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空き家と墓じまいを同時に進める|相続整理の段取りと費用

親の死去や施設入所をきっかけに、「実家(空き家)とお墓」の両方を引き継ぐケースが増えています。結論から言うと、空き家と墓じまいは別々に進めるより、同時に段取りしたほうが帰省回数・費用・精神的負担のすべてを減らせます。この記事では、相続登記の義務化や空き家の税制優遇の期限もふまえ、空き家じまいと墓じまいを同時に進める手順を解説します。

目次

なぜ空き家と墓じまいを同時に考えるべきなのか

実家を相続した方の多くは、お墓の承継問題も同時に抱えています。まず「なぜセットで考えるべきか」を整理します。

実家相続で「家とお墓」が同時に発生する典型パターン

親が亡くなる、あるいは施設に入所すると、実家は誰も住まない空き家になります。同時に、実家の近くにあるお墓の管理者もいなくなります。相続人が遠方に住んでいる場合、空き家の管理もお墓の掃除・管理費の支払いも difficult になりがちです。「実家じまい」「家じまい」と「墓じまい」は、発生の原因が同じであるため、整理のタイミングも重なるのです。

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放置のリスク|管理不全空家と無縁墓

空き家もお墓も、放置にはリスクがあります。

  • 空き家の放置: 2023年改正の空家法で「管理不全空家」の区分が新設されました。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増える可能性があります
  • お墓の放置: 管理費の滞納が続くと、墓地の規定により無縁墓として扱われ、使用権を失うおそれがあります
  • 相続登記の放置: 2024年4月から相続登記は義務化されました。取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料の対象です

「いつかやろう」と先送りするほど、費用と手間が増えるのが空き家とお墓の共通点です。

全体の段取り|相続整理のロードマップ

空き家と墓じまいを同時に進めるときの全体像を確認しましょう。

ステップ1: 相続人と財産の確定・遺産分割協議

最初にやるべきは、相続人全員の確定と財産の洗い出しです。実家の不動産、預貯金、負債を整理し、遺産分割協議で「誰が実家を相続するか」を決めます。ここが決まらないと、売却も解体も進められません。

ステップ2: 相続登記(3年以内・義務化)

実家を相続する人が決まったら、相続登記を行います。前述のとおり2024年4月1日から義務化されており、3年以内の登記が必要です。空き家のまま放置していても義務は免れません。

お墓は「祭祀財産」で扱いが別

重要なポイントとして、お墓や仏壇は民法上「祭祀財産」とされ、遺産分割の対象となる相続財産とは扱いが異なります。承継者は遺産分割協議ではなく、被相続人の指定や慣習などで決まります。つまり、実家の相続とお墓の承継は法律上は別の手続きです。だからこそ、意識してセットで段取りしないと、お墓だけが後回しになりがちなのです。

空き家(実家) お墓
財産の種類 相続財産(遺産分割の対象) 祭祀財産(遺産分割の対象外)
主な手続き 相続登記(3年以内・義務) 改葬許可申請(市区町村)
放置のリスク 管理不全空家・特定空家、税負担増 無縁墓、管理費の累積
期限のある制度 3,000万円特別控除(2027年末まで) 特になし(早いほど負担減)

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墓じまいの手順と費用

墓じまい側の手順を確認します。詳しい流れは墓じまいの流れでも解説しています。

親族・菩提寺との合意と改葬先の決定

まず親族に相談し、墓じまいへの同意を得ます。菩提寺のお墓であれば、住職に事情を丁寧に伝えましょう。離檀料は「お布施」の性格で決まった額はなく、一般に数万円〜20万円程度が目安とされます。あわせて遺骨の行き先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など)を決めます。選び方は改葬先の選び方を参考にしてください。

改葬許可申請の流れと必要書類

遺骨を移すには、今のお墓がある市区町村への改葬許可申請が必要です。横浜市の例では、必要書類は埋蔵証明を含む改葬許可申請書で、墓地使用者と申請者が異なる場合は委任状や承諾書が求められ、手数料は無料です。自治体により書式が異なるため、事前に窓口へ確認しましょう。書類収集が難しい場合は、当社が提携行政書士をご紹介します(お客様と行政書士の直接契約・報酬目安33,000円〜)。詳しくは改葬許可の解説ページをご覧ください。

