
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →
監修者プロフィールの詳細
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 改葬・墓じまいの手続き
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
岡山市で墓じまいを検討していて「補助金は使えるのか」と調べている方に向けて、結論から先にお伝えします。岡山市には墓じまい費用そのものを補助する現金給付型の制度はありません。似た名前の「共同墓地整備補助金」がありますが、これは町内会などが管理する共同墓地の参道・排水溝などの整備工事が対象で、個人のお墓の墓石撤去や改葬には使えません。一方で、市営墓地を返還する場合は未使用分の使用料・管理料が一部還付される制度があります。この記事では、岡山市公式サイトで確認できる範囲の制度・窓口・必要書類・費用の目安を、申請書類や撤去基準まで具体的にまとめました。「結局うちのお墓の場合はいくらかかるのか」を先に知りたい方は、後半のケース別シミュレーションから読んでいただいても構いません。
「墓じまい 補助金」で検索すると、市川市や太田市など一部の自治体が助成制度を設けているという情報や、県内の別の市町村で墓所返還の優遇制度があるという情報を目にすることがあります。そのため「岡山市にも何かあるのでは」と期待して調べる方が多いのですが、岡山市の公式サイト(生活安全課墓地・斎場係が所管)を確認する限り、個人の墓じまい費用を対象にした補助金・助成金の項目は見当たりません。次の見出しから、混同されやすい制度との違いと、実際に使える還付制度を順番に説明します。
岡山県で墓じまいをご検討の方は、対応霊園・改葬窓口・定額料金をまとめた〈岡山県の墓じまい・改葬〉のページもご覧ください。
岡山市に「墓じまいの補助金」はある?
結論として、岡山市には墓じまい(墓石撤去・改葬)の費用を直接補助する現金給付型の補助金・助成金はありません。岡山市の公式サイトを確認しても、個人が行う墓じまいを対象にした補助制度は掲載されていません。他の自治体(千葉県市川市や群馬県太田市など)では墓じまい・無縁墓解消の助成制度を設けているところもありますが、岡山市は対象外です。
厚生労働省が公表する衛生行政報告例(政府統計の総合窓口・e-Stat)では、全国の改葬件数が都道府県・市区町村単位で毎年集計されており、近年は増加傾向が続いていると報告されています。少子高齢化や遠方在住の家族が増える中で、岡山市内でも墓じまい・改葬を検討する世帯は今後も増えていくと見込まれますが、現時点で岡山市が個人向けの補助金制度を新設する具体的な公式発表は確認できませんでした。制度の新設・変更があった場合は、生活安全課墓地・斎場係の発表や公式サイトの更新を確認するのが確実です。
「共同墓地整備補助金」との違い(個人の墓じまいは対象外)
「岡山市 墓じまい 補助金」で検索すると「共同墓地整備補助金」という制度がヒットすることがありますが、これは個人の墓じまいには使えません。対象は町内会などが管理する一墓域30基以上の共同墓地で、参道舗装・土留擁壁・排水溝・給水の新設工事に限られます。個人の墓石撤去・遺骨の改葬費用は対象外です。混同しないよう、制度の違いを表にまとめました。
| 制度名 | 対象 | 個人の墓じまいに使えるか |
|---|---|---|
| 共同墓地整備補助金 | 一墓域30基以上の共同墓地の参道・排水溝等の新設工事 | 使えない(工事主体は墓地管理組織) |
| 市営墓地使用料・管理料の還付 | 指定7墓地(笠井山霊園・上道墓園等)の未使用分 | 条件を満たせば還付あり(補助金ではなく返金) |
| 墓じまい費用そのものの補助金 | 該当制度なし | 岡山市では利用不可 |
