
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →
監修者プロフィールの詳細
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 改葬・墓じまいの手続き
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
お寺に離檀(檀家をやめること)を伝えるとき、多くの方が「手紙になんて書けばいいのか」「離檀届という書類は本当に必要なのか」で手が止まります。結論から言うと、手紙は「感謝→退檀の理由→今後のお願い」の3段構成で書けば失礼にはなりません。離檀届は寺院が独自の書式を用意している場合はそれに従い、指定がなければ手紙をそのまま届出代わりにできます。この記事では、状況別にそのままコピペして使える手紙の文例3パターンと、離檀届の記入例を用意しました。送付前の電話の要否、便箋・封筒選びなどの郵送マナー、離檀料交渉に発展したときの返信文面まで、実際に使える形で1つの記事にまとめています。「自分の場合はどのパターンに近いか」を確認しながら読み進めてください。
離檀の「手紙」と「離檀届」は何が違う?
離檀にあたって作成する書面には、大きく分けて「手紙(挨拶状)」と「離檀届」の2種類があります。役割が異なるため、まず違いを整理しておきましょう。
手紙(挨拶状)は感謝と退檀の意思を伝える書面
手紙は、これまでの供養への感謝と、檀家をやめたいという意思、その理由を伝えるための書面です。法律で定められた書式はなく、便箋に手書き(または印刷)で自由に書いて構いません。多くのケースでは、この手紙が離檀の意思表示そのものとして機能します。
離檀届は退檀を正式に届け出る書類
離檀届は、檀家をやめる意思を寺院に正式に届け出るための書類を指します。寺院によっては専用の様式(届出用紙)を用意している場合があり、その場合は寺院の指定様式に記入して提出します。専用様式がない寺院がほとんどのため、その場合は手紙の中に「離檀届」として必要事項(氏名・墓地の場所・退檀理由・退檀希望日など)を明記すれば、手紙が離檀届を兼ねる形になります。
どちらを使うか迷ったときの判断表
| 状況 | 使うもの | ポイント |
|---|---|---|
| 寺院が離檀届の様式を用意している | 寺院指定の離檀届+添え状(手紙) | 届出用紙は事実確認欄が中心。感謝の言葉は別途手紙を添える |
| 寺院に指定様式がない(多くのケース) | 手紙のみ(離檀届を兼ねる) | この記事のテンプレをそのまま使える |
| 直接会って伝えた後の書面確認 | 手紙(お礼状兼確認状) | 口頭で伝えた内容を書面でも残し、記録を明確にする |
口頭でのお寺への切り出し方や、電話・対面での言い方の例文はお寺への言い方・切り出し方の例文で詳しく解説しています。この記事では、手紙と離檀届の「文面そのもの」に絞って、コピペしてすぐ使えるテンプレを紹介します。
自分の場合はどれ?状況別の早見表
| あなたの状況 | 使うテンプレ | 送付方法の目安 |
|---|---|---|
| 実家から遠く離れて暮らしている | パターン①(遠方) | 郵送+事前に一本電話 |
| 子どもがいない/継ぐ人がいない | パターン②(承継者不在) | 可能であれば持参、難しければ郵送 |
| 維持費・お布施の負担が厳しい | パターン③(経済的理由) | 郵送でも問題なし。金額の話は電話や対面を避け書面が伝えやすい |
| すでに口頭で伝え、記録として残したい | ③の書き出しを「先日お電話(お伺い)にてお伝えした件について」に変更 | 郵送・確認状として |
複数の事情が重なっている場合は、いずれかのテンプレをベースにしつつ、理由の一文だけを状況に合わせて足し引きすれば問題ありません。理由を欲張って複数並べるより、主な理由を1つに絞った方が文面はすっきりまとまります。
お墓の広さや場所から、費用の目安がわかります。
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無料費用シミュレーターを試す→手紙を送る前に電話は必要?
