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樹木葬の費用相場はいくら?種類別の料金・内訳と安くする方法

最終更新日:2026年9月29日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

樹木葬の費用相場は、埋葬方法によって大きく異なり、合祀型なら5万〜20万円、集合型なら20万〜60万円、個別型なら50万〜150万円が目安です。鎌倉新書「いいお墓」の2026年調査では、樹木葬の平均購入価格は71.7万円でした。年間管理費は「かかるプラン」と「かからないプラン」が混在しており、契約前の確認が欠かせません。この記事では、種類別・人数別の相場と内訳、今のお墓を墓じまいして樹木葬に改葬する場合の総額、費用を安く抑える条件、ほかの供養方法との比較までをチェックリスト形式で解説します。

目次

樹木葬とは|選ばれる理由と近年の傾向

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花をシンボルとして遺骨を埋葬する供養方法です。国内では1990年代に登場し、近年は「継承者を必要としない」「宗旨・宗派を問わない霊園が多い」という理由から、一般墓に代わる選択肢として選ぶ人が増えています。特に、子どもがいない・遠方に住んでいる・お墓の管理を将来世代に負担させたくないといった事情を持つ方から選ばれる傾向にあります。

一方で「樹木葬」という名称に法律上の明確な定義はなく、実態は霊園ごとに大きく異なります。次の章で紹介する3つの価格帯とタイプの違いを理解したうえで検討することが、費用面・供養面の両方で後悔しない選択につながります。

樹木葬の費用相場|合祀型・集合型・個別型の3価格帯

樹木葬の費用は、遺骨をどう埋葬するかという「埋葬方法」によって3つの価格帯に分かれます。同じ「樹木葬」という名称でも、他の方の遺骨と一緒に埋葬する合祀型と、個別の区画に埋葬する個別型とでは、費用が数倍〜十数倍違うことも珍しくありません。まずは自分がどのタイプを希望するかを決めることが、費用を把握する第一歩です。

タイプ別費用相場表

タイプ費用目安埋葬のしかた向いている人
合祀型(合葬型)5万〜20万円他の方の遺骨と一緒に埋葬。最初から骨壺を分けない費用を最優先したい人・遠方に住む人
集合型(集合埋葬型)20万〜60万円区画は共有だが骨壺ごとに個別スペースで埋葬。一定期間後に合祀費用と個別性のバランスを取りたい人
個別型(個別埋葬型)50万〜150万円専用の区画・樹木の下に個別に埋葬。一般墓に近い個別性お墓としての体裁を残したい人・夫婦で入りたい人

費用に幅があるのは、都市部か郊外か、公営霊園か民営霊園か寺院墓地かという立地・運営母体の違いも影響するためです。同じ個別型でも、都市部の駅近霊園は150万円近くになる一方、郊外の公営霊園では50万円台に収まるケースもあります。また、樹木葬という名称自体に法律上の統一基準はなく、霊園ごとに「合祀型」「集合型」「個別型」の線引きや呼び方が微妙に異なる点にも注意が必要です。見学時には、パンフレットの「タイプ名」だけで判断せず、実際にどのように埋葬され、いつ合祀されるのかを担当者に確認することをおすすめします。

樹木葬の平均購入価格は71.7万円(2026年調査)

鎌倉新書「いいお墓」の「お墓の消費者全国実態調査」では、樹木葬の平均購入価格は2024年63.7万円、2025年67.8万円、2026年71.7万円と上昇傾向にあります。同調査は、個別区画やデザインにこだわったプランが増えていることが単価を押し上げている可能性を指摘しています。2026年調査で購入したお墓の種類は樹木葬が47.4%と最も多く、一般墓(15.2%)・納骨堂(15.5%)を大きく上回りました。

また2024年調査では、樹木葬の購入者の82.8%が「年間管理費がかからない」と回答しており、一般墓(24.9%)や納骨堂(45.2%)と比べて維持費の負担が小さいのが特徴です。平均価格は個別型を多く含む数字のため、合祀型や集合型を選べば平均より大きく抑えられます。

