

  • 手元供養していた遺骨を、引っ越しや相続の整理のタイミングで一般ごみに出してしまう
  • 散骨のつもりで、粉骨せずに骨のままの状態を私有地以外の場所にまいてしまう(周辺住民とのトラブル・条例違反にもなりやすい)
  • 空き家整理や遺品整理の中で遺骨が見つかり、処分方法が分からないまま放置してしまう
  • 自宅の庭に「土に還すつもりで」無許可のまま埋めてしまう

いずれも「悪意はなかった」としても、遺骨遺棄罪や自治体の廃棄物処理条例・散骨に関するガイドラインへの違反に問われるリスクがあります。次の章で紹介する合法なルートのいずれかを必ず経由してください。

違反した場合に問われる法律と罰則(比較表)

行為該当しうる法律罰則の目安
遺骨をごみに出す・私有地以外に放置する刑法190条(死体損壊等罪)3年以下の拘禁刑
許可のない場所に遺骨を埋める(自宅の庭を含む)墓地、埋葬等に関する法律罰則規定あり(法令上の罰金刑)
骨のまま・節度を欠いた散骨を行う刑法190条(遺骨遺棄罪に該当するおそれ)/自治体の散骨条例条例違反の場合は自治体ごとの規定による

「バレなければ大丈夫」という考え方は非常に危険です。近隣住民からの通報や、遺品整理・不動産売却の過程で発覚するケースもあり、発覚した時点で刑事責任を問われる可能性があることを理解しておいてください。また、仮に刑事責任まで至らなかったとしても、遺骨の不適切な処分が親族間の関係悪化や、後々の相続トラブルの火種になることも少なくありません。費用や手間を惜しんで自己判断するのではなく、必ず合法なルートを経由するようにしてください。

合法かつ最安で遺骨を処分する3つのルート比較

遺骨を手放したい場合の「合法かつ費用を抑えられる」代表的なルートは、大きく分けて次の3つです。それぞれの費用目安・特徴・向いているケースを比較します。

ルート費用目安特徴向いているケース
①市営・民営の合祀型永代供養墓3万〜10万円程度(市営は同水準かそれ以下の場合あり)他の方の遺骨と合同で埋蔵・供養。管理不要、以後の費用もかからないお墓参りの形にこだわらず、確実に安く供養先を確定させたい人
②送骨サービス(郵送での納骨)2万円台〜5万円程度専用キットに遺骨を納め、ゆうパック等で寺院・霊園に郵送。現地に行く必要がない遠方に住んでいる、体力的に移動が難しい、来訪の手間を省きたい人
③散骨(要・粉骨)5万円〜粉骨した上で海洋散骨などを業者に委託。お墓自体を持たない選択肢「お墓を残さない」ことを希望する人、自然に還したいという意向がある人

いずれの方法も、改葬許可証(すでにお墓に納骨されていた遺骨を移す場合)や火葬許可証(火葬場から直接受け取った遺骨の場合)が必要になることがあります。事前に受け入れ先・委託先へ必要書類を確認してください。

①合祀型永代供養墓:もっとも確実で管理の手間がかからない

費用の安さと「その後の管理が一切不要になる」という確実性を両立できるのが、市営または民営の合祀型永代供養墓です。一度埋蔵すれば年会費や管理費は発生せず、承継者がいなくても供養が途切れません。申し込みから埋蔵までは、寺院・霊園への申し込み→必要書類(改葬許可証等)の提出→合祀法要への立ち会いまたは郵送での納骨、という流れが一般的です。デメリットは、他の方の遺骨と混ざるため、後から個別に取り出すことができない点です。

②送骨:現地に行けない・行きたくない人向け

送骨は、専用の梱包キットに遺骨を納めてゆうパックなどで寺院・霊園に送り、先方で合祀等の供養をしてもらう方法です。交通費・移動時間がかからないため、遠方に住んでいる方や高齢で移動が難しい方に向いています。梱包・送付の手順は委託先ごとに定められているため、必ず事前案内に従ってください。宅配便各社は遺骨の直接発送を規約で制限している場合があり、多くの送骨サービスは日本郵便のゆうパックを指定しています。

③散骨:お墓を持たない選択肢、ただし粉骨と条例確認が必須

散骨は、遺骨を粉状(2mm以下が目安とされます)に粉骨したうえで、海洋などにまく方法です。骨のまま撒く行為は遺骨遺棄罪に問われるリスクや周辺トラブルの原因になるため、必ず粉骨したうえで、散骨を規制する条例がある地域では事前に確認してから実施する必要があります。個人で散骨する「自己散骨」よりも、実績のある散骨業者に委託する方が、粉骨・実施海域の選定・環境への配慮の面で安全です。