結論として、電話は必須ではありませんが、可能であれば手紙を送る前後に一本電話を入れる方が、寺院との関係がより円満に進みます。長年の付き合いがある寺院ほど、いきなり書面だけが届くと戸惑われることがあるためです。
電話を入れる場合のタイミングと一言
電話を入れる場合は、手紙を投函する前に「今後のことでご相談したく、お手紙をお送りします」とひと言伝えておくと、手紙が唐突な印象にならずに済みます。電話口で長い説明をする必要はなく、「日を改めてお手紙で詳しい事情をお伝えします」で十分です。
電話が難しい場合は手紙に一文添える
遠方に住んでいる、日中に電話をかける時間が取りにくいといった事情で電話が難しい場合は、無理に電話をかける必要はありません。その代わり、手紙の冒頭か末尾に「本来であればお電話でご挨拶すべきところ、書面でのご連絡となりましたことをお許しください」と一文添えると、丁寧な印象になります。この記事のテンプレにも、この一文をあらかじめ組み込んでいます。
手紙を出すタイミング
手紙を送るタイミングにも配慮すると、より丁寧な印象になります。お盆・彼岸・年末年始の直前直後は寺院の繁忙期にあたり、行事の準備や法要で慌ただしくしていることが多いため、避けた方が無難です。もし直近で法事(一周忌・三回忌など)を予定している場合は、その場で一言お礼を伝えたうえで、後日改めて手紙を送るという流れがもっとも角が立ちません。急ぎでなければ、繁忙期を1〜2か月外すだけでも、寺院側にゆとりを持って対応してもらいやすくなります。
手紙を書く前に準備しておくこと
手紙を書き始める前に、次の3点を整理しておくと、文面がぶれずスムーズに書き上げられます。
- 家族・親族の同意:特に祭祀承継者以外にも意見を持つ親族がいる場合は、手紙を送る前に一度話し合っておくと、送付後に「聞いていなかった」というトラブルを避けられます
- 改葬先の目星:具体的な契約まで済んでいなくても構いませんが、「合祀墓を検討している」など方向性だけでも決めておくと、住職からの質問にも答えやすくなります
- 閉眼供養の日程感:繁忙期を避けた大まかな時期のイメージを持っておくと、返信の際にスムーズに日程調整へ進めます
特に家族間の合意は重要です。祭祀承継者(お墓の名義人)が手紙を出すのが基本ですが、名義人が高齢で対応が難しい場合は、家族が代筆しつつ、文中に名義人の意思であることを明記しておきましょう。
【コピペで使える】離檀の手紙テンプレ3パターン
ここから、状況別に3つの手紙テンプレを紹介します。いずれも「時候の挨拶→感謝→退檀理由→今後のお願い→結び」の型は共通で、理由の部分だけを状況に合わせて書き換える構成です。〔 〕内はご自身の情報に置き換えてください。
パターン①:遠方に転居していて墓参りが難しい場合
子世代が実家を離れて遠方に住んでおり、お墓のあるお寺まで頻繁に通えなくなったケースで使える文面です。
拝啓 〔季節の挨拶、例:時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます〕
平素より〔戒名・故人名〕の御霊を手厚くご供養いただき、心より御礼申し上げます。
このたびは、御相談を申し上げたく、お手紙をさしあげました。本来であればお電話またはお伺いしてご挨拶すべきところ、書面でのご連絡となりましたことをどうかお許しください。
私〔氏名〕は〇年前より〔現住所・地域名〕へ転居しており、〔寺院名〕さままでは片道〇時間ほどかかる距離となっております。年齢とともに墓参りやお墓の維持管理に通うことが難しくなってまいりました。家族で相談を重ねました結果、まことに勝手ながら、お墓を〔現住所近くの供養先/永代供養墓等〕に改葬し、離檀させていただきたく存じます。
長年にわたり手厚くご供養いただきましたこと、家族一同、深く感謝しております。閉眼供養やお手続きにつきましては、〔寺院名〕さまのご都合に合わせてお伺いいたしますので、ご指示賜れますと幸いです。
末筆ながら、〔寺院名〕さまのますますのご隆盛をお祈り申し上げます。
敬具
〔提出年月日〕
〔住所〕
〔氏名〕 印
- 「片道〇時間」のように具体的な距離・時間を入れると、事情が伝わりやすくなります
