「墓じまいをしたいが、取り出した遺骨はどう処分すればいいのか」と検索される方は少なくありません。しかし結論から言うと、遺骨はごみとして処分することはできません。刑法190条により、遺骨を捨てる行為は犯罪になるためです。とはいえ心配は不要です。遺骨には合法的で費用負担の軽い「行き先」が7つあります。この記事では、それぞれの特徴と費用相場、選び方の基準を比較しながら解説します。読み終えれば、ご家庭に合った遺骨の行き先が判断できるようになります。
遺骨は「ごみとして処分」できない|まず知るべき法律の話
遺骨の扱いは法律で明確にルールが定められています。「処分」を考える前に、なぜ捨てられないのか、どう考えればよいのかを確認しましょう。
刑法190条|遺骨を捨てると遺骨遺棄罪になる
刑法190条は、死体や遺骨を損壊・遺棄した者は3年以下の拘禁刑に処すると定めています。遺骨を家庭ごみに出す、山や河原に置いてくる、墓地以外の土地に埋めるといった行為は、この「遺棄」にあたるおそれがあり、実際に検挙された事例もあります。たとえ自分の家族の遺骨であっても、所有者だから自由に捨ててよいという理屈は通りません。「遺骨 処分」と検索して不用品回収業者などに引き渡すのも危険です。回収業者が不法投棄すれば、依頼者もトラブルに巻き込まれかねません。
墓埋法|納骨・埋葬は許可を受けた場所にしかできない
もう1つの重要な法律が「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)です。この法律により、遺骨を埋葬できるのは都道府県知事等の許可を受けた墓地だけと定められています。自宅の庭に埋めることは、たとえ自分の土地であっても違法です。また、遺骨を別のお墓や納骨堂に移す「改葬」には、市区町村が発行する改葬許可証が必要です。つまり墓じまいで取り出した遺骨は、「勝手に捨てる・埋める」のではなく、法律に沿った行き先へ「移す」ことが唯一の正解になります。
「処分」ではなく「供養の形を変える」と考える
遺骨の扱いに困ったときは、「処分する」ではなく「管理の負担がない供養の形に変える」と考え方を切り替えるのがポイントです。実際、改葬の件数は令和6年度の衛生行政報告例で年間176,105件と増加傾向にあり、多くの家庭が墓じまいを経て新しい供養の形へ移行しています。後継者が不要な永代供養や、自然に還す散骨など、費用も管理負担も抑えられる選択肢が現在は充実しています。次の章から、具体的な行き先7つを比較していきましょう。
墓じまい後の遺骨の行き先7つ|費用相場を一覧比較
遺骨の行き先は大きく7つに分けられます。まずは費用相場と特徴を一覧表で比較し、全体像をつかみましょう。
| 行き先 | 費用相場(1柱あたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| 1. 永代供養墓 | 5万〜30万円程度 | 寺院・霊園が代わりに管理供養。後継者不要 |
| 2. 樹木葬 | 5万〜80万円程度 | 樹木や花を墓標にする。自然志向で人気 |
| 3. 納骨堂 | 10万〜100万円程度 | 屋内型で駅近も多い。お参りしやすい |
| 4. 散骨(海洋散骨) | 3万〜30万円程度 | 粉骨して海に還す。管理費が一切かからない |
| 5. 手元供養 | 数千円〜10万円程度 | 自宅の骨壺やアクセサリーで保管 |
| 6. 送骨 | 3万〜10万円程度 | ゆうパックで霊園へ送り永代供養。遠方でも完結 |
| 7. 合祀(合葬) | 3万〜10万円程度 | 他の方の遺骨と一緒に埋葬。最も費用が安い |
費用の安さを優先するなら合祀や送骨、お参りのしやすさなら納骨堂、自然に還したいなら樹木葬や散骨が候補になります。それぞれの詳細を次章から見ていきましょう。なお、墓じまい工事自体の費用は墓じまいの費用ページで確認できます。
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施設に納めて供養する行き先4つ(永代供養・樹木葬・納骨堂・合祀)
「手を合わせる場所を残したい」方には、施設に納める供養が向いています。管理を任せられる4つの方法を紹介します。
永代供養墓|後継者がいなくても供養が続く
永代供養墓は、寺院や霊園が家族に代わって遺骨を管理・供養してくれるお墓です。後継者がいなくても無縁仏にならないことが最大のメリットで、墓じまい後の行き先として最も選ばれています。個別に安置する期間(13回忌・33回忌までなど)を設けた後に合祀するタイプが一般的で、費用は5万〜30万円程度です。年間管理費が不要なプランも多くあります。詳しくは永代供養の解説ページをご覧ください。
樹木葬|自然に還るお墓として人気
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とするお墓で、許可を受けた墓地に埋葬するため法律面も安心です。「自然に還りたい」という故人の遺志に沿いやすく、近年の新規購入では一般墓を上回る人気があります。費用は5万〜80万円程度と幅があり、個別区画か合祀かで大きく変わります。注意点として、粉骨が納骨の条件になっている霊園が多いため、事前確認が必要です。特徴や選び方は樹木葬の解説ページにまとめています。
