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両家墓にまとめる費用と手順|2つの墓を1つに

最終更新日:2026年10月11日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

夫婦どちらかの実家のお墓と、もう一方の実家のお墓を一つにまとめる「両家墓」を検討している方に向けて、費用と手順をまとめました。結論から言うと、両家墓にまとめる費用は、やり方によって総額50万〜250万円程度と大きな差があります。片方のお墓だけを墓じまいしてもう片方の既存の墓に合わせる場合は50万〜120万円程度、両方のお墓を墓じまいして新しく永代供養墓(合祀墓・樹木葬・納骨堂など)にまとめる場合は60万〜150万円程度が目安です。この記事では、この2つのやり方の費用比較、親族同意の取り方、寺院の可否の確認方法、改葬許可申請の注意点までまとめました。

目次

両家墓にまとめる費用は総額50万〜250万円が目安

両家墓にまとめる費用に幅があるのは、「どちらの方法でまとめるか」によって、かかる費用の種類がまったく異なるためです。大きく分けると次の2パターンがあります。

方法内容総額目安
パターンA:片方を墓じまいして既存の墓(両家墓)にまとめる片方のお墓を墓じまいし、残す側の墓石に両家分の納骨スペース・彫刻を追加する50万〜120万円
パターンB:両方を墓じまいして新しい永代供養墓にまとめる両方のお墓を墓じまいし、両家で1つの永代供養墓(合祀墓・樹木葬・納骨堂等)を新たに契約する60万〜150万円

パターンAは「残すお墓の改修費」、パターンBは「新しい供養先の契約費用」が費用の中心になる点が異なります。どちらが安く済むかは、残す予定の墓石の状態・改修の規模・選ぶ永代供養墓のタイプによって変わるため、次の章からそれぞれの内訳を詳しく見ていきます。

両家墓とは

両家墓とは、結婚などで姓が分かれた2つの家(両家)の遺骨を1つのお墓にまとめて納める形式です。少子化で承継者が1人しかいない場合や、遠方にある実家のお墓を近くに集めたい場合に選ばれています。見た目は一般的な墓石と同じものもあれば、両家の姓を並べて彫刻するタイプ、1つの区画に2基の墓石を建てるタイプなどがあります。

パターンA:片方を墓じまいして既存の墓にまとめる場合の費用

すでにどちらかの家のお墓を存続させることが決まっている場合、もう片方のお墓だけを墓じまいし、遺骨を残す側のお墓に合祀・納骨する方法です。費用の中心は「墓じまいする側の撤去費用」と「残す側の墓石改修・彫刻費用」の2つです。

項目費用目安内容
墓じまいする側:墓石撤去・解体10万〜50万円1㎡あたり約10万円が目安。区画の広さ・重機搬入の可否で変動
墓じまいする側:閉眼供養のお布施3万〜10万円寺院墓地の場合に発生。宗派・寺院により異なる
墓じまいする側:離檀料3万〜20万円程度寺院墓地の場合のみ。檀家歴の長さにより変動
改葬許可申請遺骨1体あたり無料〜数百円役所の手数料。行政書士に依頼する場合は別途報酬
残す側:墓石への彫刻追加(両家の姓・家紋など)5万〜15万円彫刻する文字数・デザインにより変動
残す側:カロート(納骨室)の増設・改修10万〜40万円既存のカロートに空きがない場合に必要。区画の広さにより変動
開眼供養・合祀のお布施3万〜10万円残す側の寺院・霊園に支払う

すべてを合計すると総額50万〜120万円程度が目安ですが、残す側のカロートに十分な空きがあり彫刻のみで済む場合は50万円台に収まることもあります。逆に、残す側の墓石が古く、両家分の遺骨を収めるための大規模な改修(墓石の建て替えに近い工事)が必要になると、150万円を超えることもあります。見積もり時には「残す側のカロートに今何体分の空きがあるか」を必ず確認してもらいましょう。

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パターンB:両方を墓じまいして永代供養墓にまとめる場合の費用