合祀型の特徴と注意点

合祀型は、契約と同時に、もしくは短期間のうちに他の方の遺骨と一緒に埋葬されるタイプです。3タイプの中で最も費用が安く、5万〜20万円程度で契約できる霊園が多く見られます。ただし、一度合祀すると遺骨を個別に取り出すことができなくなるため、「やっぱり個別のお墓に戻したい」という選択はできません。親族の中に個別のお墓を望む人がいないか、契約前に必ず確認しておく必要があります。

集合型の特徴と注意点

集合型は、埋葬する区画自体は他の契約者と共有しつつ、骨壺は個別のスペースに安置されるタイプです。13回忌・33回忌など一定の年忌法要のタイミングで合祀されるのが一般的で、それまでの期間は個別に参拝できます。費用は20万〜60万円程度で、合祀型より高いものの、個別型よりは抑えられます。「最初は個別で、いずれは自然に還りたい」という希望に合うタイプです。

個別型の特徴と注意点

個別型は、専用の樹木・区画を用いて個別に埋葬するタイプで、費用は50万〜150万円程度です。夫婦で同じ樹木の下に入る「二人用区画」を設けている霊園も多く、一般墓に近い感覚で選べます。一方で、永代供養料に加えて年間管理費が発生する契約が多く、長期的なコストも見込んでおく必要があります。

費用の内訳(永代供養料・銘板彫刻料・納骨法要・年間管理費)

内訳項目費用目安備考
永代使用料・永代供養料5万〜80万円区画の使用権+供養を霊園・寺院に永代で任せる費用。価格帯の大部分を占める
埋葬料・納骨手数料1万〜3万円実際に納骨する作業にかかる費用
銘板彫刻料1万〜20万円墓標となるプレートに名前を彫る費用。素材・サイズで幅が大きい
納骨法要のお布施3万〜5万円僧侶に読経を依頼する場合。無宗教型なら不要なことも
年間管理費0円〜2.5万円/年「管理費不要」をうたうプランと、個別区画がある間だけ発生するプランがある

見積もりを比較するときは、総額の安さだけでなく「何が含まれていて、何が含まれていないか」を内訳単位で確認すると、契約後の追加費用トラブルを避けやすくなります。特に、永代供養料に銘板彫刻料や納骨手数料が含まれているのか、別途請求されるのかは、パンフレットの表記だけでは分かりにくいことが多いため、見積書に内訳を明記してもらうようにしましょう。

見積もりを比較するときの3つの視点

複数の霊園から見積もりを取る際は、単純な総額の大小だけでなく、次の3つの視点で比較すると、実質的なコストの差が見えやすくなります。

  • 初期費用の総額(永代供養料+埋葬料+銘板彫刻料+納骨法要のお布施)
  • 維持費の総額(年間管理費×合祀までの想定年数)
  • 将来の追加費用の有無(区画変更・法要追加・銘板書き換えなど)

初期費用が安くても、年間管理費が高額かつ長期間続く契約では、トータルコストが逆転することがあります。契約前に「初期費用+維持費の想定合計」で比較する視点を持つと、見積もり比較の精度が上がります。

初期費用以外にかかることがある費用

  • 合祀までの期間中に法要を追加で依頼する場合のお布施
  • 墓参り用の花立て・線香皿など、樹木葬専用の参拝用具(数千円〜)
  • 遠方から遺骨を郵送する場合の送骨キット・配送料(1万〜3万円程度)
  • 複数人分をまとめて契約する場合の追加区画料

お墓の広さや場所から、費用の目安がわかります。

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【人数別】樹木葬の費用目安|1人・夫婦・家族

樹木葬は区画に入れる人数で価格が変わります。墓じまいで複数の遺骨を移す場合は、人数別の総額を確認しておきましょう。

1人用・夫婦用・家族用の目安

人数合祀型の目安個別型の目安ポイント
1人5万〜20万円50万円前後〜おひとりさまや遺骨1柱の改葬向き
夫婦2人10万〜40万円50万〜150万円二人用区画を用意する霊園が多い
家族3〜4人15万〜80万円100万円以上になることも区画の大きさと追加埋葬料を確認