共同墓地整備補助金の対象工事は、参道舗装新設・土留擁壁新設・排水溝新設・給水新設の4種類に限られ、いずれも「新設」工事である点がポイントです。既存設備の補修や、個人区画内の墓石撤去・整地は対象外です。補助率は補助対象工事費の2分の1、上限は1整備工事につき100万円で、同一の共同墓地について交付は2回が限度(前回交付から2年未満、または同一工事内容の場合は再交付不可)とされています。また市税を滞納している方や墓地埋葬法違反がある方は対象外です。詳細は岡山市公式サイト「共同墓地整備補助金について」および「岡山市共同墓地整備補助金交付要綱」で確認できます。全国の墓じまい補助金制度の事例は墓じまいの補助金のページでも紹介しています。
なぜ岡山市には墓じまい向けの補助金が無いのか
墓じまい費用を直接補助する制度を設けている自治体は、全国的に見てもまだ少数です。多くの自治体が力を入れているのは、個人の費用負担軽減よりも「無縁墓(管理者不明の墓)の解消」や「共同墓地というインフラの維持管理」であり、岡山市の共同墓地整備補助金もこの後者の考え方に近い制度です。個人が自主的に行う墓じまいは、承継者が自らの意思と費用で進める民事上の手続きという位置づけが基本のため、補助対象になりにくい傾向があります。この傾向は岡山市に限らず、他の政令指定都市でも共通して見られます。
岡山県内の他市町との比較(玉野市の還付制度)
岡山県内では、玉野市が市営霊園の返還時に既納使用料を還付する制度を設けています。未使用区画なら既納使用料の全額、使用済み区画なら50%が還付されますが、いずれも墓石撤去・更地化(原状回復)が条件です。岡山市の指定7墓地における還付(未使用時2分の1)と似た仕組みですが、還付率や対象自治体が異なるため、県内で複数のお墓を管理している場合は自治体ごとに確認が必要です。こうした制度は年度によって内容が変わったり、予算到達で受付が終了したりする可能性もあるため、申請前に各自治体の最新情報を確認してください。
岡山市の墓じまい費用相場(補助金なしで考える総額)
補助金が無いことを前提に、岡山市で墓じまいをする場合の費用相場を確認しておきます。全国的な目安として、撤去工事と行政手続きだけなら20万〜50万円、新しい供養先(改葬先)の費用まで含めると総額35万〜150万円程度が相場です。金額の幅は、墓地の広さ・石塔の数・改葬先の種類・お寺への離檀料の有無で大きく変わります。
費用内訳(墓石撤去・閉眼供養・離檀料・改葬先)
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 墓石の撤去・処分 | 10万〜30万円 | 1㎡あたり10万円前後が目安。斜面・重機不可の区画は割高 |
| 閉眼供養(魂抜き)のお布施 | 3万〜5万円 | 寺院・宗派により異なる |
| 離檀料(寺院墓地のみ) | 3万〜20万円程度 | 市営墓地では発生しない |
| 改葬許可申請 | 無料(行政手数料) | 行政書士に依頼する場合は目安33,000円〜が別途発生 |
| 改葬先の費用 | 3万〜100万円 | 合祀墓・送骨なら数万円、一般墓なら高額に |
内訳ごとの詳しい相場は墓じまいの費用相場でも解説しています。
岡山市営墓地の返還届と撤去基準
岡山市営墓地(笠井山霊園・上道墓園など)を使用している方が墓じまいをする場合は、遺骨の改葬とあわせて「市営墓地墓所返還届」の提出が必要です。窓口は生活安全課墓地・斎場係(市役所本庁舎2階、086-803-1277)または各支所・地域センターです。
岡山市が管理する主な市営墓地・霊園
岡山市公式サイトによると、市が管理する墓地には、東山墓地をはじめとする在来墓地(31地区)と、笠井山霊園・上道墓園・今谷墓地・瀬戸町霊園・灘崎納骨堂などがあります。ご自身のお墓がどの墓地に該当するかで、担当窓口(本庁の生活安全課か、区の総務・地域振興課か)や使用料還付の対象可否が変わるため、まずは下表で確認してください。
| 墓地・霊園名 | 区分 |
|---|---|
| 東山墓地ほか在来墓地(31地区) | 旧来からある市営の在来墓地 |
| 笠井山霊園 | 市営霊園 |
