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墓じまい業者に必要な資格・許可と確認方法

最終更新日:2026年10月7日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

墓じまい業者を選ぶとき「資格を持っている業者を選ぶべき」と聞いて、何を確認すればいいのか迷っていませんか。結論から言うと、「墓じまい専用の資格」は存在しません。しかし墓じまいの一連の作業には、①墓石を廃棄物として運ぶための産業廃棄物収集運搬業許可、②請負金額500万円以上の解体工事に必要な建設業許可(500万円未満は解体工事業登録)、③改葬許可申請の代理を行える行政書士、④石材加工の技能を証明する石材施工技能士(任意資格)という4つの資格・許可が関わります。無許可の業者に依頼すると、不法投棄によるトラブルへの巻き込まれや、後から高額請求を受けるリスクがあります。この記事では、それぞれの資格・許可の範囲と、契約前に確認すべき5項目のチェックリストを解説します。

目次

墓じまい業者に「専用の資格」はない

先に結論を述べると、「墓じまい業者」という業種そのものを対象にした国家資格・許可制度は存在しません。墓じまいは「遺骨を取り出す」「墓石を撤去する」「行政手続きをする」「新しい供養先に納骨する」という複数の作業の組み合わせであり、作業ごとに必要な資格・許可が異なります。石材店・石材店系の代行業者・遺品整理業者・葬儀社など、さまざまな業種が「墓じまい代行」を名乗って営業していますが、名乗ること自体には許認可が不要です。だからこそ、依頼する側が「この業者は何の許可を持っているか」を個別に確認する必要があります。

逆に言えば、「墓じまい専門資格〇〇取得」のような表記だけを見て安心するのは危険です。存在しない資格名を掲げている場合もあれば、実際に必要な許可(産業廃棄物収集運搬業許可や解体工事業登録)は持っていない、というケースもあり得ます。業者選びで確認すべきは資格の「名称」ではなく、その業者が行う作業に対応した許可・登録が実際にあるかどうかです。次の章で、作業内容ごとに必要な資格・許可を1つずつ整理します。

墓じまいに関わる4つの資格・許可と対応業務

墓じまいの実務で関係する資格・許可を、対応する作業ごとに整理すると次のとおりです。

産業廃棄物収集運搬業許可(墓石の撤去・運搬)

撤去した墓石は、廃棄物処理法上「がれき類」に分類される産業廃棄物です。産業廃棄物を業として収集・運搬するには、廃棄物を積み込む場所と運搬先それぞれの都道府県知事(政令市の場合は市長)から「産業廃棄物収集運搬業許可」を受ける必要があります。積み込む場所と運搬先の都道府県が異なる場合は、両方の自治体で許可を取得していなければなりません。たとえば東京都内の墓地から千葉県内の処分場に墓石を運ぶ場合、業者は東京都と千葉県の両方の許可を持っている必要があります。

許可を持たない業者が墓石を運び出すことは違法であり、依頼主が「知らなかった」では済まされないケースもあります。廃棄物処理法上、無許可での産業廃棄物収集運搬業は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(法人には3億円以下の罰金)という重い罰則の対象です。見積書や契約書に許可番号の記載があるか、または業者に許可証の提示を求めて確認することが重要です。産業廃棄物収集運搬業許可の情報は、多くの都道府県で公式サイトの「許可業者検索」ページから許可番号を照会できるため、提示された許可番号を自治体サイトで照合すると確実です。

解体工事業登録・建設業許可(500万円が基準)

墓石の解体・撤去は建設リサイクル法・建設業法上の「解体工事」に該当します。1件あたりの請負金額が税込500万円以上になる場合は「解体工事業」の建設業許可が必要です。建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者の設置、専任技術者の配置、財産的基礎の確保など複数の要件を満たす必要があり、取得のハードルは高めです。

一般的な墓じまいの墓石撤去費用は、墓地面積2〜3㎡程度であれば数十万円で収まることが多く、500万円未満のケースが大半です。ただし500万円未満であっても無許可・無登録でよいわけではなく、建設リサイクル法に基づく都道府県知事への「解体工事業登録」が義務付けられています(建設業許可を持つ業者は登録不要)。登録が必要な工事を無登録で行うことは建設業法違反にあたり、罰則の対象にもなり得るため、契約前に登録の有無・登録番号を確認しましょう。登録は各都道府県の建設業担当課のウェブサイトで公表されていることが一般的です。

