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厚生労働省の見解は?遺骨の自宅保管は違法ではない|法律と注意点

最終更新日:2026年9月15日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

「遺骨を自宅に置いたままだが、法律違反にならないか」と不安な方は少なくありません。結論から言うと、遺骨を自宅の室内で保管することは違法ではありません。この記事では、根拠となる墓地埋葬法の内容、違法になるケースとの線引き、カビを防ぐ保管方法、最終的な供養先の選び方までを解説します。

先に結論|遺骨の自宅保管 早見表

遺骨を自宅の室内で保管することは違法ではありません。根拠となる墓地埋葬法(厚生労働省の法令等データベースで公開)が規制するのは「埋葬・埋蔵」であって「保管」ではなく、許可・届出も納骨の期限もありません。違法になるのは庭に埋める(同法第4条)、放置・投棄する(刑法190条のおそれ)場合だけです。

室内での保管違法ではない(許可・届出不要・期間制限なし)
納骨の期限法律上の定めなし。四十九日・一周忌は慣習
違法になる行為庭・プランターへの埋骨(墓地埋葬法第4条)、放置・投棄(刑法190条のおそれ)
置いてはいけない場所水回りの近く・北側の押し入れ・床下収納・窓際(湿気・直射日光・温度差)
分骨する場合分骨証明書が必要(火葬場または墓地管理者が発行)
納骨するときの書類自宅保管のみ→埋火葬許可証で可のケースが一般的/墓じまいで取り出した遺骨→改葬許可が必要
  • いつまで保管し、その後どこへ納めるかを家族で決めておくことが、自宅保管を選ぶときの大切な条件です。
  • 遺骨を郵送できるのは日本郵便のゆうパックのみです。
目次

結論:遺骨の自宅保管は違法ではない

まず一番の不安である「違法かどうか」に答えます。自宅の室内に遺骨を置くこと自体を禁じる法律は存在しません。

墓地埋葬法が規制するのは「埋葬・埋蔵」であって「保管」ではない

遺骨の扱いを定めるのは「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号、通称:墓地埋葬法)です。この法律が規制しているのは、遺体の「埋葬」と、焼骨の「埋蔵・収蔵」です。つまり土に埋める・墓地等の施設に納める行為にルールを課す法律です。自宅の室内に骨壺のまま安置する「保管」は、規制の対象外です。そのため許可や届出は一切不要で、期間の制限もありません。骨壺のまま仏壇に置く、ミニ骨壺に分けて飾るといった「手元供養」は、法律上まったく問題のない供養の形です。

違法になるケース:庭への埋骨と、放置・投棄

一方で、次の2つのケースは違法になります。線引きをはっきり押さえておきましょう。

  • 自宅の庭に遺骨を埋める:墓地埋葬法第4条は、埋葬や焼骨の埋蔵を「墓地以外の区域」で行うことを禁じています。たとえ自分の土地でも、庭に埋めた時点で違法です
  • 遺骨を放置・投棄する:遺骨をごみに出す、山や空き家に置き去りにするなどの行為は、刑法190条の遺骨遺棄罪に問われるおそれがあります

つまり「室内で大切に保管する」のは合法、「埋める・捨てる」のは違法という区別です。プランターや植木鉢に骨壺ごと埋める行為も埋蔵とみなされるおそれがあるため、避けてください。

行為別に見る合法・違法の線引き

「どこまでが合法か」を行為ごとに整理すると、次のようになります。

行為法律上の扱い根拠・補足
自宅の室内に骨壺のまま安置する合法(許可・届出不要、期間制限なし)墓地埋葬法の規制対象は「埋葬・埋蔵」で、保管は対象外
ミニ骨壺・ペンダントに分骨して手元供養合法分骨証明書が必要(火葬場または墓地管理者が発行)
賃貸住宅・マンションで保管する合法賃貸借契約で遺骨の保管を制限する例も通常なし
自家用車・電車で持ち運ぶ/郵送する制限なし郵送はゆうパックのみ。ヤマト運輸・佐川急便は約款上不可
自宅の庭に埋める違法墓地埋葬法第4条。自分の土地でも不可
プランター・植木鉢に骨壺ごと埋める埋蔵とみなされるおそれ避ける
ごみに出す・山や空き家に置き去りにする違法のおそれ刑法190条の遺骨遺棄罪
土に還したい許可を受けた墓地での樹木葬などを検討墓地以外での埋蔵は不可

