MENU

認知症の親の墓じまいはできる?成年後見制度と進め方を解説

「お墓の名義人である父が認知症になった。このままだと墓じまいはできないのだろうか」——介護と並行してお墓のことを調べ始めた方から、よくいただくご相談です。結論から言うと、認知症=墓じまい不可能ではありません。ただし、親の判断能力の程度によって取れる選択肢が変わります。この記事では、何がネックになるのかという基本の整理から、成年後見制度の仕組みと注意点、後見を使わずに進められるケース、相談先の使い分けまで順に解説します。

目次

認知症の親が名義人でも墓じまいはできる?まず結論

認知症と診断されても、直ちに墓じまいができなくなるわけではありません。問題になるのは契約などの「法律行為」であり、判断能力の程度と墓地の規約によって進め方が分かれます。

問題になるのは契約・申請などの「法律行為」

墓じまいには、石材店との撤去工事の契約、寺院への離檀の申し出、市区町村への改葬許可申請、新しい供養先との契約といった手続きが伴います。これらは法律行為やそれに準ずる手続きであり、名義人本人に意思能力(内容を理解して判断する力)がない状態で本人名義の契約を結ぶと、無効となるおそれがあります。家族が本人の代わりに署名すれば済む、という単純な話ではない点が、認知症の親のお墓で最初につまずくポイントです。

判断能力の程度によって取れる選択肢が変わる

進め方は大きく2つに分かれます。①親に判断能力が残っている段階なら、本人の意思確認を丁寧に行いながら、本人主体+家族のサポートで進められる場合があります。②低下が進んでいる場合は、成年後見制度の利用や、墓地の使用者を子に変更(承継)できないかを墓地管理者に相談する、という選択肢を検討します。判断能力の評価はかかりつけ医への相談が出発点になり、使用者変更の可否は墓地・霊園・寺院ごとの規約によります。まず「医師」と「墓地管理者」の2か所に確認するのが最初の一歩です。

成年後見制度とは——法定後見と任意後見の違い

成年後見制度は、判断能力が不十分な方の財産と権利を法的に守る制度です。すでに判断能力が低下している場合の「法定後見」と、元気なうちに備える「任意後見」があります。

法定後見: 後見・保佐・補助の3類型

法定後見は、本人の判断能力の程度に応じて3つの類型に分かれます。

類型対象となる状態権限の目安
後見判断能力を欠くことが通常の状態成年後見人が財産に関する法律行為を広く代理。日常生活に関する行為を除き取消しも可能
保佐判断能力が著しく不十分借金・不動産処分など重要な行為に保佐人の同意が必要。代理権は審判で個別に付与
補助判断能力が不十分審判で定めた特定の行為についてのみ同意権・取消権・代理権

後見人等を選ぶのは家庭裁判所であり、親族が選ばれるとは限りません。司法書士・弁護士などの専門職が選任された場合は、本人の財産から報酬が継続的に発生します。

任意後見: 元気なうちに備える契約

任意後見は、本人に判断能力があるうちに、将来支援を任せる人と支援の内容を公正証書による契約で決めておく制度です。すでに認知症が進んでいる親には利用できないため、本記事の読者にとっては「まだ元気なもう一方の親や自分自身の備え」としての情報になります。お墓のことも含め、元気なうちに手を打つことの大切さは生前墓じまいとは?メリット・進め方・費用と家族への伝え方で詳しく解説しています。

申立ての流れ・費用・期間の目安

法定後見の利用は、家庭裁判所への申立てから始まります。

  1. かかりつけ医などによる診断書の取得
  2. 申立書・戸籍・財産目録など必要書類の準備
  3. 家庭裁判所への申立て(本人・配偶者・四親等内の親族などが申立人になれます)
  4. 家庭裁判所による調査(必要に応じて鑑定)
  5. 審判・後見人等の選任

申立てには収入印紙・郵便切手などの実費(鑑定が行われる場合は鑑定費用も)がかかり、選任までは数か月を要する場合があります。注意したいのは、成年後見は墓じまいのためだけに使って終わり、という制度ではないことです。開始後は原則として本人が亡くなるまで続き、後見人には財産管理と家庭裁判所への報告義務が生じます。利用するかどうかは、お墓以外の財産管理や介護契約の必要性も含めて総合的に判断しましょう。

自分でやるか、任せるか迷ったら。

安心墓じまいは定額制・追加請求なし・着手金+完成後の残額払い。遺骨の取り出しから撤去、供養先のご案内までお任せいただけます。

定額制で安心追加請求なし
すべてお任せ遺骨取り出しから供養先のご案内まで
全国対応どこでも丁寧にサポート
完全無料見積りも無料まずは無料で確認して、ゆっくりご検討ください墓じまい代行の内容と料金を見る

成年後見人が墓じまいを進める場合の注意点

後見人が就けば何でも自由にできるわけではありません。本人の財産からの支出には明確なルールがあります。

本人の財産からの支出は「本人のため」が大原則

成年後見制度は本人の財産と利益を守るための制度であり、後見人は本人の意思を尊重し、心身の状態や生活の状況に配慮して事務を行う義務を負います(民法858条)。支出も本人のためのものであることが大原則です。墓じまいの費用を本人の財産から支出できるかは、「本人が承継してきたお墓の整理であり本人のための支出といえるか」というケースごとの判断になるため、事前に家庭裁判所や後見監督人、専門職に確認しながら進めるのが安全です。判断に迷う場合は、子ら親族が費用を負担して進めるという選択肢もあります。