行政書士(改葬許可申請書類の作成・提出代理)

改葬許可申請書などの官公署に提出する書類を、報酬を得て他人に代わって作成・提出できるのは、行政書士など法律で定められた国家資格者に限られます(行政書士法)。石材店や墓じまい代行業者が「改葬許可申請を代行します」とうたうことは、行政書士法に抵触するおそれがあります。実際には、代行業者が書類の様式を渡して「本人が記入・押印すれば手続きの補助はできる」という整理をしている場合もありますが、業者が本人に代わって書類を作成・提出する行為は原則として行政書士の独占業務です。

安心墓じまいでは、改葬許可申請の書類作成・提出が必要な場合は提携行政書士をご紹介しており、ご契約・報酬のお支払いはお客様と行政書士の間で直接行っていただきます。報酬の目安は自治体や書類の内容によって異なりますが、数万円程度からが一般的です。ご自身で役所に出向いて申請することも可能で、その場合は行政書士への依頼は不要です。

石材施工技能士(墓石施工の技能を証明する任意資格)

石材施工技能士は、都道府県が実施する技能検定に合格した人に与えられる国家資格(技能検定)で、1級・2級があり、石材加工・石張り・石積みの作業区分に分かれます。1級は実務経験がより長く求められる上位等級で、現場での指導的な立場を担えるレベルとされています。墓石の撤去・据え付けを丁寧に行える技術力の目安になりますが、取得は任意であり、資格がなければ石材工事ができないわけではありません。

また、石材施工技能士の資格を持つ職人がいると、石工事において建設業許可の要件である「専任技術者」になれるというメリットもあります。石材施工技能士の資格を持つ職人が在籍しているかは、施工品質を見極める一つの参考情報として確認するとよいでしょう。ただし、資格の有無だけでなく、実際の施工実績(何件くらい墓じまいの施工をしてきたか)もあわせて聞いておくと、より実態に近い判断ができます。

資格・許可の一覧比較表

資格・許可対応する作業種類義務/任意
産業廃棄物収集運搬業許可墓石(がれき類)の運搬都道府県知事の許可該当作業を行う場合は義務
解体工事業登録/建設業許可墓石の解体・撤去都道府県への登録/許可該当作業を行う場合は義務
行政書士改葬許可申請書類の作成・提出代理国家資格代理・代行には資格が必須
石材施工技能士墓石の施工・加工の技能証明国家資格(技能検定)任意(品質の目安)

費用面の目安は墓じまいの費用相場、依頼できる業務範囲は墓じまい業者の選び方でも解説しています。

行政書士に依頼する場合の費用目安と流れ

改葬許可申請の書類作成を行政書士に依頼する場合の一般的な流れと費用目安は次のとおりです。自治体や依頼内容によって金額は変動するため、必ず事前見積もりを取りましょう。

ステップ内容費用目安
1. 相談・ヒアリング現在の墓地・改葬先の状況を伝える無料〜のところが多い
2. 必要書類の案内埋葬証明書・受入証明書など必要書類の説明を受ける相談料に含まれることが多い
3. 申請書類の作成改葬許可申請書などを行政書士が作成2万〜5万円程度(自治体・件数により変動)
4. 役所への提出行政書士が窓口へ提出、または郵送で代理提出上記費用に含まれることが多い

遺骨の数が多い場合や、複数の墓地にまたがる改葬の場合は、書類の通数が増えるため費用も上がる傾向があります。見積もり時に対象となる遺骨の数を正確に伝えると、金額のズレを防げます。

許可番号・登録番号の確認方法

資格・許可の有無は、口頭での説明だけでなく、番号を照合して確認するのが確実です。

  • 産業廃棄物収集運搬業許可:許可を出した都道府県・政令市のウェブサイトにある「産業廃棄物処理業者検索」で、業者名または許可番号を入力して確認できます
  • 解体工事業登録:登録を受けた都道府県の建設業担当課のウェブサイトで、登録業者名簿を公表していることが一般的です
  • 建設業許可:国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で許可番号から検索できます
  • 行政書士:所属する都道府県行政書士会の会員名簿で氏名・登録番号を確認できます

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なぜ無許可の業者が存在してしまうのか

墓じまい代行という言葉自体には業種としての許認可がないため、必要な許可を取得しないまま営業を始めることが構造的に可能になっています。とくに繁忙期には下請け・孫請けの体制で作業をこなす業者もあり、元請けが許可を持っていても、実際に墓石を運ぶ下請け業者が許可を持っていないというケースも起こり得ます。依頼主から見ると「どの業者が実際に作業するか」が見えにくいため、契約時に実作業者の許可状況まで確認することが重要になります。