- 改葬先が決まっていれば「〔現住所近くの供養先〕」の部分を具体的な施設名にしても構いません
- 家族で墓参りに通えなくなった時期(何年前からか)を書き添えると説得力が増します
パターン②:承継者がいない場合
子どもがいない、子どもが墓を継ぐ予定がないなど、お墓を継ぐ人がいなくなる見込みのケースで使える文面です。
拝啓 〔季節の挨拶〕
平素より〔戒名・故人名〕を手厚くご供養いただき、誠にありがとうございます。
このたびは大切なご相談があり、お手紙をさしあげました。書面でのご連絡となりますこと、何卒ご容赦ください。
私ども家族は〔続柄、例:長男〕である私のほかに、お墓を継ぐ者がおりません。私自身も〇歳となり、この先お墓を維持し続けることが難しい状況です。私の代で管理者が途絶えてしまうと、かえって〔寺院名〕さまにもご迷惑をおかけしてしまうと考え、家族で話し合った末、元気なうちにお墓を整理し、〔永代供養墓/合祀墓等〕へ改葬させていただく決断をいたしました。まことに勝手なお願いで恐縮ですが、離檀のお許しをいただけますと幸いです。
先祖代々にわたり手厚くお世話になりましたこと、心より感謝申し上げます。今後の閉眼供養やお手続きについて、ご都合のよい日時をお知らせいただければ、こちらから伺います。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
〔提出年月日〕
〔住所〕
〔氏名〕 印
- 「私の代で管理者が途絶えてしまうと、かえってご迷惑をおかけする」という理由づけは、寺院側にも配慮が伝わりやすい言い回しです
- まだ承継者候補がいる場合は、断定せず「継ぐ者がおりません」を「継ぐことが難しい状況です」に変えても構いません
- 改葬先が決まっていない段階でも、「検討中」と書けば送付できます。ただし可能な限り改葬先を決めてから送る方が、その後のやり取りがスムーズです
パターン③:経済的な理由で維持が難しい場合
お布施や護持会費、お墓の維持費の負担が難しくなったケースで使える文面です。「お金がかかるので」という直接的な表現は避け、「維持が難しくなった」という言い回しにするのがポイントです。
拝啓 〔季節の挨拶〕
日頃より〔戒名・故人名〕を手厚くご供養いただき、深く感謝申し上げます。
このたびはご相談したいことがあり、お手紙をさしあげました。本来はお伺いしてご挨拶すべきところ、まずは書面にてご連絡いたしますこと、お許しください。
私ども家族の状況が変わり、お墓の維持管理を続けていくことが難しくなってまいりました。長く大切にしてきたお墓ではございますが、これ以上無理を重ねて維持を続けるよりも、家族できちんと供養を続けられる形に整理をしたいと考え、〔永代供養墓/樹木葬等〕への改葬を決意いたしました。
これまで長きにわたり手厚くご供養いただきましたこと、家族一同、心より御礼申し上げます。今後の閉眼供養やお手続きの進め方につきまして、ご相談させていただけますと幸いです。何卒事情をお汲み取りいただき、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
〔提出年月日〕
〔住所〕
〔氏名〕 印
- 「維持を続けるよりも、きちんと供養を続けられる形に整理したい」という前向きな言い換えを軸にしています
- 離檀料について事前に触れる必要はありません。金額の話は、寺院側から提示があってから対応すれば十分です
- 護持会費の未払い分がある場合は、手紙とは別に精算の意思がある旨を一言添えると、その後のやり取りが穏やかになります
3パターンとも共通して、理由を詳しく説明しすぎず「事情が変わった」「維持が難しくなった」という簡潔な言い方にとどめているのがポイントです。理由を詳しく語りすぎると、かえって住職から反論や引き止めの糸口を与えてしまうことがあります。
実際にあった3つのケース(要約)
それぞれのパターンがどのような状況で使われるか、よくある相談内容を要約して紹介します。