合祀型は1人分の料金×人数、個別型は区画単位の料金+追加埋葬料という体系が一般的です。霊園ごとに体系が違うため、必ず人数を伝えて見積もりを取りましょう。

先祖代々の遺骨が多い場合の選び方

墓じまいでは3柱以上の遺骨が出てくることも珍しくありません。全員を個別型の樹木葬に納めると費用がかさむため、近い世代は個別型に、古い遺骨は合祀にと分ける方法があります。合祀なら当窓口の永代供養パックで3柱204,000円(税込)です。

墓じまい+樹木葬の総額シミュレーション【ケース別】

今のお墓を樹木葬に改葬(墓じまい)する場合、「今のお墓を撤去する費用」と「樹木葬に埋葬する費用」の両方がかかります。樹木葬の価格帯だけを見て予算を立てると、墓じまい側の費用が想定外の出費になってしまうことがあるため、必ず両方を合算して考えましょう。ここでは、墓地面積・墓地の運営形態・埋葬方法の組み合わせ別に、総額の目安をシミュレーションします。

墓じまい費用の内訳(今のお墓を閉じる費用)

項目費用目安備考
墓石の撤去・処分10万〜30万円1㎡あたり約10万円〜が目安。面積が広いほど増額
閉眼供養(魂抜き)のお布施3万〜10万円寺院・宗派により異なる
離檀料3万〜20万円程度寺院墓地の場合のみ発生。金額は寺院次第
改葬許可申請無料〜数百円自治体により異なる。多くは無料

墓地の面積が2〜3㎡程度の一般的なお墓であれば、撤去だけで20万〜30万円前後を見込んでおくと安心です。重機が入れない区画や斜面の墓地では、人力での解体作業が必要になり、割高になる傾向があります。事前の現地確認で見積もりの精度を上げておくことをおすすめします。

ケース別シミュレーション表

ケース墓地の状況墓じまい費用樹木葬費用総額目安
①2㎡・寺院墓地→合祀型樹木葬16万〜60万円5万〜20万円21万〜80万円
②2㎡・公営霊園→集合型樹木葬13万〜40万円20万〜60万円33万〜100万円
③3㎡・寺院墓地→個別型樹木葬(夫婦墓)19万〜70万円50万〜150万円69万〜220万円
④1㎡・民営霊園→合祀型樹木葬10万〜30万円5万〜20万円15万〜50万円

①は最も費用を抑えたい方に多い組み合わせ、②は費用と供養の丁寧さのバランスを取りたい方、③は「お墓としての形を残したい」「夫婦で同じ場所に入りたい」という希望がある方に多い組み合わせ、④は面積の小さい墓地からの改葬で最も負担が軽いパターンです。自分のケースがどれに近いかを目安にすると、総額のイメージがつかみやすくなります。

自分の場合はいくら?3つのチェックポイント

  • 今のお墓は寺院墓地か公営・民営霊園か(寺院墓地は離檀料が発生する分、総額が上がりやすい)
  • 墓地の面積は何㎡か(撤去費用は面積にほぼ比例して増える)
  • 樹木葬は合祀・集合・個別のどれを希望するか(ここで総額の振れ幅が最も大きく変わる)

この3点を書き出したうえで、上の表の①〜④に当てはめてみると、おおよその総額レンジが把握できます。実際の見積もりでは、墓地の立地・重機の搬入可否・墓石の大きさなどで金額が変わるため、あくまで初期の目安として活用してください。

安心墓じまいでは、墓じまい(撤去工事)を1㎡198,000円・2㎡298,000円(税込・石塔1基)の定額でご用意しています。確定後の追加費用はなく、お支払いは着手時に半額、工事完了後に残額の2回のみです。樹木葬など改葬先の費用は別途かかりますが、墓じまい側の総額が事前に確定するため、シミュレーションが立てやすくなります。詳しくは料金プランをご覧ください。

樹木葬に年間管理費はかかる?タイプ別に比較

結論として、年間管理費が「かかるかどうか」は霊園・プランによって分かれます。契約前に必ず確認すべきポイントです。

タイプ年間管理費の傾向理由
合祀型不要なケースが多い契約時に永代供養料へ管理費相当分を含めて一括払いする設計が一般的
集合型個別区画がある間のみ発生することが多い一定年数(13回忌・33回忌など)が過ぎると合祀され、以後は管理費不要になる場合がある
個別型年間5,000円〜2.5万円程度が発生しやすい専用区画を維持し続けるため、一般墓に近い管理費体系になりやすい