無許可業者に依頼した場合のリスク

許可・登録のない業者に依頼した場合、次のようなリスクが考えられます。

  • 撤去した墓石が不法投棄され、依頼主が排出事業者としてトラブルに巻き込まれる可能性がある
  • 行政書士資格を持たない業者が改葬許可申請の代理をしていた場合、書類の不備や手続きの遅延につながることがある
  • 契約書や見積書に許可番号の記載がなく、後から「追加費用」を請求されても交渉材料がない
  • 解体工事業登録がない業者が施工し、近隣とのトラブル(重機の出入り・騒音・境界石の破損など)が起きた際に責任の所在が曖昧になる
  • 業者自体が摘発・行政処分を受けて廃業し、工事の途中で連絡が取れなくなる

それぞれのリスクは、契約前の許可・登録の確認によって多くが防げます。特に「撤去した墓石がどこに運ばれ、どのように処分されるか」を業者に確認しておくことは、後々のトラブルを避ける上で重要なポイントです。正規の許可業者であれば、収集運搬から処分までのマニフェスト(産業廃棄物管理票)の流れを説明できるはずです。

特に価格の安さだけで業者を選んでしまうと、許可・登録のコストを省いている業者に当たるリスクが高まります。見積もり時点で「なぜこの金額なのか」「どの許可を使って作業するのか」を確認する姿勢が大切です。

また、行政書士資格を持たない業者が改葬許可申請の代理・提出まで行っていた場合、申請自体が後から問題視され、改葬先への納骨が滞る事態も考えられます。改葬許可申請は一度きりの手続きであり、やり直しには時間と手間がかかります。書類関係は必ず本人が申請するか、資格を持つ行政書士に依頼する形にしておくと安心です。

業種別に見る「対応できる範囲」の違い

墓じまい代行を名乗る業種には、石材店、墓じまい専門の代行業者、遺品整理業者、葬儀社などがあります。業種によって、自社で持つ許可・得意分野に違いがあるため、依頼したい作業と業者の得意分野が合っているかを確認すると選びやすくなります。

業種強み確認しておきたい点
石材店墓石の解体・撤去の施工力産業廃棄物収集運搬業許可・解体工事業登録の有無
墓じまい専門の代行業者手続き・改葬先案内までワンストップ実作業を行う協力会社の許可状況、行政書士との連携方法
遺品整理業者遺品・仏壇の処分に強い墓石撤去そのものの実績、産廃許可の有無
葬儀社供養・法要の手配に強い撤去工事は提携業者頼みになることが多く、提携先の許可確認が必要

いずれの業種であっても、最終的に墓石を撤去・運搬するのは前述の許可・登録を持つ事業者である必要があります。窓口となる業者の業種にかかわらず、実作業者の許可状況を確認する姿勢は共通して大切です。

依頼前に確認する5項目チェックリスト

印刷してそのまま業者への確認に使えるチェックリストです。電話やメールで確認し、回答が曖昧な場合は他社と比較することをおすすめします。

確認項目確認する内容チェック
1. 産業廃棄物収集運搬業許可許可証の提示・許可番号の記載があるか□
2. 解体工事業登録/建設業許可登録番号・許可番号があるか(500万円以上の場合は建設業許可)□
3. 改葬許可申請の対応方法「代行」ではなく行政書士の紹介・連携になっているか□
4. 見積書の内訳と追加費用の有無total総額表示か、追加請求が発生する条件が明記されているか□
5. 契約書・支払いタイミング着手金と残額払いの区分、工事完了後の支払いになっているか□

この5項目のうち1つでも「確認できない」「曖昧にされる」場合は、契約前に他の業者とも比較することをおすすめします。

電話やメールで確認するときの質問例

実際に問い合わせる際は、次のような聞き方をすると具体的な回答を引き出しやすくなります。

  • 「墓石の撤去・運搬は御社が直接行いますか、それとも協力業者ですか。その業者の産業廃棄物収集運搬業許可の番号を教えてください」
  • 「解体工事業の登録番号、または建設業許可の番号を教えてください」
  • 「改葬許可申請の書類は誰が作成・提出しますか。行政書士の資格をお持ちですか、それとも紹介制ですか」
  • 「見積書に記載のない追加費用が発生するケースはありますか。ある場合は具体的な条件を教えてください」

ケース別シミュレーション:自分の場合はどれに当てはまる?