高額な支出は家庭裁判所への相談・報告が必要になる場合がある

後見人には家庭裁判所への定期的な報告義務があり、数十万円単位になりうる墓じまい費用のような高額支出は、事前に家庭裁判所へ相談しておくのが安全とされています。なお、本人の居住用不動産を売却する場合には家庭裁判所の許可が必要(民法859条の3)とされているように、本人の生活基盤に関わる処分には裁判所の関与が制度化されています。また、後見制度支援信託・支援預貯金を利用している場合、まとまった払い戻しには家庭裁判所の指示書が必要になる点にも注意してください。

家族信託・死後事務委任という関連制度も知っておく

親がまだ元気なうちであれば、家族信託でお墓関連の費用を含む財産の管理を家族に託しておく方法があります。また、自分の死後の墓じまいや納骨を生前に第三者へ託しておく死後事務委任契約という仕組みもあります。いずれも設計には法律の専門知識が必要なため、司法書士・弁護士への相談をおすすめします。

成年後見を使わずに墓じまいを進められるケース

後見の申立ては負担が大きいため、使わずに進められるルートがないかを先に確認する価値があります。

親に意思能力が残っているうちに本人主体で進める

認知症の診断を受けた=直ちに意思能力なし、ではありません。症状には程度があり、本人が墓じまいの内容を理解して「お願いしたい」と意思表示できる段階であれば、本人の意思確認を丁寧に記録しながら、家族がサポートして進められる場合があります。かかりつけ医に相談する、契約や説明の場に家族が立ち会う、本人の意向をメモや録音で残す、といった積み重ねが後々の安心につながります。症状は進行するため、「まだ大丈夫」と先送りせず、動けるうちに動くことが何よりの対策です。

子が墓地の使用者(承継者)として手続きできる場合

墓地の規約によっては、名義人の生前でも使用者の変更(承継)を認めている場合があります。子が新しい使用者になれば、子自身が改葬許可申請や撤去工事の契約の当事者として墓じまいを進められます。可否や条件は公営墓地・民営霊園・寺院墓地で異なるため、墓地管理者への確認が第一歩です。また、改葬許可申請者と墓地の名義人が異なる場合に名義人の承諾書を求める自治体運用もあるため、お墓のある市区町村の窓口にも確認しておきましょう。名義人が亡くなった後の承継手続きは墓じまいは名義人死亡でもできる?で解説しています。

認知症の親がいる場合の墓じまいの流れと相談先

進め方の見通しが立ったら、実際の段取りに落とし込みます。悩みの種類ごとに相談窓口を使い分けるのがコツです。

改葬許可申請の流れと必要書類

墓じまい自体の流れは、名義や当事者の整理がつけば通常と同じです。

  1. 親族・墓地管理者への相談
  2. 新しい供養先の決定(受入証明書の取得)
  3. お墓のある市区町村へ改葬許可申請(埋葬証明書+申請書)
  4. 閉眼供養・ご遺骨の取り出し
  5. 墓石の撤去工事・区画の返還

書類の準備に不安がある場合は、提携行政書士のご紹介も可能です(お客様と直接のご契約・報酬目安3.3万円〜)。全体の流れは墓じまいの流れ改葬手続きの解説をご覧ください。

誰に相談する?窓口の使い分け

悩みの内容相談先
介護・認知症の対応全般地域包括支援センター
成年後見・家族信託などの法制度司法書士・弁護士(費用が不安なら法テラス)
改葬許可などの書類作成行政書士
墓石の撤去・供養先探し・段取り全体墓じまいの専門窓口

認知症の親の墓じまいは、法律・介護・お墓の問題が絡み合う複合的なテーマです。一つの窓口で完結させようとせず、必要に応じて複数を併用してください。費用の全体像は墓じまいの費用の内訳で確認できます。

お墓の広さや場所から、費用の目安がわかります。

かんたんな質問に答えるだけで、墓じまいの費用イメージがすぐに確認できます。匿名・無料でご利用いただけるシミュレーターをご用意しました。

無料費用シミュレーターを試す
たったの1分で完了!
かんたん3ステップ
1広さを選ぶ
2場所を選ぶ
3費用の目安を確認

関連記事

まとめ: 動けるうちの早めの一歩が家族を守る

認知症が進むほど、取れる選択肢は狭まっていきます。①かかりつけ医に相談して判断能力の程度を確認する、②墓地管理者に使用者変更(承継)の可否を確認する、③必要なら成年後見などの制度を司法書士・弁護士に相談する——この3ステップで、ご家庭の状況に合ったルートが見えてきます。「うちの場合はどう進められるのか」という状況の整理から、無料相談で一緒に考えることができます。当窓口は1㎡まで198,000円・2㎡まで298,000円(税込)の定額プランで、ご契約後に着手金、残額は工事の完成をご確認後、遠方のお墓にも対応しています。

参考文献

墓じまいの費用、いくらかかる?

お墓の場所とお写真がわかれば、その場で概算をお伝えします。
ご相談・お見積りは無料です。

相談・見積り無料費用は事前に概算でお伝えします
しつこい営業なしご納得いただけるまで安心してご相談ください
個人情報は厳重管理入力いただいた情報は厳重に管理します
全国対応どこにお住まいでも丁寧にサポートします

無理な勧誘は一切ありません。安心してご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

目次