| 上道墓園 | 市営霊園 |
| 今谷墓地 | 市営墓地 |
| 瀬戸町霊園 | 市営霊園 |
| 灘崎納骨堂 | 市営納骨堂 |
使用料・管理料の還付対象となる指定7墓地の具体的な名称は公式サイトに明記されていなかったため、該当するかどうかは生活安全課墓地・斎場係(086-803-1277)へ直接確認するのが確実です。
返還の定義と撤去基準(原状回復が原則)
岡山市の定義では「返還」とは、使用時に設置した墓石・外柵などの工作物とお骨をすべて撤去し、従前の形態に戻すことを指します。工作物の撤去範囲は原状回復が原則とされており、工事内容に不明点がある場合は事前に生活安全課へ相談するよう案内されています。
返還届の必要書類
- 市営墓地使用許可証(紛失している場合は届出欄にその旨を記入)
- 戸籍謄本(現使用者が死亡している場合。申請者との続柄を確認するため)
- 住民票の写し(申請者のもの。本籍地・筆頭者の記載があるもの)
使用料・管理料の還付(対象は指定7墓地のみ)
すべての市営墓地が対象ではありませんが、規則で定める7墓地(笠井山霊園・上道墓園など)については、未使用時の使用料は既納額の2分の1が、管理料は年度未到来分(未経過分)が還付されます。たとえば年間管理料15,600円(5年度分)を納入済みで途中で返還する場合、未経過分に応じて一部が戻る計算です。原則として納付済みの使用料・管理料は還付されませんが、この指定7墓地のみ例外的な取り扱いとなっています。対象墓地に該当するかどうかは、生活安全課墓地・斎場係へ確認してください。
還付は「補助金」ではなく、すでに納めた使用料・管理料のうち未使用・未経過にあたる分の払い戻しという位置づけです。撤去費用そのものが軽減されるわけではない点に注意してください。それでも数千円〜1万円台の還付が見込めるケースはあるため、返還届を出す前に忘れずに確認しておくと、無駄な支払いを避けられます。
寺院墓地・民営墓地の場合との違い
ここまでは市営墓地を前提に説明しましたが、岡山市内には寺院墓地・民営墓地を利用している方も多くいます。寺院墓地・民営墓地の場合、返還届の提出先は岡山市ではなく、各墓地の管理者(寺院・霊園運営会社)になります。撤去の原状回復基準や、離檀料の有無・金額も管理者ごとに異なるため、まずは墓地の管理者に直接確認することが必要です。改葬許可申請そのものは、墓地の種類にかかわらず岡山市(生活安全課または所管の支所・地域センター)が窓口になります。「市営か、寺院・民営か」が分からない場合は、毎年の管理料の請求元(市役所からか、寺院・霊園からか)を確認すると判断しやすくなります。
お墓の広さや場所から、費用の目安がわかります。
かんたんな質問に答えるだけで、墓じまいの費用イメージがすぐに確認できます。匿名・無料でご利用いただけるシミュレーターをご用意しました。
無料費用シミュレーターを試す→改葬許可申請の窓口・必要書類・所要日数
お骨を今の墓地から別の場所(改葬先)へ移すには、墓地埋葬法に基づく「改葬許可申請」が必要です。許可なく遺骨を移動させると刑法第189条の墳墓発掘罪にあたるため、必ず許可証の発行を待ってから移動します。
「改葬許可」という言葉になじみがない方向けに、法的な位置づけを簡単に説明します。厚生労働省が所管する墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)第5条では、埋葬・埋蔵された焼骨を他の墓地等に移す(改葬する)場合、現在その焼骨の埋葬・埋蔵がされている市町村長の許可を受けなければならないと定められています。岡山市内のお墓であれば、この「市町村長の許可」を実務上取り扱っているのが生活安全課墓地・斎場係です。許可を得ずに焼骨を動かした場合、行政上のペナルティだけでなく、刑法上の墳墓発掘罪に問われる可能性がある点は、必ず押さえておきたいポイントです。
窓口(生活安全課墓地・斎場係・086-803-1277)