納骨堂|天候を気にせずお参りできる屋内型
納骨堂は、ロッカー式・自動搬送式・仏壇式などの形式で遺骨を屋内に安置する施設です。駅から近い都市型の施設が多く、天候に左右されずお参りできるのが魅力です。費用は10万〜100万円程度で、立地や形式により差があります。多くは一定期間後に合祀へ移行するプランを併設しており、実質的に永代供養として利用できます。詳しくは納骨堂の解説ページをご覧ください。
合祀(合葬)|費用を最も抑えられる方法
合祀は、他の方の遺骨と一緒に1つのお墓(合祀墓・合葬墓)へ埋葬する方法です。個別の区画を持たないため費用は3万〜10万円程度と最も安く、その後の管理費もかかりません。自治体が運営する合葬墓なら、さらに低価格な場合もあります。ただし、一度合祀すると特定の遺骨を取り出すことは二度とできません。また、粉骨が条件の施設もあります。「将来分骨したくなる可能性はないか」を親族間でよく確認してから選びましょう。
自然に還す・自宅で供養する行き先3つ(散骨・手元供養・送骨)
「お墓という形にこだわらない」方には、自然葬や自宅供養という選択肢があります。費用と管理負担を最小限にできる3つの方法です。
散骨|粉骨して海へ還す
散骨は、遺骨を1〜2mm程度(業界団体の基準)のパウダー状に粉骨し、海などに撒く葬送方法です。厚生労働省が事業者向けガイドラインを公表しており、節度をもって行う散骨は違法ではないと解釈されています。委託散骨なら3万〜7万円程度、家族で乗船する場合は10万〜30万円程度が目安です。撒いた後は一切の管理費がかからない一方、遺骨は戻りません。詳細は散骨の解説ページをご覧ください。
手元供養|自宅で身近に供養する
手元供養は、遺骨を自宅の小さな骨壺やミニ仏壇、ペンダントなどに納めて保管する方法です。遺骨を自宅に置くこと自体は違法ではなく、埋めない限り許可も不要です。費用は骨壺代など数千円から始められます。全部の遺骨を残す方法のほか、大部分を永代供養や散骨にして一部だけを手元に残す「分骨」との組み合わせも人気です。将来、保管する人がいなくなったときの行き先だけは決めておきましょう。詳しくは手元供養の解説ページで紹介しています。
送骨|ゆうパックで遺骨を送って永代供養
送骨は、遺骨を郵送して提携先の寺院・霊園に永代供養してもらうサービスです。遠方で霊園まで行けない方でも自宅から手続きが完結し、費用は3万〜10万円程度です。注意点として、遺骨を送れる宅配便は日本郵便のゆうパックだけで、ヤマト運輸・佐川急便は約款で取り扱い不可です。また、送付時には改葬許可証の同梱が必要です。梱包手順や注意点は遺骨は郵送できる?送骨はゆうパックだけで詳しく解説しています。
遺骨の行き先の選び方と手続きの進め方
7つの行き先から迷わず選ぶための基準と、決めた後に必要な手続きの流れを押さえましょう。
選び方の3つの基準
行き先選びで比較すべき基準は次の3つです。
- お参りの場所が必要か:必要なら永代供養墓・樹木葬・納骨堂、不要なら散骨・合祀
- 費用の上限:10万円以下に抑えたいなら合祀・送骨・委託散骨が候補
- 遺骨を将来取り出す可能性:可能性があるなら合祀・散骨は避け、個別安置型か手元供養を選ぶ
特に「取り出せなくなる」点は後悔につながりやすいため、親族全員で確認してから決めることが大切です。当社では墓じまい後の供養先のご紹介を無料で行っていますので、迷ったらお気軽にご相談ください。
改葬許可の手続きと墓じまい工事の流れ
行き先が決まったら、手続きと工事を進めます。基本的な流れは次のとおりです。
- 墓地管理者(お寺・霊園)に墓じまいの意向を伝える
- 行き先の施設から受入証明書(永代供養許可証など)を受け取る
- 市区町村に改葬許可を申請し、改葬許可証の交付を受ける
- 閉眼供養のうえ遺骨を取り出し、墓石を撤去・整地する
- 改葬許可証とともに遺骨を新しい行き先へ納める
改葬許可申請の書類作成が難しい場合は、提携行政書士をご紹介します(お客様と直接契約・報酬目安33,000円〜)。工事は当社基本プラン275,000円(税込・2㎡まで石塔1基、遺骨取り出しから整地・写真付き完了報告まで込み)で、お支払いは工事完了後です。全体の段取りは墓じまいの流れをご覧ください。
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まとめ:遺骨は「処分」ではなく最適な行き先へ
遺骨はごみとして処分できず、勝手に捨てれば刑法190条の遺骨遺棄罪に問われます。しかし、永代供養・樹木葬・納骨堂・散骨・手元供養・送骨・合祀という7つの行き先から選べば、費用も管理負担も抑えて合法的に供養を続けられます。大切なのは、費用・お参りの場所・取り出しの可否という3つの基準で親族と一緒に選ぶことです。安心墓じまいでは供養先のご紹介は無料、墓じまい工事は確定見積り・完了後払いで承ります。まずは費用ページで目安を確認し、フォーム・LINE(24時間受付)から無料相談をご利用ください。