閉眼供養・墓石撤去と費用の目安

改葬許可が下りたら、閉眼供養(魂抜き)を行い、墓石を撤去して更地に戻します。撤去工事の相場は1㎡あたり10〜15万円程度とされますが、立地条件で変動します。安心墓じまいでは基本プラン298,000円(税込・2㎡まで・石塔1基)で、追加は110,000円/㎡です。お支払いは工事完了後の残額払いで、追加請求はありません。費用全体の内訳は墓じまいの費用相場で確認できます。自治体によっては補助金が使える場合もあるため、墓じまいの補助金もあわせてご確認ください。

空き家じまいの手順と費用

次に空き家側の手順です。

遺品整理と仏壇の閉眼供養

売却や解体の前に、家財の片付け(遺品整理)が必要です。仏壇がある場合は、処分の前に閉眼供養を行うのが一般的です。お墓の閉眼供養と同じ僧侶にまとめて依頼できれば、日程も費用も効率化できます。

売却・解体・国庫帰属という3つの選択肢

空き家の出口は主に3つです。

  1. そのまま売却: 立地や状態が良ければ現実的な選択肢
  2. 解体して土地を売却・活用: 老朽化が進んだ家屋は更地のほうが売りやすい場合があります
  3. 相続土地国庫帰属制度: 2023年4月開始の制度で、要件を満たせば土地を国に引き渡せます。ただし建物付きの土地は対象外のため解体が前提で、負担金は原則20万円からです

参考:相続した空き家はどうする?売る・譲る・放置するリスクと手放し方を徹底解説|空き家買取イエタス

3,000万円特別控除は2027年末まで

相続した空き家を売却する場合、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(国税庁タックスアンサーNo.3306)があります。主な要件は次のとおりです。

  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋
  • 売却代金が1億円以下
  • 譲渡期限は令和9年(2027年)12月31日まで
  • 2024年以降の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円

期限が迫っている制度のため、売却を検討するなら早めに税理士や不動産会社へ相談しましょう。

同時に進めるメリットと順番のコツ

最後に、同時進行のメリットと進め方のコツをまとめます。

  • 帰省・立会いの回数を減らせる: 墓石撤去の立会いと遺品整理の立会いを同じ帰省でまとめられます
  • 供養をまとめられる: お墓の閉眼供養と仏壇の閉眼供養を同日に依頼すれば、僧侶手配が1回で済みます
  • 遺骨と位牌の行き先を一緒に決められる: 永代供養先に位牌の供養も依頼できる場合があります
  • 親が元気なうちに始めるのが理想: お墓の使用者名義や墓地の契約内容は、親しか知らないことが多いためです

期間は、一般に墓じまい・空き家じまいそれぞれ3ヶ月〜半年、相続協議が長引けば年単位かかることもあります。3,000万円控除や相続登記の期限から逆算し、早めに着手することが最大のコツです。

お墓の広さや場所から、費用の目安がわかります。

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よくある質問

Q. 相続放棄をしたらお墓はどうなりますか?

お墓は民法897条の祭祀財産にあたり、相続財産とは別に承継されるとされています。そのため、相続放棄をしてもお墓の承継者になることは可能と解釈されています。ただし個別の事情により判断が分かれる場合があるため、具体的なケースは弁護士など専門家にご確認ください。

Q. 遠方に住んでいても空き家とお墓の整理はできますか?

可能です。改葬許可申請は郵送に対応する自治体が多く、墓石撤去は業者に任せれば立会いなしでも進められます。安心墓じまいでは現地確認からお骨の取り出し、行政書士のご紹介まで遠方の方の墓じまいを多数お手伝いしています。

Q. 空き家とお墓の整理費用は誰が負担すべきですか?

法律上の決まりはありません。実家を相続した人が空き家の費用を、お墓の承継者が墓じまい費用を負担するのが一般的ですが、兄弟姉妹で分担するケースも多くあります。詳しくは関連記事「墓じまいの費用は誰が払う?」をご覧ください。

まとめ|空き家とお墓はまとめて整理が正解

空き家と墓じまいは発生原因が同じため、同時に段取りすることで帰省回数・供養・費用の面で大きく効率化できます。相続登記は3年以内の義務、空き家売却の3,000万円特別控除は2027年末までと、期限のある手続きから逆算して動きましょう。

安心墓じまいでは、墓じまいの無料相談を受け付けています。基本プラン298,000円(税込・2㎡まで)で、お支払いは完了後の残額払い・追加請求なしです。お電話は10:00〜18:00(土日祝休み)、フォーム・LINEは24時間受け付けています。実家の整理とあわせたお墓の悩みも、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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