「管理費0円」を大きくうたうプランでも、実際には永代供養料に管理費相当を含めて前払いしている場合と、本当に将来にわたって一切発生しない場合とがあります。契約書・重要事項説明書で「管理費が将来的に発生しないこと」を明記した記載があるかを確認すると安心です。

管理費滞納で起こり得ること

年間管理費が発生するプランで、承継者不在などの理由により管理費が長期間未納になると、霊園規約に基づき無縁改葬(合祀)扱いとなる場合があります。個別型を選ぶ際は、将来の承継者が誰になるか、管理費の支払いを誰がどのように継続するかまで見据えておくと、後々のトラブルを避けられます。

管理費に関する確認チェックリスト

  • □ 年間管理費は発生するか、発生する場合はいくらか
  • □ 管理費はいつまで(何年後の合祀まで)発生し続けるか
  • □ 永代供養料に管理費相当分が含まれているか、別払いか
  • □ 管理費を滞納した場合の取り扱いが規約に明記されているか

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樹木葬の費用を安く抑える3つの条件

樹木葬の費用を抑えられるかどうかは、次の3つの条件がそろっているかで大きく変わります。

条件1:埋葬方法を合祀型・集合型にする

最も費用に影響するのが埋葬方法です。個別型(50万〜150万円)から集合型(20万〜60万円)、合祀型(5万〜20万円)に変えるだけで、数十万円単位で費用を圧縮できます。将来的に合祀されることに抵抗がなければ、集合型・合祀型は有力な選択肢です。「いずれは自然に還る」という樹木葬本来の考え方に近い選び方でもあります。

条件2:郊外・公営霊園を選ぶ

都市部の駅近・アクセス良好な霊園は永代使用料が高くなりがちです。郊外の霊園や、自治体が運営する公営霊園は、同じ埋葬方法でも費用を抑えやすい傾向があります。ただし公営霊園は「その自治体に一定期間居住・本籍があること」などの応募条件があることが多く、誰でも申し込めるわけではない点、また抽選制で必ず契約できるとは限らない点に注意が必要です。民営霊園・寺院墓地も含めて幅広く候補を検討することをおすすめします。

条件3:複数の霊園・業者から見積もりを取る

同じ埋葬方法・同じエリアでも、霊園や供養事業者によって価格差があります。2〜3か所から見積もりを取り、内訳(永代供養料・銘板彫刻料・管理費の有無)をそろえて比較することで、数万円〜数十万円の差が見えてくることがあります。見学時には、パンフレット記載の最安値だけでなく、家族構成に合わせた実際の見積もりを依頼すると、比較の精度が上がります。

安く抑える条件チェックリスト

  • □ 合祀型・集合型も候補に入れて比較したか
  • □ 都市部だけでなく郊外・公営霊園も見積もりに含めたか
  • □ 2〜3か所以上から見積もりを取り、内訳を横並びで比較したか
  • □ 年間管理費の有無・将来の合祀時期を確認したか
  • □ 墓じまい側の費用(撤去・離檀料)も含めた総額で比較したか

安さだけで選ぶ前に確認したいこと

費用を抑えることは大切ですが、安さだけで決めると、参拝のしやすさや、親族の理解が得られるかという点でミスマッチが起きることもあります。合祀型・集合型を検討する場合は、実際に見学し、区画の雰囲気やアクセスのしやすさを確認したうえで、家族と相談して決めることをおすすめします。

改葬先を決める前に家族で話し合いたいこと

樹木葬は費用面のメリットが大きい一方、合祀後は元に戻せないという性質があるため、契約前の家族間の合意形成が特に重要です。話し合いの際に押さえておきたい論点を整理しました。

論点1:誰の遺骨をどこまで一緒にするか

今のお墓に複数のご先祖の遺骨が納められている場合、全員を同じ樹木葬に改葬するのか、一部は別の方法(永代供養墓・手元供養など)にするのかを整理しておきましょう。改葬許可申請は遺骨1体ごとに必要なため、対象となる遺骨の数を最初に確認しておくと、手続きも見積もりもスムーズになります。