遺骨はいつまで自宅に置いていい?納骨の期限

「四十九日までに納骨しないといけないのでは」と心配される方も多いですが、これも誤解です。

法律上の期限はない|四十九日・一周忌は慣習

納骨の期限を定めた法律はありません。四十九日や一周忌、三回忌に合わせて納骨するのは、あくまで仏教の慣習であり、法的な義務ではないのです。気持ちの整理がつくまで1年でも10年でも、自宅で保管し続けることができます。実際、「お墓を建てる資金が貯まるまで」「配偶者が亡くなったら一緒に納骨したいから」といった理由で、長期間自宅に安置しているご家庭は珍しくありません。

「いつまで保管するか」を家族で決めておくべき理由

ただし、期限がないからこそ注意したいのが保管している本人が亡くなった後のことです。行き先を決めないまま保管者が亡くなると、残された家族が遺骨の扱いに困り、結果的に放置につながるケースがあります。近年、遺品整理の現場で引き取り手のない遺骨が見つかる事例も報告されています。「自分が元気なうちは手元に置き、その後は永代供養にする」など、期限と行き先を家族で共有しておくことが、自宅保管を選ぶときの大切な条件です。

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遺骨を自宅で保管する方法(手元供養)

自宅保管には、すべての遺骨を置く方法と、一部だけを残す方法があります。保管環境のポイントとあわせて解説します。

全骨保管と分骨保管の違い|分骨には分骨証明書が必要

  • 全骨保管:火葬後の遺骨をすべて骨壺のまま自宅に安置する方法です。書類手続きは不要ですが、骨壺が大きく(東日本では7寸・直径約21cmが主流)、置き場所の確保が必要です
  • 分骨保管:大部分を納骨や散骨にし、一部だけをミニ骨壺やペンダントに納めて手元に残す方法です

分骨する場合は「分骨証明書」が必要です。火葬時に分骨するなら火葬場の窓口で交付を受けられます。すでにお墓や納骨堂に納めた遺骨から分骨する場合は、墓地の管理者に証明書を発行してもらいます。将来その分骨をお墓等に納めるときに提示を求められるため、大切に保管してください。

置き場所の条件|湿気・直射日光・温度差を避ける

遺骨の保管で最大の敵はカビです。焼骨は多孔質で湿気を吸いやすく、結露した水分がたまるとカビが発生することがあります。置き場所は次の3条件で選びましょう。

  • 湿気が少ない場所:水回りの近く、北側の押し入れ、床下収納は避ける
  • 直射日光が当たらない場所:窓際は骨壺内外の温度差で結露しやすい
  • 温度差が小さい場所:リビングの棚や仏壇の中など、一日の寒暖差が小さい場所が最適

カビを防ぐ具体策4つ

さらに確実にカビを防ぎたい場合は、次の対策が有効です。

  1. パッキン付きの密閉型骨壺に移し替える:一般的な骨壺はフタを載せているだけで、隙間から湿気が入ります
  2. 吸湿剤(シリカゲル)を骨壺に入れる:定期的な交換で効果が続きます
  3. 粉骨する:遺骨をパウダー状にすると体積が4分の1程度になり、密閉容器での保管が容易になります
  4. 真空パックにする:粉骨とセットで行えば、湿気をほぼ完全に遮断できます

粉骨・真空パックは、将来の散骨や小さな骨壺への移し替えにもそのまま対応できる方法です。

「自宅保管はよくない」と言われる理由は迷信?

「遺骨を家に置くと成仏できない」「不幸を招く」と言われて不安になる方もいますが、宗教的・法律的な根拠はありません。気にすべきは次の3つの視点です。

  • 宗教上の考え方:仏教でも遺骨の安置場所と成仏を結びつける教義はなく、迷信と考えて差し支えありません。ただし菩提寺がある場合は、関係維持のため一言相談しておくと安心です
  • 気持ちの整理:手元に遺骨があることで悲しみと向き合いやすくなる方がいる一方、納骨で区切りをつけたい方もいます。正解はご家庭ごとに異なります
  • 親族の理解:「早く納骨すべきだ」と考える親族とのトラブルは実際に起こりがちです。自宅保管を選んだ理由と今後の予定を事前に説明しておきましょう

