「改葬許可証をなくしてしまった」「納骨の日が近いのに見当たらない」と焦っていませんか。改葬許可証は遺骨を新しい供養先に納めるために必須の書類ですが、紛失しても多くの場合、発行した市区町村で再交付を受けられます。この記事では、改葬許可証を紛失したときの再交付の手続き、申請できる人と必要書類、手数料の目安、納骨前・納骨後それぞれのケースの対応、そして紛失を防ぐ保管のコツまで、順を追って解説します。
改葬許可証とは?紛失するとどうなる?
まず、改葬許可証の役割と、なくした場合に何が困るのかを整理します。
改葬許可証は「遺骨を移してよい」という行政の許可書
改葬許可証とは、お墓の遺骨を別の場所へ移すこと(改葬)を市区町村長が許可したことを示す書類です。墓地埋葬法第5条により、改葬には現在の遺骨のある市区町村長の許可が必要と定められており、同法第14条により、墓地や納骨堂の管理者は改葬許可証の提出を受けなければ遺骨を受け入れることができません。つまり改葬許可証がないと、新しいお墓・納骨堂・永代供養墓への納骨が法律上できないのです。原則として遺骨1柱につき1通発行され、納骨時に改葬先の管理者へ提出します。
紛失した場面によって対応が変わる
紛失といっても、状況によって困りごとの中身が異なります。
- 交付を受けたが、納骨前になくした:再交付を受ければ納骨できる
- 納骨は済んでいて、手元の控えがない:改葬先に提出済みなので原則問題なし
- 何十年も前の改葬の許可証が見つからない:次の改葬(再改葬)の際に埋蔵の経緯を確認する資料が必要になることがある
最も多いのは1つ目のケースです。落ち着いて、発行元の市区町村に再交付を相談しましょう。
まずは探すべき場所をチェック
再交付の手続きの前に、次の場所を確認してみてください。
- 墓じまい・改葬関係の書類をまとめたファイルや封筒
- 仏壇の引き出し、位牌や遺影と一緒に保管している箱
- 石材店・葬儀社・霊園から受け取った書類一式
- 骨壺を包んだ風呂敷や桐箱の中
- 家族・親族(代表して手続きした人が保管している場合)
石材店や改葬先の霊園が預かっているケースも意外と多いため、関係先への確認も有効です。
改葬許可証の再交付手続き【4ステップ】
見つからなければ再交付を申請します。手続きの流れは次のとおりです。
- 改葬許可証を発行した市区町村(現在=元のお墓がある自治体)に電話で相談する
- 案内に従い、再交付申請書と必要書類を準備する
- 窓口または郵送で申請し、手数料を納める
- 再交付された改葬許可証を受け取り、納骨時に改葬先へ提出する
ステップ1:申請先は「発行した市区町村」
再交付の申請先は、最初に改葬許可証を発行した市区町村、つまり元のお墓(遺骨があった場所)の所在地の自治体です。改葬先の自治体や現住所の役所ではない点に注意しましょう。自治体には改葬許可申請書の控えが一定期間保存されているため、その記録に基づいて再交付されます。ただし、再交付の運用(可否・名称・必要書類)は自治体ごとに異なるため、必ず最初に電話で「改葬許可証を紛失したので再交付を受けたい」と相談し、案内を受けてから動くのが確実です。
ステップ2〜3:必要書類と手数料の目安
再交付に必要なものは、一般的に次のとおりです。
| 必要なもの | 内容・備考 |
|---|---|
| 再交付申請書 | 自治体指定の様式。窓口またはホームページで入手 |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 申請者と故人の関係がわかる書類 | 戸籍謄本など(求められる場合) |
| 委任状 | 当初の申請者以外・代理人が手続きする場合 |
| 手数料 | 無料〜数百円程度(1通あたり)が目安 |
申請できるのは原則として当初の改葬許可申請者本人です。本人が亡くなっている・高齢で動けないなどの場合は、親族や祭祀承継者が申請できるかを自治体に確認しましょう。郵送申請に対応している自治体も多く、遠方でも手続き可能です。
ステップ4:再交付までの期間と納骨日程の調整
再交付は、記録の確認が取れれば即日〜1週間程度で受けられるのが一般的です。ただし郵送の場合は往復の日数がかかるため、納骨や四十九日法要の日程が迫っている場合は、先に改葬先の管理者へ事情を伝えておきましょう。事情を説明すれば納骨日程を調整してもらえることがほとんどです。墓じまいから納骨までの全体スケジュールは墓じまいの流れで確認できます。再交付後の許可証の扱いは改葬許可証に有効期限はある?実務の注意点も併せてご確認ください。