- ケース①(遠方):親の代からのお墓が地方にあり、自身は関東圏に転居して20年以上。年に一度の墓参りも足腰の負担が大きくなり、手紙で事情を伝えたところ、住職からは特に引き止めもなく、閉眼供養の日程を提案されて話がまとまった
- ケース②(承継者不在):夫婦に子どもがおらず、自分たちが亡くなった後にお墓を管理する人がいない状況。将来的に無縁墓になることを避けたいという理由を手紙で伝え、寺院からも「元気なうちに整理されるのは賢明」と理解を得られた
- ケース③(経済的理由):護持会費や年会費の負担が年々重くなり、年金生活の中で維持が難しくなった。理由を率直に書きつつ「維持が難しくなった」という表現にとどめたところ、大きなトラブルなく離檀料の相談に進んだ
離檀届の書き方・例文
寺院に指定の様式がない場合、離檀届として使える簡潔なテンプレを用意しました。手紙とは別に、事実関係を一枚にまとめておくと、寺院側の事務処理がスムーズになります。
離檀届に書くべき5項目
- 提出日
- 寺院名・住職名(宛名)
- 提出者の氏名・住所・連絡先
- 使用していた墓地の場所(区画番号がわかれば記載)
- 離檀の理由(簡潔に)と離檀希望日
離檀届のテンプレ例文
離檀届
〔寺院名〕 御住職様
私〔氏名〕は、下記のとおり離檀させていただきたく、ここにお届けいたします。長年にわたり手厚くご供養いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
記
一、墓地区画:〔区画番号・場所〕
一、離檀理由:〔簡潔に、例:転居に伴い墓地の維持管理が困難となったため〕
一、離檀希望日:〔年月日〕
以上
〔提出年月日〕
住所:〔住所〕
氏名:〔氏名〕 印
連絡先:〔電話番号〕
寺院所定の様式がある場合の注意点
寺院によっては、独自の離檀届(退檀届)用紙を用意している場合があります。その際は寺院の様式を優先して使用し、必要事項を漏れなく記入してください。様式の入手方法がわからない場合は、まず寺院の事務所や庫裏に電話で問い合わせるとスムーズです。様式を受け取った後に、この記事のテンプレを参考にした添え状(お礼状)を一緒に提出すると、より丁寧な印象になります。
押印・控えの保管について
離檀届に実印まで求められることは一般的ではなく、認印で問題ないケースがほとんどです。押印の要否に迷う場合は、寺院に確認してから提出すると安心です。提出前に必ずコピーを取り、提出日・提出方法(郵送か持参か)とあわせて手元に保管しておきましょう。後日、改葬許可申請で墓地管理者の証明(埋葬証明)が必要になった際や、寺院との行き違いが生じた際に、離檀届の控えが経緯を示す記録として役立ちます。
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郵送マナー:便箋・封筒・切手の選び方
手紙の内容だけでなく、送り方にも最低限のマナーがあります。お悔やみ状ではないため、薄墨を使う必要はなく、通常の黒インクの万年筆やボールペンで問題ありません。以下のポイントを押さえておけば、形式面で失礼になることはありません。
- 便箋は白無地または罫線のみのシンプルなものを選び、便箋2枚以内に収まる分量が目安です
- 封筒は白の縦長封筒(二重封筒でなくても構いません)を使用します
- 宛名は「〔寺院名〕 御住職様」または「〔寺院名〕 ご住職様」とし、寺院名の書き間違いがないよう事前に確認します
- 普通郵便で問題ありませんが、確実に届いたか不安な場合は、配達記録が残るレターパックや簡易書留を利用すると安心です
- 離檀届を同封する場合は、控えとして自分の分もコピーを取ってから封入します
手紙を送った後、離檀料交渉に発展したら
手紙や離檀届を送った後、住職から離檀料についての連絡が来ることがあります。ここでは、返信段階での基本対応を整理します。
離檀料は法律上の支払い義務がない
離檀料はお布施の一種であり、法律上の支払い義務はありません。相場としては3万〜20万円程度が目安とされていますが、金額は寺院によって差があります。金額を提示された場合は、まず内訳や根拠を丁寧に確認することが第一歩です。手紙の段階では離檀料の金額に自分から言及する必要はなく、住職側から提示があってから対応すれば十分です。