散骨には、業者に完全に任せる「代行散骨」、遺族が船に同乗する「乗船散骨」、複数の遺族が1隻に乗り合う「合同散骨」などのプランがあり、乗船するプランほど費用は高くなる傾向があります。粉骨は自分で行うこともできますが、専用の粉骨機がなければ骨片を十分に細かくできず、業者に依頼するのが一般的です。散骨を行った後は「お墓参りをする対象がなくなる」ため、親族の中に手を合わせる場所を求める人がいないか、事前に意向を確認しておくと後悔を防げます。なお、散骨は焼骨の全量を撒く必要はなく、一部を粉骨して散骨し、残りは自宅で手元供養する、あるいは合祀墓に別途納骨するという組み合わせを選ぶ方も少なくありません。

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合法なルートを選んだ後の手続きの流れ

どのルートを選ぶ場合でも、実際に遺骨を手放すまでの大まかな流れは共通しています。書類の準備で迷わないよう、5つのステップに整理しました。

  1. 遺骨の状態を確認する(すでにお墓に埋蔵されているか、自宅で保管中か、火葬場から受け取ったばかりか)
  2. 供養先(合祀墓・送骨先・散骨業者)を決め、受け入れ条件と必要書類を確認する
  3. お墓から取り出す場合は現在の墓地管理者から埋蔵証明をもらい、市区町村に改葬許可を申請する
  4. 供養先に必要書類(改葬許可証・分骨証明書等)を提出し、費用を支払う
  5. 納骨・散骨が完了したら、証明書や報告(写真・書面)を受け取り保管する

この流れのうち、③の改葬許可申請は書類の不備が起こりやすいポイントです。申請書の記入や証明書の取り付けが難しい場合は、行政書士に依頼することもできます。安心墓じまいでは提携行政書士をご紹介しており、ご契約・報酬は行政書士と直接のお取り決めとなります(「代行します」という形ではなく、あくまでご紹介です)。書類の不備は申請の受理が遅れる主な原因になるため、提出前に窓口へ電話で必要書類一式を確認しておくと、二度手間を防げます。

自分の場合はどうする?ケース別の選び方チェックリスト

状況ごとに、優先すべき選択肢を整理しました。印刷してご自身の状況に近いものを確認してください。

状況優先したい選択肢理由
墓じまい後の遺骨で、承継者がいない・作りたくない合祀型永代供養墓(市営・民営)以後の管理・承継の問題を一度で解消できるため
遠方に住んでいて現地に行く時間が取れない送骨サービス郵送で完結し、移動の負担がかからないため
手元供養していたが、供養先を自然に還す形にしたい散骨(要・粉骨、業者委託)お墓を持たない供養として希望に合致するため
費用を用意できない・生活保護世帯である市区町村の福祉窓口へ葬祭扶助の対象か相談生活保護法18条の葬祭扶助が使える可能性があるため
身元不明の遺骨を発見した/引取り手が本当にいない発見地の市区町村(行旅死亡人としての扱い)へ相談行旅病人及行旅死亡人取扱法に基づく自治体対応の対象になるため
家族間で意見が割れている(合祀に反対する親族がいる)いったん個別の永代供養墓・納骨堂で保留合祀は後戻りできないため、合意形成を優先すべき

処分前に必ず確認したいチェックリスト

  • □ 改葬許可証・火葬許可証・埋葬証明書など、必要書類はそろっているか
  • □ 家族・親族に事前の相談・同意を得ているか(合祀は後から取り戻せないため)
  • □ 依頼先(自治体・寺院・霊園・送骨業者・散骨業者)が実在の許可・実績を持つ事業者か
  • □ 費用の内訳(追加費用の有無)を書面で確認したか
  • □ 遺骨をごみに出す・骨のまま私有地以外にまく等、違法になる方法を選んでいないか
  • □ 散骨の場合、粉骨を済ませ、実施予定地域の条例・ガイドラインを確認したか

よくある質問

Q. 市役所に電話すれば無料で遺骨を引き取ってもらえますか?

いいえ、原則として無料での引き取り制度はありません。自治体が火葬・埋葬に関与するのは、身元不明で引取り手のない行旅死亡人や、生活保護受給者の葬祭扶助の対象となるケースなど、法律で定められた限られた場合に限られます。一般の家庭の遺骨については、市営の合葬墓(有料)を案内されるのが実際の対応です。

Q. 遺骨を勝手に土に埋めてはいけませんか?

はい、墓地、埋葬等に関する法律により、埋葬・埋蔵は都道府県知事等の許可を受けた墓地以外の場所で行うことが禁止されています。自宅の庭や私有地であっても、許可を受けた墓地でなければ埋葬はできません。

Q. 合葬墓に納めた遺骨は、後から個別に取り出せますか?

基本的にできません。合葬墓は複数の方の焼骨を一つの納骨室にまとめて埋蔵する形式のため、一度埋蔵すると他の遺骨と混ざり、特定の方の遺骨だけを取り出すことは物理的にできなくなります。申し込む前に家族間で十分に話し合ってください。

