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生前墓じまいとは?メリット・進め方・費用と家族への伝え方

「自分の代でお墓のことを終わらせておきたい」「子どもたちに面倒を残したくない」——そう考えて、元気なうちにお墓を片づける「生前墓じまい」を選ぶ方が増えています。生前にお墓を動かすことは縁起の悪いことではなく、家族への負担を残さない前向きな終活のひとつです。この記事では、生前墓じまいの意味と増えている背景、メリットと注意点、進め方6ステップ、費用相場、そして自分も入れる供養先の選び方まで、一通り分かるように解説します。

目次

生前墓じまいとは?元気なうちに行う人が増えている背景

まず用語の整理と、墓じまいが全国的に増えている社会背景を押さえましょう。生前の墓じまいは、決して特別なことではありません。

生前墓じまいの意味——「生前墓(寿陵)」との違い

生前墓じまいとは、先祖のご遺骨が納められている今のお墓を、自分が元気なうちに撤去・改葬しておくことを指します。よく似た言葉に「生前墓(寿陵)」がありますが、こちらは生きているうちに自分のお墓を建てることで、意味は正反対に近いものです。「生きているうちにお墓を動かすと縁起が悪い」と心配される方もいますが、これは根拠のある考え方ではないとされています。閉眼供養できちんと区切りをつけ、ご遺骨を新しい供養先へ丁重に移すのであれば、供養の形を変えるだけであり、先祖をないがしろにする行為ではありません。

改葬は年間16万件超——承継者不足という社会背景

厚生労働省の衛生行政報告例によると、お墓の引っ越しにあたる「改葬」は令和5年度に166,886件と過去最多を更新しました。10年余りで約2倍に増えた計算です。背景にあるのは、少子化・未婚化・都市部への人口移動により「お墓を継ぐ人がいない」「お墓が遠くてお参りできない」という悩みが標準的なものになったことです。元気なうちに自分の手でお墓の行く末を決めておく生前墓じまいは、この流れの中で選ばれている現実的な解決策のひとつといえます。

生前に墓じまいをする4つのメリット

生前墓じまいには「残される家族のため」と「自分自身のため」の両面のメリットがあります。代表的な4つを紹介します。

子や孫に費用と手間の負担を残さない

自分の死後に家族が墓じまいをする場合、数十万円の費用、役所での手続き、親族への説明といった負担が、葬儀や相続と同じ時期に一度に降りかかります。生前に済ませておけば、費用の準備も段取りも自分の裁量で計画的に進められ、家族は供養だけに向き合えます。「お墓のことは全部済ませてあるから」の一言は、残される家族への何よりの贈り物になります。

自分の意思で供養先とお金の使い方を決められる

「海が好きだったから散骨がいい」「夫婦で同じ樹木葬に入りたい」——供養先を自分の価値観で選べるのは、生前ならではのメリットです。死後に家族が決める場合、本人の意向が分からないまま推測で選ぶしかなく、迷いや後悔の種になりがちです。費用についても、いくらまでかけるかを自分で決められるため、家族が「安くしすぎて申し訳ない」と悩む必要もなくなります。

相続・親族トラブルの火種を事前に断てる

お墓を誰が継ぐのか、費用を誰が出すのかは、親族間の揉めごとの定番テーマです。当事者である墓地の使用者本人が元気なうちに片づけてしまえば、この火種を根本から消すことができます。親族への説明も本人の口から直接行えるため、「勝手に決めた」という不満が出にくく、納得を得やすいのも大きな利点です。

「やり残し」が消えて精神的に安心できる

遠方のお墓の管理やお参りは、年齢を重ねるほど心身の負担になります。「行かなければ」というプレッシャーから解放され、終活の大きな宿題がひとつ終わることの安心感は、実際に済ませた方が口をそろえて挙げるメリットです。気掛かりを抱えたまま過ごすより、動けるうちに片づけて残りの時間を軽やかに過ごす、という考え方が広がっています。

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生前墓じまいのデメリットと注意点

良い面だけでなく、先に知っておきたい落とし穴が2つあります。どちらも事前の準備で防げるものです。

自分自身の納骨先を別途決めておく必要がある

今のお墓を片づけると、将来自分や配偶者が入る場所がなくなります。先祖のご遺骨の改葬先を決める際に、自分たちの分まで生前契約できる永代供養墓や樹木葬を選ぶ、あるいは自分の納骨方針を家族と共有しておくことが欠かせません。撤去だけ済ませて自分の行き先を決めないままだと、結局家族に宿題を残すことになり、生前に行う意味が半減してしまいます。