申請窓口は、市役所本庁舎2階の生活安全課墓地・斎場係のほか、東区・中区・南区の総務・地域振興課、市営墓地を所管する支所・地域センターでも受け付けています。お墓の場所によって窓口が分かれるため、事前に電話で確認すると二度手間になりません。受付時間や具体的な処理日数は公式サイトに明記されていないため、書類一式をそろえたうえで、電話(086-803-1277)で当日の混雑状況や持参物の過不足を確認してから訪問すると確実です。
なお、無許可のまま遺骨を移動させることは墓地埋葬法違反であるだけでなく、刑法第189条が定める墳墓発掘罪に問われるおそれがあります。「急いでいるから」といって許可証の到着前にお骨を動かすことのないよう注意してください。
必要書類(改葬許可申請書・埋蔵証明・受入証明)
- 改葬許可申請書(遺骨1体につき1通が基本)
- 改葬許可申請書(継紙)※遺骨の数が多い場合に追加
- 埋蔵(葬)証明書(現在の墓地管理者が発行)
- 受入証明書(改葬先の墓地・納骨堂が発行)
- 改葬承諾書・改葬受入承諾書(申請者と墓地使用者が異なる場合に追加で必要)
書類の書き方や取得先の詳しい解説は改葬許可申請の方法をご覧ください。
手続きの流れ5ステップと所要日数の目安
岡山市公式サイトには所要日数の明記がないため、以下は一般的な自治体の運用を踏まえた目安です。実際の日数は繁忙期や書類の不備有無で前後するため、事前に窓口へ確認することをおすすめします。
| ステップ | 内容 | 目安日数 |
|---|---|---|
| 1. 改葬先を決める | 永代供養墓・樹木葬・送骨などと契約し、受入証明書の発行を依頼 | 数日〜数週間 |
| 2. 埋蔵証明をもらう | 現在の墓地管理者(市営墓地なら生活安全課、寺院墓地なら住職)に依頼 | 数日 |
| 3. 改葬許可申請書を提出 | 生活安全課窓口または各支所・地域センターへ提出 | 即日〜数日で許可証発行 |
| 4. 閉眼供養・墓石撤去 | 閉眼供養(魂抜き)の後、墓石・外柵を撤去し整地 | 1日〜数日(業者手配含め1〜2週間) |
| 5. 改葬先へ納骨 | 許可証を改葬先に提出して納骨 | 当日 |
全体の流れは墓じまいの流れでも解説しています。書類集めや申請が難しい場合は、提携行政書士をご紹介できます(ご契約・報酬は行政書士と直接。報酬目安33,000円〜)。安心墓じまいが申請を代行することはありません。
申請前に確認しておきたいチェックリスト
窓口に何度も足を運ばずに済むよう、申請前に以下を確認しておくと手続きがスムーズです。印刷してチェックしながら準備を進めてください。
- □ 改葬先(合祀墓・樹木葬・送骨など)は決まっているか、受入証明書は発行してもらえるか
- □ 現在の墓地管理者(市営墓地なら生活安全課、寺院墓地なら住職)に埋蔵証明の依頼はできているか
- □ 墓地使用者と申請者が異なる場合、改葬承諾書の準備は必要か
- □ 遺骨の数(申請書は原則1体につき1通)を数え、必要な申請書の枚数を把握しているか
- □ 申請窓口(本庁の生活安全課か、所管の支所・地域センターか)を事前に電話確認したか
- □ 墓石撤去・閉眼供養を依頼する業者・寺院の日程は確保できているか
よくある誤解を整理しておく
検索や口コミで断片的に情報を集めると、誤解が生じやすいポイントが3つあります。ここで整理しておきます。
- 誤解1「共同墓地整備補助金を使えば個人の墓じまい費用が浮く」:実際は対象工事が参道・排水溝などの新設工事に限られ、個人の墓石撤去・改葬費用には使えません。
- 誤解2「市営墓地ならどこでも使用料が還付される」:実際は規則で定める指定7墓地に限られ、対象外の墓地では原則として還付されません。
- 誤解3「改葬許可を取れば、業者に代行してもらえる」:改葬許可申請の代行は行政書士の独占業務です。安心墓じまいのような墓じまい業者は、提携行政書士のご紹介はできますが、申請そのものを代行することはできません(ご契約・報酬は行政書士と直接)。
補助が無い場合の費用圧縮策