Q. 複数の遺骨(先祖代々分)をまとめて処分したい場合も同じ流れですか?

基本的な流れは同じですが、複数の焼骨がある場合は、遺骨1体ごとに改葬許可申請書の提出が必要になることが一般的です。お墓に埋蔵されている遺骨をまとめて改葬する場合は、墓じまいの手続き全体として進める方が、書類の抜け漏れを防げます。何体分の遺骨があるか分からない古いお墓の場合は、墓石の下のカロート(納骨室)を開けて確認する作業自体を墓じまい業者に依頼できるので、無理に自分だけで数えようとせず、専門業者に相談することをおすすめします。

Q. 送骨や散骨を業者に依頼する場合、悪質業者を見分けるポイントはありますか?

運営元の寺院・霊園名や所在地が明記されているか、料金の内訳(追加費用の有無)が事前に書面で示されるか、散骨の場合は実施海域や粉骨方法まで説明があるかを確認してください。極端に安い料金や、前払いのみで詳細説明がない事業者は避けるのが無難です。

Q. 行政書士に依頼すれば、自治体との手続きも代行してもらえますか?

改葬許可申請などの書類作成は行政書士の業務範囲ですが、火葬・埋葬に関する自治体の判断(行旅死亡人の認定や葬祭扶助の可否など)そのものを代行することはできません。安心墓じまいでは、書類作成が必要な場合に提携行政書士をご紹介できます(ご契約・報酬は行政書士と直接のやり取りとなります)。

Q. 兄弟姉妹の間で「自治体に任せよう」と「供養先を探そう」で意見が割れています。どう進めればいいですか?

まず前提として、承継者が判明している以上、自治体側が無条件で引き取ってくれる制度自体が存在しないことを共有してください。そのうえで、費用を抑えたい側には合祀型永代供養墓や送骨(2万〜10万円程度)を、手を合わせる場所を残したい側には個別安置期間のある永代供養墓や納骨堂を提案するなど、費用感と気持ちの両方を折衷できる選択肢を並べて話し合うと合意形成がしやすくなります。合祀は一度行うと取り消せないため、結論を急がず、全員が納得してから申し込むことを優先してください。第三者(墓じまい業者や行政書士)を交えて話し合うと、感情的な対立を避けやすくなるという声もあります。

Q. 遺骨を分骨して、一部だけ自治体の合葬墓に納めることはできますか?

自治体・施設により対応が分かれます。分骨した焼骨の一部のみを合葬墓に納められる自治体もありますが、その場合も分骨証明書の提出を求められるのが一般的です。手元に残す分と合葬墓に納める分をどう分けるかは、申込前に家族間で決め、窓口にも分骨である旨を伝えて必要書類を確認してください。

Q. 改葬件数はどれくらいあるのですか?

厚生労働省が公表する「衛生行政報告例」やe-Statの統計では、改葬件数(お墓から別の場所へ遺骨を移した件数)は年間十数万件規模で推移しており、少子高齢化や承継者不在を背景に増加傾向にあるとされています。正確な最新件数は年度によって変動するため、最新の数値はe-Statの衛生行政報告例で確認してください。

Q. 手元供養として自宅に遺骨を置き続けることに、法律上の期限はありますか?

いいえ、自宅で遺骨を保管し続けること自体に法律上の期限はありません。墓地埋葬法が規制しているのは「埋葬・埋蔵の場所」であり、自宅で骨壺のまま安置する手元供養は、埋蔵にはあたらないため規制の対象外です。ただし、将来的に承継者がいなくなることが見込まれる場合は、元気なうちに合祀墓や送骨などの供養先を決めておくことをおすすめします。

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まとめ

自治体が遺骨を無条件で引き取ってくれる制度は原則なく、行旅死亡人や葬祭扶助の対象となる限られたケースに限られます。一般の家庭が自治体に相談すると案内されるのは、多くの場合、数万円〜十数万円程度の費用がかかる市営の合葬墓です。遺骨をごみとして出したり無断で放置したりする行為は刑法190条の遺骨遺棄罪(3年以下の拘禁刑)に問われるおそれがあるため避けてください。合法かつ費用を抑えたい場合は、合祀型永代供養墓・送骨サービス・散骨(要粉骨)の3つのルートを、ご自身の状況(承継者の有無・居住地・費用面)に合わせて比較検討することをおすすめします。

自治体は最後のセーフティネットではあっても、日常的な「遺骨の受け皿」ではありません。承継者が判明している遺骨については、費用と気持ちの両面から見て、市営・民営の合祀型永代供養墓、送骨サービス、粉骨のうえでの散骨という3つの合法なルートの中から、ご自身の状況に合ったものを選ぶのが現実的な進め方です。迷った場合は、まず対応する市区町村の霊園管理事務所に「市営の合葬墓はあるか」「費用と申込条件はどうか」を問い合わせるところから始めてみてください。手続きや業者選びに不安がある場合は、専門家に相談しながら進めることで、費用面・法律面の両方の失敗を防ぎやすくなります。

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

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■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
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  • 改葬・墓じまいの手続き
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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