ケースA:墓石撤去から改葬先の案内までまとめて任せたい

この場合、産業廃棄物収集運搬業許可と解体工事業登録の両方を持つ業者を選ぶ必要があります。改葬許可申請の書類作成が必要であれば、業者が提携している行政書士の紹介を受けられるかも確認しましょう。窓口が1つにまとまっていても、実際に作業を行う許可・資格がバラバラの複数事業者で構成されている場合もあるため、「誰が何をするか」を契約前に整理してもらうと安心です。安心墓じまいでは、これらの許可・登録状況を開示したうえで、遺骨の取り出しから墓石撤去、改葬先のご案内までまとめて対応しています。

ケースB:改葬許可申請だけ自分でやりたい

改葬許可申請書は自分で役所に提出することも可能です。資格がなくても、自分自身の申請であれば行政書士法の制限を受けません。書類の書き方に不安がある場合や、平日に役所へ行く時間が取りにくい場合のみ、行政書士への依頼を検討するとよいでしょう。墓石撤去は別途、産業廃棄物収集運搬業許可と解体工事業登録を持つ業者に依頼する流れになります。手続きと撤去工事を別々の業者に依頼する場合は、改葬許可証が発行されてから撤去工事に着手するスケジュールを組むとスムーズです。

ケースC:寺院墓地で離檀料の交渉が絡む

離檀料の交渉自体は資格を必要としない当事者間の話し合いです。ただし、行政書士や弁護士が「交渉の代理人」として金銭交渉まで行うことは業務範囲外、または別の資格(弁護士など)が必要になる場合があります。離檀料についてはまず住職に直接、改葬の意向を丁寧に伝えることがトラブル回避の第一歩です。高額な離檀料を提示された場合や、書面での取り決めをしておきたい場合は、弁護士への相談も選択肢になります。

ケースD:市営・公営霊園で手続きが完結する場合

市営・公営霊園は宗教色がなく、離檀料は発生しません。この場合は改葬許可申請と墓石撤去の2つの手続き・作業が中心になります。霊園の管理事務所によっては、返還にあたって指定の石材店・業者があるケースもあるため、事前に霊園の規定を確認しておくと、依頼できる業者の選択肢を把握しやすくなります。

定額プランと個別発注、資格確認の手間はどう変わる?

墓じまいの発注方法には、大きく分けて「定額プランの代行業者に一括で依頼する方法」と「改葬手続き・墓石撤去・改葬先手配を個別に発注する方法」の2通りがあります。

個別発注の場合、依頼主自身が改葬許可申請(本人申請または行政書士)、墓石撤去(許可・登録業者)、改葬先(供養先の運営者)をそれぞれ手配するため、各社の資格・許可を個別に確認する手間がかかります。一方で、業者ごとの費用を細かく比較できるメリットもあります。

定額プランの代行業者に一括で依頼する場合は、窓口が1つにまとまる分、資格確認の手間は減りますが、「実際に作業する協力会社の許可状況まで開示してくれるか」を確認することが、個別発注の場合以上に重要になります。窓口の担当者だけでなく、現場で作業する業者の情報まで聞いておくと安心です。

安心墓じまいの資格・許可の考え方

安心墓じまいでは、墓石撤去に関わる産業廃棄物収集運搬・解体工事の許可・登録状況をご相談時にご案内し、改葬許可申請の書類作成が必要な場合は提携行政書士をご紹介しています(ご契約・報酬のお支払いはお客様と行政書士の間で直接行っていただきます)。実際に現地で撤去工事を行う協力会社についても、許可・登録の状況を確認したうえでご案内する体制を取っています。

料金は墓じまい一式198,000円〜(税込)、追加費用はなく、お支払いは着手金と完成後の残額払いの2回に分けてご案内しています。「結局いくらかかるのか分からない」「どこまでが料金に含まれるのか不安」という方は、見積もりの段階で内訳と一緒に許可・登録の状況もあわせてご確認いただけます。