岡山市には墓じまい費用への補助金が無い分、次の3つの工夫で総額を抑えることができます。
1. 相見積もりで撤去費の差を確認する
墓石撤去の費用は業者や現地の条件(重機が入れる区画か、斜面かどうか)で差が出やすい項目です。2〜3社に見積もりを依頼し、内訳(人件費・重機回送費・処分費が別途かどうか)を比較すると、数万円単位で差が出ることがあります。見積もりを取る際は、下記のチェックリストを使うと比較がしやすくなります。同じ条件で複数社に依頼するには、墓地の面積・石塔の数・現地写真をあらかじめ用意しておくと、各社から精度の高い見積もりを出してもらいやすくなります。
- □ 総額は「1㎡あたり」か「一式」か明記されているか
- □ 重機回送費・出張費が別途かかるか
- □ 石材処分費・整地費が含まれているか
- □ 契約後の追加請求がないと明記されているか
- □ 完了報告書(写真付き)が発行されるか
2. 改葬先を合祀墓・送骨にして数万円台に抑える
改葬先の選び方で総額は大きく変わります。一般墓を建て直す場合は100万円を超えることもありますが、合祀型の永代供養墓や送骨サービスなら数万円台に収まります。岡山市内・近郊にこだわらず、送骨のように郵送で完結する供養方法まで視野を広げると、選択肢と費用の幅がさらに広がります。
| 改葬先 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 合祀型の永代供養墓 | 3万〜10万円 | 最も安価。他の遺骨と合同で埋葬 |
| 送骨(ゆうパック) | 4万〜7万円程度 | 郵送で納骨、現地に行く必要がない |
| 樹木葬 | 20万〜80万円 | 樹木を墓標にする。継承者不要 |
| 納骨堂 | 20万〜100万円 | 屋内で天候に左右されず参拝できる |
| 海洋散骨 | 5万〜30万円 | お墓を持たない選択肢 |
改葬先の選び方の詳細は改葬先の選び方をご覧ください。
合祀墓や送骨は費用を抑えやすい一方で、一度合祀すると個別に遺骨を取り出せなくなる場合が多い点は理解したうえで選ぶ必要があります。将来的にもう一度改葬する可能性がある場合は、個別に骨壺のまま安置できる納骨堂や、個別区画のある樹木葬も比較検討してください。
3. 離檀料は事前相談でトラブルを避ける
寺院墓地の場合、檀家をやめる際に離檀料(目安3万〜20万円程度。金額は寺院により異なる)を求められることがあります。市営墓地であれば宗教色がないため離檀料は発生しません。寺院墓地の場合は、まず住職に改葬の意向を丁寧に伝えることがトラブル回避の第一歩です。「墓じまいをしたい」と切り出す前に、これまでの供養へのお礼を先に伝え、離檀料の相場感(3万〜20万円程度)をあらかじめ把握したうえで相談すると、話し合いがまとまりやすくなります。
自分で手続きする場合と業者に任せる場合の比較
費用を抑える方法として「すべて自分で進める」選択肢もあります。ただし、改葬先探し・埋蔵証明の取得・申請書提出・墓石撤去業者の手配・閉眼供養の日程調整を、平日の窓口対応時間に合わせてすべて自分で行うのは、遠方に住んでいる方や仕事で時間が取りにくい方には負担が大きくなりがちです。それぞれの向き・不向きを整理しました。
| 進め方 | 費用 | 向いている方 |
|---|---|---|
| すべて自分で手配 | 撤去業者への支払いのみ(行政手数料は無料) | 岡山市内在住で平日の窓口対応が可能、時間に余裕がある方 |
| 改葬許可申請のみ行政書士に依頼 | 撤去費用+行政書士報酬33,000円〜 | 書類取得が難しい、遠方在住で郵送対応にしたい方 |
| 定額プランで一式依頼 | 198,000円〜(税込・面積に応じて加算) | 撤去・整地・供養先の案内までまとめて任せたい方 |
自分でやるか、任せるか迷ったら。
安心墓じまいは定額制・追加請求なし・着手金+完成後の残額払い。遺骨の取り出しから撤去、供養先のご案内までお任せいただけます。
ケース別シミュレーション:自分の場合いくらかかる?