どちらの既存のお墓も残さず、両方を墓じまいして、両家で1つの新しい永代供養墓(合祀墓・樹木葬・納骨堂など)を契約する方法です。費用の中心は「2基分の墓じまい費用」と「新しい永代供養墓の契約費用」の2つになります。

項目費用目安内容
墓石撤去・解体(2基分)20万〜100万円1基あたり10万〜50万円が目安。2基分で単純計算すると増額
閉眼供養のお布施(2基分)6万〜20万円寺院墓地がある場合のみ。1基ごとに発生
離檀料(寺院墓地の分のみ)3万〜40万円両方が寺院墓地の場合は2件分になることもある
改葬許可申請遺骨の総数×無料〜数百円2つの市区町村それぞれで申請が必要な場合がある
新しい永代供養墓の契約費用(合祀墓)6万〜30万円遺骨をまとめて埋葬するタイプ。遺骨数が多いほど割安になりやすい
新しい永代供養墓の契約費用(樹木葬・集合型)40万〜150万円両家分を1区画にまとめるタイプ
新しい永代供養墓の契約費用(個別型・両家墓新設)100万〜250万円両家の名前を刻んだ新しい墓石を建てるタイプ

合計すると、合祀墓を選ぶ場合は総額60万〜150万円程度、個別の新しい両家墓を建てる場合は150万〜300万円を超えることもあります。パターンAと比べて、既存の墓石を1つも残さないためお墓の維持管理の手間がなくなる一方、新しい供養先を個別型にすると費用はパターンAより高くなりやすい点に注意が必要です。

遺骨数・墓石の基数別の費用シミュレーション

両家墓にまとめる費用は、両家それぞれの遺骨の数と、残す墓石の基数によっても変わります。ここでは、両家合わせた遺骨の数別に、パターンA・パターンBそれぞれの総額の目安をまとめました(墓石撤去費・閉眼供養・改葬先の費用込みの試算)。

両家合計の遺骨数パターンA(既存墓に統合)パターンB(永代供養墓・合祀型)
3〜5柱50万〜80万円50万〜90万円
6〜10柱70万〜110万円60万〜100万円
11柱以上90万〜150万円以上70万〜120万円

遺骨数が少ない場合は、パターンA・Bで総額に大きな差は出にくい傾向があります。一方、両家合わせて11柱以上になるような場合、パターンAでは残す側のカロート増設の規模が大きくなり費用が伸びやすいのに対し、パターンBで合祀墓を選ぶと遺骨数が増えても1体あたりの単価が下がる料金体系が多いため、総額を抑えやすくなります。遺骨数が多い家系では、見積もり時に「遺骨数が増えた場合の追加料金の有無」を必ず確認しましょう。

両家墓にまとめる際によくある3つの失敗

失敗1:残す側のカロートの空きを確認せずに進めてしまう

パターンAで最も多い失敗が、残す側のお墓のカロートに十分な空きがあるかを事前に確認していないケースです。工事が始まってから空きが足りないことが分かると、追加のカロート増設工事が必要になり、工期と費用が当初の見積もりより大きく膨らむことがあります。契約前に、墓地管理者や石材店に依頼してカロートの内部を確認してもらいましょう。

失敗2:片方の家にだけ説明し、もう片方への相談が後回しになる

両家墓は、自分の家の都合だけで進めると、もう一方の家の親族から「相談なく決められた」という不満が出やすくなります。特に、残す側の家は「自分の家の墓に他家の遺骨が入る」という心理的な抵抗を持つ方もいるため、早い段階で丁寧に説明し、意向を確認することが欠かせません。

失敗3:寺院墓地の規約を確認せずに彫刻・改修を依頼してしまう

寺院墓地によっては、墓石への彫刻内容や、他家の遺骨を合祀することについて、事前の相談・許可を求められる場合があります。無断で彫刻業者に依頼してしまうと、後から寺院との関係がこじれることもあるため、改修前に必ず寺院・墓地管理者へ確認しましょう。