寺院によっては、檀家総代や世話人と呼ばれる代表者を通じて話が進む場合もあります。手紙の宛先は基本的に住職宛てで問題ありませんが、寺院の運営体制によっては、総代への挨拶もあわせて行うと、より円滑に進むことがあります。地域や寺院ごとの慣習が異なるため、不安な場合は事前に電話で確認しておくと安心です。
返信の文面例
拝啓 この度はご丁寧にご連絡いただき、誠にありがとうございます。
離檀料の件、承知いたしました。恐れ入りますが、〔金額〕のご提示について、内訳や目安の考え方を教えていただけますと幸いです。家族とも相談のうえ、改めてご返信させていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
敬具
金額に納得がいかない場合や、高額請求で揉めてしまいそうな場合の交渉ステップ、消費生活センターや弁護士への相談タイミングについては、離檀料が払えない・高すぎるときの対処法で4ステップに分けて詳しく解説しています。感情的な返信は避け、まずは事実確認の一文にとどめるのがポイントです。
住職からの反応パターン別の対応
| 住職からの反応 | 返信の方向性 |
|---|---|
| 特に金額の提示なく快諾してくれた | お礼の返信を送り、閉眼供養の日程調整に進む |
| 相場の範囲内(3万〜20万円程度)の金額を提示された | 内訳を確認したうえで、支払える範囲であれば応じる |
| 相場を大きく超える高額な金額を提示された | 即答せず「家族と相談します」と一度持ち帰り、根拠を確認したうえで交渉する |
| 引き止められ、離檀そのものに難色を示された | 感謝を重ねて伝えつつ、事情を簡潔に繰り返し伝える。長期化しそうなら第三者(本山・消費生活センター等)への相談も検討する |
宗派によって手紙の書き方は変わる?
離檀の手紙の基本構成(感謝→理由→今後のお願い)は、宗派を問わず共通です。ただし、宗派ごとに独自の言い回しや慣習が加わることがあります。
- 浄土真宗:亡くなった方の呼び方が「戒名」ではなく「法名」となります。手紙の中で戒名という言葉を使わないよう注意してください
- 日蓮宗:本尊への敬意を示す表現が独自にある場合があります。長年の付き合いがある寺院であれば、菩提寺の慣習に合わせるのが無難です
- その他の宗派:基本的にはこの記事のテンプレの構成で問題ありませんが、不安な場合は寺院に直接「失礼のないよう、どのような形でお伝えすればよいでしょうか」と相談してしまうのも一つの方法です
宗派固有の作法に強くこだわるよりも、感謝の気持ちを丁寧に伝えることの方が重要です。形式面で迷った場合は、寺院に直接確認するのがもっとも確実です。
改葬先が決まっていない段階で手紙を送ってもよい?
結論として、改葬先が完全に決まっていなくても、手紙を送ること自体は可能です。ただし、可能であれば改葬先の方向性(永代供養墓にするか、樹木葬にするかなど)だけでも決めてから送る方が、その後のやり取りがスムーズに進みます。理由は、住職から「今後の御遺骨はどうされますか」と聞かれた際に、ある程度の見通しを答えられると、話が具体的に前進しやすいためです。
まだ検討段階の場合は、手紙の中で「改葬先については現在検討中です」と正直に書いて差し支えありません。焦って決めていない情報を書くよりも、現状をそのまま伝える方が、後々の行き違いを防げます。改葬先の選び方に迷っている場合は改葬先の選び方もあわせてご確認ください。
手紙を書くときに避けたい表現
手紙の文面では、次のような直接的すぎる言い回しは避け、婉曲な表現に言い換えるとトラブルになりにくくなります。
| 避けたい表現 | 言い換え例 |
|---|---|
| お金がかかるので、やめます | 維持管理が難しくなり、整理を考えております |
| もう墓参りに来ないので不要です | 今後、十分なお参りが難しい状況になりました |
| 離檀料は払いません | 金額の根拠を伺ったうえで、改めてご相談させてください |
| もう決めたことなので | 家族でよく話し合った末の結論として |
| 早く手続きを終わらせたいです | ご都合に合わせてお時間をいただければ幸いです |