岡山市には補助金が無いため、実際の負担額は「撤去工事費」+「改葬先の費用」+「必要に応じた離檀料・行政書士報酬」の合計になります。安心墓じまいの定額プラン(1㎡まで198,000円・2㎡まで298,000円、以降1㎡ごと+110,000円、税込・石塔1基)を例に、墓地面積別の概算を示します。
| お墓の広さ | 撤去工事費(定額) | 改葬先(合祀墓の場合) | 総額目安 |
|---|---|---|---|
| 1㎡まで(区画の小さい市営墓地など) | 198,000円 | 3万〜10万円 | 約23万〜30万円 |
| 2㎡まで(一般的な広さ) | 298,000円 | 3万〜10万円 | 約33万〜40万円 |
| 3㎡(2㎡超のため+110,000円) | 408,000円 | 3万〜10万円 | 約44万〜51万円 |
寺院墓地で離檀料が発生する場合や、改葬先を樹木葬・納骨堂にする場合は、上記に数万〜数十万円が加算されます。ご自身の墓地面積が分からない場合は、現地調査で正式な確定金額を提示します。追加費用が発生しないため、事前に総額を把握したうえで検討できます。
寺院墓地で離檀料がかかるケースの総額イメージ
寺院墓地を利用している場合、上記の撤去工事費・改葬先費用に加えて、閉眼供養のお布施(3万〜5万円)と離檀料(3万〜20万円程度)が発生します。2㎡までの区画で離檀料が中間値の10万円程度だったと仮定すると、撤去工事費298,000円+閉眼供養4万円+離檀料10万円+改葬先(合祀墓)5万円で、総額はおおよそ58万円前後が目安になります。離檀料は寺院ごとの裁量が大きいため、あくまで目安として捉え、実際の金額は住職との話し合いで確認してください。一方、市営墓地であれば離檀料がかからないため、同じ2㎡の区画・合祀墓を選んだ場合の総額は、撤去工事費298,000円+改葬先5万円で、約35万円前後に収まる計算になります。
岡山市内・近郊で改葬先を探す場合のポイント
改葬先を岡山市内・近郊で探す場合、実家に近い場所を選ぶか、承継者である自分の生活圏に近い場所を選ぶかで、その後のお参りのしやすさが変わります。市営墓地の場合、新たに市営霊園の区画を取得するには別途申込みが必要で、抽選になる場合もあります。継承者不要の合祀墓・樹木葬・納骨堂であれば、申込みから契約までがスムーズで、抽選なしで進められる施設が多い点もメリットです。
「今後もお墓参りを続けたい」という気持ちが強い場合は、自宅や実家からのアクセスを優先して樹木葬・納骨堂を検討し、「維持管理の負担をできるだけ減らしたい」という場合は、合祀墓や送骨・海洋散骨など、その後の管理が発生しない選択肢を検討するとよいでしょう。どちらを選ぶか迷う場合は、複数の供養先を比較したうえで、家族・親族と相談しながら決めることをおすすめします。安心墓じまいでは、提携する霊園・寺院のご案内や見学の手配も無料で承っており、改葬先探しの段階からご相談いただけます。
よくあるケースで見る進め方
ご自身の状況に近いケースがあれば参考にしてください。それぞれ、補助金がないことを前提にした進め方のポイントをまとめています。
ケース1:岡山市営墓地を利用中、遠方に住んでいて頻繁に通えない
まず生活安全課墓地・斎場係(086-803-1277)に電話し、ご自身のお墓が使用料還付の対象となる指定7墓地に該当するか確認します。改葬先は、郵送での納骨が可能な合祀墓・送骨サービスを選ぶと、現地に何度も足を運ぶ必要がなくなります。書類提出は郵送に対応してもらえるか、事前に窓口へ確認しておくとスムーズです。
ケース2:寺院墓地で、離檀料の相場が分からず不安