菩提寺のお墓を閉じて手元供養に切り替える場合の撤去料金は、墓じまいの料金。定額で、先に全部お見せします。で先にご確認いただけます。

自宅保管をやめるときの供養先と手続き

「そろそろ納骨したい」「自分の代で区切りをつけたい」と思ったときの選択肢と手続きを確認します。

供養先の選択肢と費用相場

供養先費用相場(1柱)特徴
永代供養墓5万〜30万円程度施設が管理・供養。後継者不要
納骨堂10万〜100万円程度屋内型でお参りしやすい
樹木葬5万〜80万円程度樹木を墓標に自然へ還す
海洋散骨3万〜30万円程度粉骨して海へ。管理費不要。厚労省の事業者向けガイドラインあり

それぞれの詳しい比較は改葬先の選び方にまとめています。散骨を選ぶ場合は、厚生労働省のガイドラインに沿って運営される事業者を選ぶと安心です。

自宅保管の遺骨は「改葬許可」不要のケースが多い(要自治体確認)

火葬後にお墓へ納めず自宅で保管してきた遺骨は、法律上の「改葬」(墓地から墓地への移動)に当たらないため、改葬許可なしで納骨できるケースが一般的です。この場合、火葬時に受け取った埋火葬許可証(火葬済みの証明印があるもの)を納骨先に提出します。ただし自治体や納骨先によって求める書類の運用が異なるため、事前に納骨先と市区町村の窓口に確認してください。一方、墓じまいでお墓から取り出した遺骨を一時的に自宅保管し、その後別の供養先に納める場合は、市区町村長の改葬許可が必要です。手続きの詳細は改葬許可の解説ページをご覧ください。書類作成が難しい場合は、提携行政書士をご紹介します(お客様と直接契約・報酬目安33,000円〜)。

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お墓から遺骨を取り出して自宅保管に切り替える場合の費用全体の目安は、墓じまいの費用は、いくらかかる?にまとめています。

よくある質問

Q. 賃貸住宅やマンションでも遺骨を保管できますか?

保管できます。遺骨の室内保管を禁じる法律はなく、賃貸借契約で遺骨の保管を制限する例も通常ありません。ただし退去や転居の際に持ち運ぶことを考え、コンパクトな骨壺への移し替えや粉骨を検討しておくと安心です。

Q. 遺骨を移動するとき、持ち運びはどうすればいいですか?

自家用車や公共交通機関で運ぶことに法律上の制限はありません。骨壺が倒れないよう風呂敷や専用バッグで固定し、電車では膝の上か足元に置きましょう。遠方へ送る場合、遺骨を郵送できるのは日本郵便のゆうパックのみです。ヤマト運輸・佐川急便は約款上取り扱いできません。

Q. 遺骨を自宅の庭に埋めるのはなぜ違法なのですか?

墓地埋葬法第4条が、焼骨の埋蔵を都道府県知事等の許可を受けた墓地以外で行うことを禁じているためです。自分の所有地であっても、庭は墓地ではないので埋めた時点で違法となります。土に還したい場合は、許可を受けた墓地で行う樹木葬などを検討しましょう。

Q. 墓じまいで取り出した遺骨を、一時的に自宅に置いてもいいですか?

問題ありません。改葬許可を取得したうえで取り出した遺骨を、次の供養先が決まるまで自宅で保管するご家庭は多くあります。ただし改葬許可証は納骨時に必要になるため、遺骨とあわせて大切に保管してください。

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まとめ:自宅保管は合法。「埋めない・捨てない・行き先を決めておく」が鉄則

遺骨の自宅保管は違法ではなく、納骨の期限もありません。違法になるのは庭に埋める(墓地埋葬法4条)、放置・投棄する(刑法190条のおそれ)場合だけです。保管する際は湿気・直射日光・温度差を避け、密閉骨壺や粉骨でカビを防ぎましょう。そして最も大切なのは、いつまで保管し、その後どこへ納めるかを家族で決めておくことです。安心墓じまいでは、墓じまい工事(基本プラン298,000円・税込・2㎡まで石塔1基、お支払いは完了確認後の残額払い・追加請求なし)から供養先の無料紹介まで一括でサポートしています。費用の目安は費用相場ページをご覧ください。ご相談はお電話(10:00-18:00、土日祝休み)またはフォーム・LINE(24時間受付)でどうぞ。

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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