共通しているのは、断定的・一方的に聞こえる表現を避け、「相談」「お願い」という姿勢を文面全体に一貫させることです。結論だけを押し付けるのではなく、事情を簡潔に伝えたうえで相手の都合にも配慮する言い回しにすると、住職側も受け止めやすくなります。口頭での切り出し方や、NGワードの詳しい言い換えパターンはお寺への言い方・切り出し方の例文でも紹介しています。
宛名を間違えないための確認方法
手紙の宛名は、寺院の正式名称と住職の役職(御住職様・ご住職様など)を正確に書くことが大切です。位牌堂やお墓に設置されている案内板、過去にもらった法要の案内状、寺院の公式サイトなどで正式名称を確認できます。手元に資料がない場合は、電話で「お手紙をお送りしたいのですが、正式な寺院名を教えていただけますか」と尋ねても失礼にはあたりません。
返信が来るまでの目安と催促のタイミング
手紙を送ってから返信までの期間に決まりはありませんが、1〜2週間程度が一つの目安です。寺院の行事や法要が立て込む時期は、返信が遅れることも珍しくありません。前述のとおり、2〜3週間を過ぎても連絡がない場合は、催促というより「確認」の形で一度電話を入れると、角を立てずに状況を伺えます。
手紙より対面・電話が向いているケース
この記事では手紙・離檀届の文例を中心に紹介していますが、状況によっては手紙よりも対面や電話の方が適している場合があります。
- 寺院との付き合いが深く、住職と家族ぐるみで長い関係がある場合:いきなり手紙が届くと「水くさい」と受け取られることがあるため、まず電話や訪問で一言伝えてから手紙を送る方が自然です
- 車で行ける距離にあり、法事などで顔を合わせる機会が近くある場合:その場で直接伝え、後日手紙で改めて内容を確認する形が丁寧です
- 過去に寺院との間で行き違いやトラブルがあった場合:手紙だけで済ませようとすると誤解が深まることがあるため、対面での話し合いを優先した方が解決が早いことがあります
反対に、遠方に住んでいる、対面や電話の時間を作るのが難しい、感情的な対立を避けて冷静に事情を伝えたいといった場合は、手紙が適しています。どちらが向いているか迷う場合は、まず電話で一言伝えたうえで、詳しい事情は手紙で補う「電話+手紙」の組み合わせが、もっとも無難な選択といえます。
手紙を送った後の流れ
手紙・離檀届を送った後は、おおむね次のような流れで進みます。
- 手紙・離檀届を送付する(郵送または持参)
- 寺院から返信・電話で反応がある(金額提示がある場合も)
- 必要であれば内容を確認し、家族と相談のうえ返信する
- 日程を調整し、閉眼供養(魂抜き)を行う
- 墓地管理者から埋葬証明を受け取り、改葬許可申請・墓石の撤去に進む
改葬許可申請の必要書類や区役所・市役所での手続きの流れは、各自治体の窓口案内のページでも確認できます。手紙を送った後の全体の進め方に不安がある場合は、無料相談でお気軽にご相談ください。
離檀届と改葬許可申請の関係
離檀届はお寺(墓地管理者)に対して離檀の意思を伝える書面であり、自治体に提出する改葬許可申請とは別の手続きです。改葬許可申請には、墓地管理者による埋葬(埋蔵)の証明が必要になるため、離檀の意思を伝え、寺院との関係を整理した後に、改めて埋葬証明を発行してもらう流れになります。離檀の手紙・離檀届のやり取りは、この埋葬証明をスムーズに受け取るための前段階と位置づけると分かりやすいでしょう。改葬許可申請の必要書類や窓口の詳細は、お住まいの自治体の手続き案内ページで確認できます。
よくある質問
Q. 離檀届は郵送でよいですか?
郵送でも問題ありません。ただし、長年お世話になった寺院で、車で行ける距離であれば、直接持参してご挨拶する方がより丁寧な印象になります。遠方の場合は、郵送に一言お詫びの文を添えれば失礼にはあたりません。
Q. 手紙を送っても返信がない場合はどうすればよいですか?
2〜3週間経っても返信がない場合は、届いているかどうかの確認も兼ねて、一度電話を入れるとよいでしょう。「お手紙をお送りしましたが、ご確認いただけましたでしょうか」と伺う程度で構いません。