離檀料には法的な決まりがなく、相場(3万〜20万円程度)を参考にしつつ、住職との話し合いで金額を決めます。改葬の意向を伝える際は、これまでの供養へのお礼を先に述べ、事情(遠方在住・後継者不在など)を丁寧に説明すると、話し合いがまとまりやすくなります。金額に納得できない場合は、消費生活センターへの相談も選択肢です。
ケース3:墓地の面積が分からず、総額の見当がつかない
面積が分からない場合は、現地調査を依頼すれば正確な面積と確定金額が分かります。安心墓じまいの費用シミュレーターでも、おおよその面積を選ぶだけで概算が確認できます。個人情報の入力は不要なので、まずは概算だけ把握したいという段階でも気軽に利用できます。
岡山市で墓じまいを進める際の注意点
申請の順番を間違えない
改葬許可申請は「改葬先が決まっていること」が前提です。先に墓石を撤去してしまってから改葬先を探すと、遺骨の一時的な保管場所に困ることがあります。必ず「改葬先を決める→埋蔵証明をもらう→改葬許可を申請する→許可証を受け取ってから墓石撤去・納骨」の順番を守ってください。順番を誤ると、許可証が発行されるまで遺骨を仮の場所で預からざるを得なくなったり、二度手間で余計な手数料・交通費がかかったりすることもあるため、着手前に流れ全体を把握しておくことが結果的に費用の節約にもつながります。
繁忙期は余裕を持って動く
お盆・お彼岸の前後は、寺院への相談や石材業者の日程が混み合いやすい時期です。窓口の処理自体は書類がそろっていれば比較的早いとされていますが、閉眼供養の日程や撤去業者の予約が先に埋まってしまうことがあるため、目安として1〜2か月前から準備を始めると安心です。年末年始も帰省のタイミングで親族と話し合いをまとめたいという相談が増える時期で、業者の予約が集中しやすい傾向があります。
親族間の合意を先に取っておく
お墓の承継者が単独で判断して進めると、後から親族間でトラブルになるケースがあります。改葬先の選び方や費用負担の分担について、着手前に親族へ一度相談しておくことをおすすめします。費用負担の考え方は墓じまいの費用は誰が払う?でも解説しています。
補助金を前提にした資金計画を立てない
「あとから補助金が出るはず」という前提で先に業者へ発注してしまうと、実際には制度が無かった場合に資金計画が崩れてしまいます。岡山市には現時点で墓じまい向けの補助金制度が無いため、撤去費用・改葬先費用・必要に応じた離檀料や行政書士報酬まで、補助金なしの総額で資金計画を立てておくことが確実です。
岡山市の墓じまいでよくあるトラブルと対処法
補助金がない分、トラブルによる余計な出費や手戻りを避けることも、実質的な費用圧縮につながります。よくあるトラブルと対処法を3つ紹介します。
見積もりより高い金額を追加請求された
現地調査を行わずに電話や写真だけで見積もりを出す業者の場合、実際の工事で「重機が入れなかった」「基礎が予想より深かった」などの理由で追加費用を請求されるケースがあります。対処法は、契約前に「現地調査後の金額が最終確定額かどうか」を必ず書面で確認しておくことです。安心墓じまいでは現地調査後の確定金額から追加請求は行いません。
寺院との話し合いがこじれた(高額な離檀料)
離檀料に法的な決まりはなく、寺院側の裁量が大きいため、相場(3万〜20万円程度)を大きく超える金額を提示されるケースがあります。対処法は、まず「墓じまいをしたい理由」を丁寧に説明し、これまでの供養へのお礼を伝えたうえで相談することです。それでも折り合いがつかない場合は、消費生活センターや弁護士へ相談する選択肢もあります。
親族から反対された・後から連絡が来た
お墓は家族・親族が心情的なつながりを持つ対象であるため、承継者が単独で判断して進めると、後から「知らなかった」「相談してほしかった」というトラブルになることがあります。対処法は、着手前に親族へ経緯と方針を共有し、可能であれば費用負担についても事前に合意を取っておくことです。