論点2:将来お参りする人は誰か

合祀型・集合型は、専用の墓石を持たないぶん、参拝のスタイルが一般墓とは変わります。将来お参りする可能性がある兄弟・子・孫世代に、どのような場所になるのかを事前に共有しておくことで、「知らなかった」というトラブルを防げます。

論点3:費用は誰がどう負担するか

墓じまい費用と樹木葬費用を合算すると、ケースによっては100万円を超えることもあります。祭祀承継者が全額負担するのか、兄弟姉妹で分担するのかは、金額が確定する前の早い段階で話し合っておくと、後々の負担感の違いによるトラブルを避けやすくなります。

墓じまいから樹木葬までの手続きの流れ

今のお墓から樹木葬へ改葬する場合、法律上「改葬許可」を得てから遺骨を移す必要があります(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)。手続きの基本的な流れは次の5ステップです。

  1. 樹木葬の改葬先を決めて契約し、受入証明書を発行してもらう
  2. 現在の墓地管理者から埋葬(埋蔵)証明をもらう
  3. お墓のある市区町村の役所に改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を受け取る
  4. 閉眼供養を行い、墓石を撤去・整地する
  5. 改葬先に許可証を提出して納骨する

改葬許可申請書には、現在の墓地管理者の証明欄や、改葬先が決まっていることを示す資料が必要になるなど、平日の役所窓口とのやり取りが複数回発生します。書類集めや役所対応が難しい場合は、提携行政書士のご紹介が可能です(ご契約・ご報酬は行政書士と直接のお取り決めになります)。全体の流れは墓じまいの流れ、申請書の書き方は改葬許可申請の方法で詳しく解説しています。

手続きにかかる期間の目安

改葬先の契約から納骨完了までは、早くて1〜2か月、書類のやり取りや工事の予約状況によっては3〜4か月程度かかることもあります。お盆やお彼岸前は申し込みが集中し、工事の予約が取りにくくなる時期でもあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

地域による費用の傾向

樹木葬の費用は全国一律ではなく、地価や人口密度の影響を受けて地域差があります。一般的な傾向を整理しました。

エリア傾向費用の傾向理由
三大都市圏の中心部高め(個別型で100万円を超えることも)地価が高く、霊園の希少性から永代使用料が上がりやすい
都市近郊中間的アクセスの良さと地価のバランスが取れたエリア
郊外・地方安め(合祀型で5万円台から見つかることも)地価が比較的安く、公営霊園の選択肢も増える

「実家から近い場所」にこだわると選択肢が限られ費用が上がりやすくなる一方、「多少遠くても参拝しやすいアクセス」を条件にすると、費用と利便性のバランスが取れる霊園が見つかりやすくなります。安心墓じまいでは、お客様のご希望のエリアに応じて複数の改葬先をご案内しています。

樹木葬に関する用語集

見積もりやパンフレットに出てくる専門用語を、簡単な言葉で整理しました。

用語意味
永代供養遺族に代わって霊園・寺院が永続的に遺骨を管理・供養すること
永代使用料墓地の区画を使用する権利にかかる費用(土地の購入とは異なる)
合祀・合葬複数人の遺骨を一つの場所にまとめて埋葬すること
改葬すでに埋葬されている遺骨を、別の場所に移すこと
離檀料寺院墓地の檀家をやめる際に、これまでの供養へのお礼として渡す金銭
祭祀承継者お墓や仏壇などの祭祀財産を引き継ぐ人。法律上は遺言・慣習で定まる

樹木葬とほかの改葬先の費用比較

供養方法費用目安特徴
樹木葬(合祀型)5万〜20万円最も安価な樹木葬。他の遺骨と一緒に埋葬
合祀型の永代供養墓(樹木以外)3万〜10万円樹木葬より安い場合が多い。墓標は石碑・納骨壇など
樹木葬(個別型)50万〜150万円個別区画。夫婦・家族単位での契約も可能
納骨堂20万〜100万円屋内で天候に左右されず参拝できる
海洋散骨5万〜30万円お墓自体を持たない選択肢
安心送骨パック(当窓口)1柱66,000円(2柱目以降44,000円)ゆうパックで送骨し提携寺院で合祀。洗浄・粉骨・納骨証明込み
安心永代供養パック(当窓口)1柱68,000円(3柱204,000円)墓じまいとセットで提携寺院へ合祀。使用料・証明書込み
安心海洋散骨パック(当窓口)1柱55,000円委託散骨。散骨証明書・写真報告込み

