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お墓を継ぐ人がいないとどうなる?5つの選択肢と対処法を解説

最終更新日:2026年9月14日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

「自分のあと、このお墓は誰が守るのだろう」——子どもがいない、娘は嫁いだ、子は遠方で戻らない。承継者の当てがないままお墓を維持している方は年々増えています。結論から言えば、放置すれば最終的に無縁墓として撤去・合祀される可能性がありますが、今動けば選択肢は5つあります。この記事では、継ぐ人がいないお墓がたどる道筋、「継げる人」の思い込みの点検、5つの選択肢と費用の目安、そして元気なうちに動くべき理由を順に解説します。

目次

お墓を継ぐ人がいないとどうなる?【放置した場合の流れ】

まず結論から。承継者がいないまま何もしなければ、お墓は法律の定める手続きを経て「無縁墳墓」として整理される可能性があります。その流れを時系列で見てみましょう。

管理料の滞納から「無縁墓」認定までの流れ

承継者が決まらないまま名義人が亡くなると、墓地の管理料を払う人がいなくなります。管理者が使用者や縁故者と連絡が取れない状態が続くと、墓地埋葬法施行規則の定める手続き——死亡者の縁故者等に対し1年以内に申し出るよう官報に掲載し、かつお墓の見やすい場所に立札を1年間掲示して公告する——を経て、申し出がなければ「無縁墳墓」として改葬(撤去)できるとされています。管理料の滞納から数年で使用権が取り消される規約の墓地も多く、「誰も何もしなくてもお墓はそのまま残る」わけではありません。詳しくは無縁墓は撤去されたらどうなる?をご覧ください。

無縁改葬されると遺骨は合祀され取り出せなくなる

無縁改葬されたご遺骨は、多くの場合、墓地内の供養塔などに他の方のご遺骨とまとめて合祀されます。合祀されたご遺骨は物理的に取り出すことができないため、あとから子孫や親族が「改めて供養したい」と思っても、個別に引き取ることはできません。つまり放置の最大のデメリットは、「自分で供養の形を選ばないまま、選べない形(合祀)に確定してしまう」ことです。合祀の不可逆性については合祀で後悔しないためにで詳しく解説しています。

承継者不在は全国的な課題——改葬は年17.6万件

「うちだけの問題では」と思われるかもしれませんが、承継者不在は全国的な課題です。厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和6年度の改葬件数は全国で176,105件にのぼります。少子化・非婚化・都市への人口移動が進むなか、お墓の引っ越しや墓じまいは特別なことではなく、多くの家族が「供養を続けるため」に選んでいる現実的な方法になっています。悩んでいるのはあなただけではありませんし、解決の道筋もすでに確立されています。

「継ぐ人がいない」の思い込みをまず点検する

選択肢を検討する前に、一度立ち止まって確認したいことがあります。「継ぐ人がいない」は、実は思い込みであるケースも少なくないのです。

お墓は長男でなくても継げる——娘・嫁いだ子・甥姪もOK

「跡取りの息子がいないから継ぐ人がいない」と考えている方は多いのですが、法律上、お墓を継ぐ人(祭祀承継者)に性別や苗字、続柄の制限はないとされています。民法897条は、祭祀財産は「慣習に従って」または「被相続人の指定に従って」承継されると定めており、長男に限る規定はありません。嫁いで苗字が変わった娘、甥や姪、場合によっては親族以外が承継することも考えられます。ただし墓地の規約で承継者の範囲を定めている場合があるため、墓地管理者への確認は必要です。詳しくは嫁いだ娘でも実家の墓じまいはできる?をご覧ください。

継ぐ=一生の負担ではない——祭祀承継の実際

「継がせたら子どもに一生の負担を背負わせてしまう」というためらいもよく聞きます。しかし、承継は「現状のまま守り続ける」こととイコールではありません。一旦承継した人が、自分のタイミングで墓じまいをして永代供養に移す——という形も可能です。つまり「継ぐか・しまうか」の二択ではなく、「一旦継いで、落ち着いてから整理する」という第三のルートがあります。名義人が亡くなったあとの承継手続きはお墓の名義人が死亡したらで解説しています。

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継ぐ人がいない場合の5つの選択肢

それでも継ぐ人がいない・継がせたくない場合の選択肢は、大きく5つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

選択肢1: 墓じまいして永代供養に移す

最も多く選ばれている解決策です。今のお墓を撤去して更地に戻し、ご遺骨は寺院や霊園が家族に代わって供養・管理してくれる「永代供養」に移します。承継者がいなくても供養が続くため、「無縁墓になる」という一番の心配がなくなります。永代供養には合祀型・個別安置型・樹木葬・納骨堂などの形式があり、費用はご遺骨1柱あたり5万円程度から。お参りしたい人が残るなら個別型、その心配がなければ合祀型と、家の事情に合わせて選べます。組み合わせ方と費用の詳細は墓じまいから永代供養までの流れと費用をご覧ください。

選択肢2: 生前に自分で墓じまいまで済ませる

「誰にも託せないなら、自分が元気なうちに自分で済ませる」という選択です。自分の意思で供養先を選び、費用も自分で払い、先祖のご遺骨の行き先まで見届けられるため、確実性という点では最も安心な方法と言えます。近年は終活の一環として生前の墓じまいを選ぶ方が増えています。菩提寺や親族への説明も自分の言葉でできるため、死後に周囲が困る事態を根本から防げます。詳しくは生前墓じまいのメリットと進め方をご覧ください。