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ケース別の注意点:古い改葬・申請前・書類がそもそもない場合
「再交付」で解決しないケースもあります。状況別の対応を知っておきましょう。
何十年も前の改葬で、自治体に記録が残っていない場合
改葬許可申請書の保存期間は自治体ごとに定められており、あまりに古い改葬では記録が廃棄されていて再交付できないことがあります。その場合、次の改葬(再改葬)をする際には、現在の墓地管理者が発行する埋蔵証明で埋葬の事実を証明できれば手続きを進められるのが一般的です。管理者も不明で証明が得られない場合は、「特別の事情」として代替書類による申請を自治体に相談します。詳しくは埋葬証明書がもらえないときの対処法で解説しています。
まだ交付前で「申請書類」をなくした場合
改葬許可証の交付前に、埋葬証明書や受入証明書といった添付書類をなくした場合は、それぞれの発行元(現在の墓地管理者・改葬先の管理者)に再発行を依頼すれば足ります。発行手数料は無料〜1,500円程度が目安です。受入証明書の取得手順は受入証明書とは?発行の流れ・費用・注意点をご覧ください。
埋葬許可証・火葬許可証との混同に注意
改葬許可証とよく混同されるのが、火葬時に発行される「火葬許可証(火葬済証明印のあるもの=いわゆる埋葬許可証)」です。こちらを紛失した場合の再発行は、死亡届を提出した市区町村で行います。火葬から5年以上経過している場合は、火葬場の火葬証明書を添えて申請するなど手順が変わることがあります。自分がなくしたのがどの書類なのかを確認してから、該当する窓口へ相談しましょう。
紛失を防ぐ保管のコツと、手続きが不安なときの相談先
再交付は可能とはいえ、二度手間と時間のロスは避けたいもの。予防策と頼れる相談先を紹介します。
改葬関係書類は「1つのファイル」にまとめる
改葬では、改葬許可証のほかに墓地使用許可証、契約書、領収書、閉眼供養の記録など多くの書類が発生します。クリアファイルを1冊用意し、「墓じまい関係書類」として一括保管するのがおすすめです。あわせて、交付されたらすぐにスマートフォンで撮影またはコピーを取っておくと、万一の紛失時も記載内容(許可番号・交付日など)がわかり、再交付の手続きがスムーズになります。納骨まで日が空く場合は、骨壺と別の場所に保管し、家族にも保管場所を共有しておきましょう。
書類手続きごと専門家に任せる方法もある
改葬許可の申請・再交付を含む書類手続きは、行政書士に作成を依頼できます。安心墓じまいでは提携行政書士をご紹介しており、お客様と直接ご契約いただけます(報酬目安33,000円〜)。また、当社は墓石の撤去工事(基本プラン298,000円・税込・2㎡まで・石塔1基、ご契約後に着手金、残額は工事の完成をご確認後)から閉眼供養・納骨の日程調整まで、墓じまい全体の段取りをサポートしています。費用の詳細は費用ページをご覧ください。
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改葬許可証を紛失しても、発行した市区町村(元のお墓のある自治体)に相談すれば、多くの場合は再交付を受けられます。必要なのは再交付申請書・本人確認書類・数百円程度の手数料で、即日〜1週間ほどで手元に戻ります。古い改葬で記録がない場合や、なくしたのが別の書類だった場合は対応が変わるため、まず状況を整理して該当の窓口へ相談しましょう。墓じまい・改葬の手続き全体は墓じまいの流れで解説していますので、これから手続きされる方はあわせてご覧ください。
参考文献
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」
- 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」
- 大阪市「改葬許可書の申請方法について(よくあるお問合せ)」
- 長野市「改葬許可申請」
- お墓さがし「埋葬許可証の再発行はできる?紛失した時の対処法」
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