樹木葬は「自然に還る」「継承者が不要」というイメージから選ばれることが多い一方、費用だけを見れば合祀型の永代供養墓の方が安いケースもあります。屋外での樹木葬に対し、納骨堂は天候に左右されず年間を通して快適に参拝できる点が特徴です。改葬先の選び方全般は改葬先の選び方で解説しています。

樹木葬のメリット・デメリット

費用だけでなく、樹木葬という供養方法そのものが自分たち家族に合っているかも、契約前に整理しておきたいポイントです。

内容
メリット継承者が不要で「墓じまい」を将来また行う必要がない/一般墓より初期費用を抑えやすい/宗教不問の霊園が多く宗派を問わず利用できる/自然に還るイメージから選ぶ人が増えている
デメリット合祀後は遺骨を個別に取り出せない/個別に参拝したい親族がいる場合は事前の合意形成が必要/霊園によって「樹木葬」の定義・区画の作り方が異なり比較がしにくい/人気の霊園は区画に限りがあり、希望の場所が選べないことがある

樹木葬は「継承者不要」「自然に還る」という点で選ばれることが多い一方、一度合祀すると元に戻せないという不可逆性があります。特に合祀型・集合型を検討する場合は、親族全員が納得したうえで進めることが、後悔のない選択につながります。

霊園見学時に確認すべきチェックリスト

パンフレットや公式サイトの情報だけでなく、実際に現地を見学して確認しておきたい項目をまとめました。印刷してそのまま持参できるチェックリストです。

  • □ 埋葬方法(合祀・集合・個別)と、合祀されるタイミングが明確に説明されているか
  • □ 見積書に含まれる項目(永代供養料・銘板彫刻・納骨手数料・管理費)が明記されているか
  • □ 年間管理費の有無と、発生する場合の金額・期間
  • □ 最寄り駅・バス停からのアクセス、駐車場の有無
  • □ 参拝できる時間帯・休園日
  • □ 宗旨・宗派不問かどうか、法要の依頼先(霊園紹介の僧侶か、自分で手配するか)
  • □ 契約者の年忌法要・合祀後の合同供養の有無
  • □ 契約書・重要事項説明書の交付があるか

費用トラブルを避けるための注意点

樹木葬は比較的新しい供養方法のため、霊園ごとに料金体系や説明の丁寧さにばらつきがあります。よくあるトラブルと、その回避法を紹介します。

「安さ」の広告表示だけで契約してしまう

広告やパンフレットの「〇〇万円〜」という表示は、最も安い区画・最小のプランの価格であることが多く、実際に希望する条件(区画の場所、個別か合祀か、人数)で見積もると金額が上がるケースがあります。必ず自分の希望条件での正式見積もりを依頼しましょう。

管理費の説明が曖昧なまま契約してしまう

「管理費は基本的に不要です」といった口頭説明だけで契約し、後になって別区分の費用が発生することに気づくケースがあります。管理費に関する記載は、必ず契約書・重要事項説明書の文面で確認してください。

親族間の合意なく合祀型を契約してしまう

費用を優先して合祀型を選んだものの、後になって「個別のお墓にしたかった」という親族の意見が出て、トラブルになるケースがあります。合祀は取り消せないため、契約前に関係者全員へ説明し、了承を得ておくことが大切です。

樹木葬の費用に関するよくある質問

Q. 樹木葬の費用相場は平均いくらですか?

鎌倉新書「いいお墓」の第17回お墓の消費者全国実態調査(2026年)では、樹木葬の平均購入価格は71.7万円でした。ただし合祀型なら5万〜20万円、集合型なら20万〜60万円と、埋葬方法によって大きく変わります。

Q. 樹木葬の費用は誰が払うのですか?

法律上の決まりはなく、お墓の承継者(祭祀承継者)が負担するのが一般的です。ただし兄弟・親族で分担するケースも多く、事前の話し合いが大切です。

Q. 樹木葬に入ったあと、お墓は継承できますか?

多くの樹木葬は「継承者不要」を前提に設計されており、一定期間後に合祀される契約が一般的です。個別型の一部霊園では継承を認めている場合もあるため、契約前に管理規約を確認してください。