家族・親族に相談せず進めるとトラブルになる

「自分のお墓のことだから」と単独で進めるのは禁物です。お参りの場を失う子どもやきょうだい、おじ・おばにとって、お墓は共通の心の拠り所だからです。検討段階から相談し、理由と新しい供養先を丁寧に共有する手順を踏みましょう。伝え方のコツは墓じまいの親族への伝え方を、反対されてしまった場合の対応は墓じまいを親族に反対されたら?を参考にしてください。

生前墓じまいの進め方とベストなタイミング

具体的な段取りと、始める時期の考え方を整理します。結論から言えば、体力と判断力がある「思い立った今」が動きどきです。

進め方6ステップ

  1. 家族・親族への相談——検討段階から巻き込み、理由と希望を共有する
  2. 墓地管理者(寺院・霊園)への相談——閉眼供養や区画返還の段取りを確認する
  3. 新しい供養先の決定——受入証明書を取得する(自分の分の生前契約もここで検討)
  4. 改葬許可申請——お墓のある市区町村へ申請する
  5. 閉眼供養・ご遺骨の取り出し
  6. 墓石の撤去工事・区画の返還

書類の準備に不安がある場合は、提携行政書士のご紹介も可能です(お客様と直接のご契約・報酬目安3.3万円〜)。全体の流れは墓じまいの流れで図解しています。

タイミングは「体力と判断力があるうち」——季節の目安も

墓じまいには、現地での立ち会い、親族との調整、役所の手続きなど、体力と判断力を使う場面が多くあります。認知症などで判断能力が低下すると、契約や申請が本人名義では進められなくなるおそれがあり、手続きの難易度が一気に上がります(詳しくは認知症の親の墓じまいはできる?)。定年退職後、配偶者の納骨のとき、年忌法要の節目などが着手の好機です。季節でいえば気候の安定した春・秋が動きやすく、お盆・彼岸・年末年始は寺院の繁忙期にあたるため避けるのが無難です。時期の考え方は墓じまいの時期はいつがいい?でも詳しく解説しています。

生前墓じまいの費用と自分も入れる供養先の選び方

費用の全体像と、生前契約できる供養先の選び方を押さえましょう。総額は供養先しだいで大きく変わります。

費用相場と内訳

費用項目金額の目安
墓石の解体・撤去工事1㎡あたり10万〜30万円程度
閉眼供養のお布施3万〜5万円
離檀に伴うお礼(寺院墓地)3万〜20万円(法的な支払い義務はない)
改葬許可申請実費数百円+行政書士に依頼する場合は報酬目安3.3万円〜
新しい供養先5万〜150万円程度(自分の分の生前契約を含めるとその分加算)

生前に行う利点は、時間をかけて相見積もりを取り、資金を計画的に準備できることです。詳しい内訳は墓じまいの費用の内訳をご覧ください。

自分も入れる供養先の選び方(永代供養墓・樹木葬・納骨堂)

先祖のご遺骨と、将来の自分・配偶者を同じ場所で供養したい場合は、「生前契約ができるか」を軸に供養先を選びます。合祀型の永代供養墓は費用を抑えられ、個別安置型の永代供養墓・樹木葬・納骨堂は「家族がお参りする場所」を残せます。海洋散骨と手元供養の組み合わせという選択肢もあります。「費用」と「お参りの場を残すか」の2軸で考えると絞りやすくなります。各供養先の費用と特徴は供養先の種類と選び方で比較できます。当窓口では供養先のご紹介を無料で行っています。

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まとめ: 生前墓じまいは家族への思いやり。元気な今が始めどき

生前墓じまいは、①家族の費用と手間の負担を消し、②供養先を自分の意思で決められ、③親族トラブルの火種を断てる、前向きな終活です。注意点は「自分の納骨先を決めておく」「家族・親族に事前に相談する」の2つだけ。体力と判断力がある今こそ、動き始める好機です。まずは費用シミュレーターで概算を確認し、家族との相談材料にしてください。当窓口は1㎡まで198,000円・2㎡まで298,000円(税込)の定額プランで、ご契約後に着手金、残額は工事の完成をご確認後、遠方のお墓にも対応しています。無料相談もお気軽にどうぞ。

参考文献

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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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