Q. 家族の代筆で手紙を出してもよいですか?
可能ですが、差出人(墓地の使用者・名義人)が本人であることが伝わるよう、文中に名義人の氏名を明記し、代筆する場合はその旨を一文添えるとよいでしょう。可能であれば、最初の連絡だけでも名義人本人からの言葉にすると、より丁寧な印象になります。
Q. メールでの連絡は失礼にあたりますか?
寺院が公式にメールアドレスを公開し、日頃から問い合わせをメールで受け付けている場合は、メールでも大きな失礼にはなりません。ただし、離檀のような重要な用件は、可能であれば手紙(書面)で伝える方が、より丁寧な対応として受け止められやすい傾向があります。
Q. 手紙とあわせて何か送った方がよいものはありますか?
必須ではありませんが、長年の感謝の気持ちとして、手紙にお礼の品やお布施を添えるケースもあります。閉眼供養のお布施の相場や封筒の書き方は閉眼供養のお布施封筒の書き方で解説しています。
Q. 便箋の枚数や薄墨の使用に決まりはありますか?
便箋の枚数に厳密な決まりはありませんが、2枚以内にまとめると読みやすく、丁寧な印象になります。離檀の手紙はお悔やみ状ではないため、薄墨を使う必要はなく、通常の黒インクで問題ありません。
Q. 離檀届に押印は必要ですか?
実印までは一般的に求められず、認印で足りるケースがほとんどです。押印の要否や様式について迷う場合は、事前に寺院へ確認しておくと安心です。
Q. 本山への報告や手続きも必要ですか?
檀家個人が本山へ直接手続きをする必要は通常ありません。本山への報告や記録の扱いは、菩提寺(所属する寺院)側の内部手続きになります。離檀料の金額に納得がいかない場合の相談先として、宗派の本山や事務局が窓口になっているケースはあります。
印刷して使える最終チェックリスト
手紙を投函する前に、以下の項目を確認しておくと安心です。印刷してチェックしながら進めてください。
- □ 寺院の正式名称・住職の役職を確認した
- □ 家族・親族に事前に相談し、同意を得た
- □ 理由は1つに絞り、簡潔な言い回しにした
- □ NGワード(お金がかかる・不要になった等)を使っていないか見直した
- □ 「本来は電話・訪問すべきところ」の一文を入れたか確認した(電話をしない場合)
- □ 便箋2枚以内に収まっているか確認した
- □ 宛名・差出人の住所氏名に誤字がないか確認した
- □ 提出前にコピーを取り、控えを保管した
- □ 繁忙期(お盆・彼岸・年末年始)を避けて送付日を決めた
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- 墓じまいのお布施はいくら?
まとめ
離檀の手紙は「感謝→退檀理由→今後のお願い」の型で書けば、失礼にはあたりません。寺院に離檀届の指定様式がなければ、手紙がそのまま届出を兼ねます。この記事で紹介した3パターンのテンプレをベースに、〔 〕部分をご自身の状況に置き換えて、まずは書き上げてみてください。
電話は必須ではありませんが、可能であれば一本添えるとより丁寧です。便箋は2枚以内、宛名は正式な寺院名で、必要であればレターパックなど配達記録が残る方法で送ると安心です。離檀料の交渉に発展した場合も、慌てず事実確認から始めれば、多くのケースは話し合いで解決できます。まずは手紙を書き上げ、家族で内容を確認したうえで送付するところから始めてみてください。
安心墓じまいでは、基本プラン298,000円(税込・2㎡まで・石塔1基)で、お寺への対応から墓石の撤去、改葬許可申請(提携行政書士のご紹介)、供養先のご案内までサポートしています。お支払いは完了後の残額払いで追加請求はありません。無料相談はお電話(10:00〜18:00、土日祝休み)のほか、フォーム・LINEなら24時間受け付けています。手紙の文面についても、あわせてご相談いただけます。
参考文献
墓じまいの費用、いくらかかる?
お墓の場所とお写真がわかれば、その場で概算をお伝えします。
ご相談・お見積りは無料です。
無理な勧誘は一切ありません。安心してご利用ください。
この記事の監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →
監修者プロフィールの詳細
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 改葬・墓じまいの手続き
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理