よくある質問
Q. 岡山市で墓じまいの補助金を受け取る方法はありませんか?
岡山市公式サイトで確認する限り、個人の墓じまい費用を補助する制度はありません。市営墓地を返還する場合に限り、未使用分の使用料・管理料の一部が還付される制度はあります(対象は指定された7墓地のみ)。まずは生活安全課墓地・斎場係(086-803-1277)に、ご自身の墓地が対象かどうか確認することをおすすめします。
Q. 共同墓地整備補助金は個人でも申請できますか?
個人単独での申請は想定されていません。対象は一墓域30基以上の共同墓地における参道・排水溝などの新設工事で、申請者は共同墓地の管理組織などが前提です。個人の墓石撤去・改葬費用は対象外です。
Q. 遠方に住んでいても岡山市の墓じまいはできますか?
可能です。改葬許可申請の書類提出方法や、現地立ち会いの要否は窓口(生活安全課墓地・斎場係)に確認できます。業者によっては現地調査から撤去・報告まで、写真報告で完結できる場合もあります。
Q. 改葬許可申請は自分でやらないといけませんか?
書類の作成・取得はご自身で進めることもできますが、埋蔵証明・受入証明の取り付けなどで手間取る方も少なくありません。安心墓じまいでは提携行政書士をご紹介しており、申請書類の作成についてご契約・報酬は行政書士と直接になります(報酬目安33,000円〜)。「代行します」という案内はしておらず、あくまで紹介という位置づけです。
Q. 岡山市営墓地以外(寺院墓地)でも返還届は市に出すのですか?
いいえ。返還届は市営墓地の使用者が対象で、寺院墓地・民営墓地の場合は各墓地の管理者(寺院・霊園)に返還や撤去の手続きを確認します。一方、改葬許可申請そのものは墓地の種類にかかわらず岡山市(生活安全課または所管の支所・地域センター)が窓口になります。
Q. 補助金が無い分、費用を分割で支払うことはできますか?
業者によって対応は異なります。安心墓じまいでは、契約時の着手金と、工事完了後の残額払いという2回払いの仕組みを採用しており、まとまった金額を一括で用意しなくても進めやすくなっています。分割払いやクレジットカード対応の可否は、事前に業者へ確認することをおすすめします。
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まとめ
岡山市には墓じまい費用そのものを補助する制度はなく、「共同墓地整備補助金」は個人の墓じまいには使えません。市営墓地を返還する場合は、指定7墓地に限り使用料・管理料の一部還付があるため、まず生活安全課墓地・斎場係(086-803-1277)に確認するのが近道です。改葬許可申請は生活安全課または各区の総務・地域振興課、支所・地域センターで受け付けています。補助金がない前提で総額を抑えたい場合は、相見積もり・改葬先の選び方・離檀料の事前相談という3つの工夫が有効です。
安心墓じまいでは、1㎡まで198,000円・2㎡まで298,000円(税込・石塔1基)の定額プランで墓じまいをサポートしています。現地調査後の確定金額から追加請求はなく、お支払いは着手金と完成後の残額払いです。改葬許可申請は提携行政書士をご紹介でき、ご契約・報酬は行政書士と直接になります。無料相談はお電話(10:00〜18:00、土日祝休み)のほか、フォーム・LINEなら24時間受け付けています。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも、お墓の写真や広さの分かる情報があれば、現地調査前におおよその概算をお伝えできます。補助金が使えない前提でも、相見積もり・改葬先の選び方・離檀料の交渉次第で総額は数十万円単位で変わってきます。まずは費用シミュレーターや無料相談で、ご自身のケースに近い金額感をつかむところから始めてみてください。
参考文献
- 岡山市「市内の墓地等からお骨を移すとき(改葬)」
- 岡山市「墓地の移転(改葬)について」
- 岡山市「市営墓地が不要となったとき(市営墓地墓所返還届)」
- 岡山市「市営墓地使用者ならびに墓参者のみなさまへ」
- 岡山市「共同墓地整備補助金について」
- 岡山市「墓地・霊園の管理について」
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)衛生行政報告例
岡山県で墓じまいをご検討の方は、対応霊園・改葬窓口・定額料金をまとめた〈岡山県の墓じまい・改葬〉のページもご覧ください。
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この記事の監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →
監修者プロフィールの詳細
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 改葬・墓じまいの手続き
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理