選択肢3: 墓地管理者に承継の相談をする

意外に見落とされがちなのが、墓地管理者への相談です。墓地によっては、規約の運用で親族以外の承継を認めていたり、承継者がいない場合に備えた永代管理・永代供養のプランを用意していたりします。公営墓地・民営霊園・寺院墓地で対応はさまざまですが、「継ぐ人がいそうにない」と分かった時点で一度相談しておくと、その墓地で取り得る選択肢が明確になります。管理者にとっても無縁墓化は避けたい事態のため、相談を歓迎されることがほとんどです。

選択肢4: 永代供養付きのお墓に建て替える・住み替える

「お墓そのものは残したいが、承継者は不要にしたい」という場合は、永代供養が付いたお墓への建て替え・住み替えという方法があります。一定期間は個別のお墓としてお参りでき、期間経過後や承継者が途絶えた時点で墓地側が合祀・供養してくれる仕組みです。今のお墓への愛着が強い方や、当面はお参りを続けたい方に向いています。ただし建て替え費用は墓じまい+永代供養より高くなる傾向があるため、費用比較は必須です。

選択肢5: 死後事務委任契約で死後の墓じまいを託す

頼れる親族がいない場合、司法書士・弁護士などの専門家と「死後事務委任契約」を結び、自分の死後の墓じまいや納骨などの手続きを託しておく方法があります。遺言ではカバーしにくい事務手続きを、生前に契約で決めておける制度です。ただし契約内容の設計や費用の預託方法など専門的な検討が必要なため、詳細は司法書士・弁護士にご相談ください。当窓口では制度の概要のご案内までとなりますが、選択肢の一つとして知っておく価値があります。

選択肢別の費用目安と比較

選択肢を費用面から比較してみましょう。「放置のコスト」との比較がポイントです。

墓じまい+永代供養の総額目安

最も選ばれている「墓じまい+永代供養」の総額は、次の3つの合計で決まります。

項目 費用の目安
墓石の撤去・処分 一般相場は1㎡あたり10〜15万円程度(当窓口は1㎡まで198,000円・2㎡まで298,000円の定額・追加費用なし)
永代供養(納骨先) 合祀型5万円〜/個別安置型・樹木葬10万円〜など形式による
手続き実費・お布施など 改葬許可の実費数百円+閉眼供養のお布施3〜5万円程度

合祀型を選べば総額30万円前後から、個別型でも50万円前後が一つの目安です。遠方でご遺骨の搬送が難しい場合は、ゆうパックで納骨先へ送る送骨パック(66,000円/柱・2柱目以降44,000円)も利用できます。当窓口のご契約後に着手金、残額は工事の完成をご確認後で、追加費用はいただいていません。詳細は墓じまいの費用をご覧ください。

放置した場合の管理料・リスクとの比較

一方、何もしない場合のコストも計算してみましょう。年間管理料が1万円なら、20年で20万円。それだけ払い続けても、承継者がいなければ最終的には無縁改葬(合祀)に行き着く可能性があり、その場合の供養の形は自分では選べません。つまり「先送り」は、墓じまい1回分に近い金額を払いながら、選択肢を失っていく行為とも言えます。放置した場合に起きることの詳細は墓じまいしないとどうなる?で解説しています。

元気なうちに動くべき3つの理由

「いつかやらなければ」と思いながら先送りする方が多いのですが、この問題は早く動くほど選択肢が多く、負担が小さくなります。

判断能力があるうちしか契約できない

墓じまいの契約、永代供養の申し込み、死後事務委任契約——これらはすべて、本人に判断能力があることが前提です。認知症などで判断能力が低下すると、本人名義の契約や解約には成年後見制度の利用が必要になり、手続きの負担と時間が大きく増えます。親のお墓について「親の名義のまま、親の意思で」進められるのは、親が元気なうちだけです。詳しくは親が認知症になったら墓じまいはどうなる?をご覧ください。

参考:身元保証と任意後見の違いとは?選び方を行政書士が解説|長岡行政書士事務所

家族・親族と話せるうちに合意を作れる

墓じまいのトラブルで最も多いのは親族間の行き違いです。おじ・おば、いとこなど、お墓に思い入れのある親族が健在なうちに「継ぐ人がいないので、こういう形で供養を続けたい」と相談しておけば、感情的な対立はほぼ防げます。逆に、関係者が亡くなったり疎遠になったりしてからでは、合意形成そのものが難しくなります。切り出し方は親戚への伝え方を参考にしてください。

費用と段取りを自分で決められる

今動けば、供養先も、業者も、費用のかけ方も、すべて自分で比較して決められます。先送りした結果、残された人が急いで手配することになれば、比較検討の余裕はなく、費用も割高になりがちです。何より「どう供養してほしいか」というあなたの希望が反映されません。残される人に負担も迷いも残さない——これが生前に動く最大の価値です。

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まとめ: 「継ぐ人がいない」は今なら選択肢がある

お墓を継ぐ人がいないまま放置すれば、行き着く先は無縁改葬・合祀という「選べない結末」です。しかし今なら、①墓じまい+永代供養、②生前の墓じまい、③墓地管理者への相談、④永代供養付きのお墓への住み替え、⑤死後事務委任契約——と5つの選択肢があります。判断能力と話し合いの機会があるうちに動くことが、費用面でも気持ちの面でも最善です。「うちはどの選択肢が合うか」の整理から、無料相談で承ります。当窓口は定額198,000円/298,000円(税込)・着手金+完成後の残額払い・追加費用なしで、遠方のお墓にも対応しています。

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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