Q. 遠方に住んでいても、今のお墓を樹木葬に改葬できますか?

可能です。改葬許可申請は郵送での提出に対応している自治体が多く、現地の立ち会いが必須でない業者もあります。安心墓じまいでは、写真報告で完了までサポートする体制を整えています。

Q. 樹木葬の費用に補助金は使えますか?

樹木葬そのものへの補助金制度は一般的ではありません。一方、墓じまい(改葬)にかかる撤去費用について、自治体独自の助成金制度を設けているケースがあります(対象や上限額は自治体ごとに異なります)。お住まいの自治体の公式サイトで最新の制度を確認することをおすすめします。

Q. ペットと一緒に樹木葬に入ることはできますか?

霊園によってはペットと一緒に入れる樹木葬区画を用意していることがあります。この場合、人のみの区画より費用が高くなる傾向があるため、ペット共葬に対応しているかどうかは見学時に確認するとよいでしょう。

Q. 一括で支払えない場合、分割払いはできますか?

霊園・事業者によっては分割払いに対応している場合があります。対応の可否や条件は契約先ごとに異なるため、見積もり依頼の際に併せて確認することをおすすめします。

Q. 樹木葬の見学から契約まで、どのくらいの期間がかかりますか?

1か所だけ見学してすぐ決める方もいれば、2〜3か所を比較して1〜2か月かけて決める方もいます。急な合祀型契約を勧める霊園には注意し、比較検討のための時間を確保することをおすすめします。墓じまいと並行して進める場合は、改葬先を先に決めてから墓じまいの手続きに入る流れになるため、全体で2〜4か月程度を見込んでおくとスケジュールが立てやすくなります。

Q. 樹木葬にすると、その後お墓参りはどう変わりますか?

合祀型・集合型では、専用の墓石がない分、シンボルツリーや共有の参拝スペースに手を合わせる形になります。一般墓のように自分の家だけの墓石の前で個別に参拝するスタイルとは異なるため、事前にイメージを見学で確認しておくと、契約後のギャップを防げます。

安心墓じまいが樹木葬への改葬でお手伝いできること

樹木葬への改葬では「今のお墓を閉じる作業」と「改葬先を決める作業」の両方を、限られた時間の中で進める必要があります。安心墓じまいでは、次のような形でサポートしています。

  • お墓の写真・広さから、墓じまい費用の概算をその場で提示(費用シミュレーター)
  • 墓石の撤去を定額198,000円(1㎡)・298,000円(2㎡)〜(税込・確定後の追加費用なし)で対応。菩提寺がない場合は閉眼供養の僧侶手配もご案内(お布施は別途)
  • ご希望に応じて、樹木葬を含む複数の改葬先候補をご案内
  • 改葬許可申請の書類作成が難しい場合は、提携行政書士のご紹介(ご契約・ご報酬は行政書士と直接)
  • 遠方にお住まいの方には、写真報告での進捗共有に対応

お支払いはお申込み時の着手金と、工事完了後の残額払いの2回のみで、追加請求は発生しません。「何から手を付けたらいいか分からない」という段階でも、まずは無料相談でご状況をお伺いしています。

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まとめ

樹木葬の費用相場は、合祀型5万〜20万円、集合型20万〜60万円、個別型50万〜150万円の3価格帯に分かれます。今のお墓を樹木葬に改葬する場合は、これに墓じまい費用(10万〜60万円程度)が加わるため、総額は組み合わせ次第で15万〜220万円程度まで幅が出ます。年間管理費の有無・合祀される時期は契約前に必ず確認しましょう。

安心墓じまいでは、墓じまい一式198,000円〜(税込)の定額プランで、追加費用なしのわかりやすい料金をご案内しています。お支払いは着手金と工事完了後の残額払いのみです。樹木葬など改葬先選びのご相談もあわせて承っています。無料相談はお電話(10:00〜18:00、土日祝休み)のほか、フォーム・LINEなら24時間受け付けています。

参考文献

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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