「墓地経営許可」と業者の資格を混同しないよう注意

墓地・埋葬等に関する法律では、墓地を経営できるのは市町村や宗教法人などに限られ、都道府県知事等の許可(墓地経営許可)が必要です。これは「墓地を運営する主体」に対する許可であり、墓じまいを代行する業者に対する許可ではありません。まれに「墓地経営許可を持っているので安心」といった説明を目にすることがありますが、これは墓じまい業者の資格・許可とは別の制度である点に注意しましょう。墓じまい業者を選ぶ際にチェックすべきは、あくまで産業廃棄物収集運搬業許可・解体工事業登録(または建設業許可)・行政書士資格の3点です。

よくある質問

Q. 資格を持たない業者に依頼すると違法になりますか?

業者側が無許可で産業廃棄物の運搬や解体工事、改葬許可申請の代理を行った場合、業者自身が法令違反に問われる可能性があります。依頼主が直接罰則を受けるものではありませんが、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるリスクがあるため、許可・登録の有無は契約前に確認することをおすすめします。

Q. 許可証の提示を求めても断られたらどうすればいいですか?

正当な理由なく許可証の提示や許可番号の開示を断る業者は避けたほうが安心です。産業廃棄物収集運搬業許可・解体工事業登録は公的な制度であり、正規の業者であれば開示に問題はありません。

Q. 石材施工技能士の資格がない業者は避けるべきですか?

石材施工技能士は任意資格のため、資格がないこと自体が問題になるわけではありません。施工実績や口コミ、見積もりの内訳の丁寧さなど、資格以外の情報もあわせて確認することをおすすめします。

Q. 複数の許可を持つ業者と、許可ごとに別業者に頼むのはどちらがよいですか?

どちらも選択肢になりますが、複数の許可を自社で持つ業者に一括で依頼したほうが、連絡窓口が1つで済み、スケジュール調整の手間が少ない傾向があります。別業者に分けて依頼する場合は、改葬許可証の発行タイミングと撤去工事の日程を自分で調整する必要があるため、事前にスケジュールをすり合わせておきましょう。

Q. 見積もりの段階で許可の有無を聞いても失礼にあたりませんか?

失礼にはあたりません。許可・登録の有無は法律で定められた事項であり、正規の業者であれば確認されることを前提に営業しています。むしろ許可番号を自ら提示してくる業者のほうが、依頼主に対して誠実な対応をしていると考えられます。

Q. 元請けの業者が許可を持っていれば、下請け業者の許可は確認しなくてよいですか?

元請けが許可を持っていても、実際に墓石を運搬・撤去するのが別の下請け業者であれば、その下請け業者自身が該当する許可を持っている必要があります。契約前に「実際に作業するのはどの会社か」「その会社は許可を持っているか」まで確認しておくと安心です。

Q. 見積書に許可番号が書かれていない場合、どうすればよいですか?

見積書に許可番号の記載がなくても、口頭やメールで問い合わせれば教えてもらえることが一般的です。問い合わせても回答が得られない、または曖昧な返答しかない場合は、その時点で他の業者との比較を検討することをおすすめします。

Q. 「産業廃棄物収集運搬業許可」と「一般廃棄物収集運搬業許可」は違いますか?

異なります。墓石は事業活動に伴って生じる「がれき類」として産業廃棄物に分類されるため、墓じまいの墓石撤去には「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。一般廃棄物収集運搬業許可は主に家庭ごみなどを対象とした別制度であり、墓石の運搬には対応していません。業者から提示された許可証の種類が「産業廃棄物」のものになっているかも、あわせて確認しておくと安心です。

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まとめ

墓じまい業者そのものを対象にした専用資格はありませんが、実務では産業廃棄物収集運搬業許可・解体工事業登録(または建設業許可)・行政書士・石材施工技能士という4つの資格・許可が関わります。それぞれ対応する作業が違うため、「資格を持っています」という言葉だけで判断せず、どの作業にどの許可が対応しているかを具体的に確認することが大切です。

依頼前には、①許可証・登録番号の提示、②見積書の内訳と追加費用の有無、③改葬許可申請の対応方法(代行ではなく行政書士の紹介か)、④解体工事業登録または建設業許可の番号、⑤契約書と支払いタイミング、の5項目を確認しましょう。電話やメールで質問しても失礼にはあたらず、むしろ誠実な業者ほど番号を自ら提示してくれます。

安心墓じまいでは、許可・登録の状況を開示したうえで、墓じまい一式198,000円〜(税込)・追加費用なしでご案内しています。お支払いは着手金と完成後の残額払いの2回のみです。ご相談は無料です、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

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■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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