パターンA・Bの費用比較まとめ

どちらの方法を選ぶべきかは、費用だけでなく「今後お墓参りをどう続けたいか」でも変わります。比較表にまとめました。

比較項目パターンA(片方墓じまい・既存墓に統合)パターンB(両方墓じまい・永代供養墓へ)
総額の目安50万〜120万円60万〜150万円(個別型は150万円超)
今後の維持管理墓石が残るため管理費・掃除は継続永代供養墓(合祀・樹木葬等)なら管理費不要が多い
お墓参りの場所1か所(残した既存の墓)1か所(新しい永代供養墓)
将来の改葬の可能性残した墓石をいずれ墓じまいする場合は再度費用が発生永代供養で完結することが多い
向いているケース残す側の墓石の状態が良く、空きスペースがあるどちらの墓石も古い・継承者がいない・将来の負担をゼロにしたい

将来的に残した墓石をさらに墓じまいする可能性がある場合、最初から両方を永代供養墓にまとめるパターンBのほうが、結果的に総費用を抑えられることがあります。逆に、残す側のお墓の状態が良く、お墓参りの場所を残したい気持ちが強い場合はパターンAが向いています。

両家墓にまとめるメリット・デメリット

両家墓を検討する前に、メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、後悔のない選択がしやすくなります。

内容
メリット:承継者が1人で済む一人娘・一人息子など、承継者が1人しかいない場合でも、両家のお墓を1人で管理できる
メリット:お墓参り・管理の手間が1か所に集約される遠方に2つのお墓があった場合、1か所にまとまることで交通費・時間の負担が減る
メリット:管理費・将来の墓じまい費用が1件分になる年間の管理費や、将来さらに墓じまいする際の費用が、2件分から1件分に減る
デメリット:親族間の合意形成に時間がかかる両家の親族それぞれに説明・相談する必要があり、片方の家だけで決められない
デメリット:寺院墓地では認められない場合がある宗派や「一家一墓」の慣習により、残す側の寺院で両家墓が難しいケースがある
デメリット:一時的に費用がまとまって発生する墓じまいと改修・新規契約が同時期に発生するため、一時的な費用負担が大きくなる

特に「寺院墓地で認められない場合がある」という点は、検討の早い段階で確認しておくべき重要なポイントです。残す側の寺院に相談した結果、両家墓が難しいと分かった場合は、パターンBのように宗派を問わない永代供養墓に変更することで解決できるケースが多くなっています。

親族同意の取り方(チェックリスト付き)

両家墓は2つの家の親族が関わるため、通常の墓じまいよりも合意形成の範囲が広くなります。片方の家だけで決めてしまうと、後々「相談されなかった」というトラブルにつながりやすい点に注意が必要です。次の順番で進めると、両家の合意をスムーズに得やすくなります。

  1. 両家墓を検討している理由(承継者が1人しかいない・お墓参りの負担を減らしたいなど)を整理する
  2. どちらの墓石を残すか(パターンA)、両方とも墓じまいするか(パターンB)の方向性を決める
  3. 両家それぞれの親族(兄弟姉妹・いとこなど)に早めに連絡し、意向を確認する
  4. 残す側・新しい供養先の候補を提示し、両家で意見をすり合わせる
  5. 費用負担の分担(両家で折半か、一方が多く負担するか)を話し合い、メモやメールで残す
  6. 寺院墓地がある場合は、両家それぞれの住職に離檀の意向を丁寧に伝える

特に費用負担の分担は、後からの言い分の違いでトラブルになりやすい部分です。上記のチェックリストを印刷し、両家で集まる際のたたき台として使うことをおすすめします。

寺院の可否(檀家規約・宗派の確認)

両家墓を検討する際は、残す側・新しく契約する側のどちらについても、寺院や霊園の規約で両家墓が認められているかを事前に確認する必要があります。特に次の3点はトラブルになりやすいため、早い段階で寺院・霊園に相談しておきましょう。

  • 宗派が異なる場合の可否:両家の宗派が異なる場合、寺院墓地では同じ宗派であることを求められることがあります。宗派を問わない霊園・永代供養墓を検討する必要が出ることもあります
  • 墓地の使用規約で「姓」や「家」単位の規定がないか:寺院墓地では「一家一墓」の慣習や、墓地契約者の姓を変更できないといった規約がある場合があります
  • 区画面積の制約:両家分の遺骨を収めるカロートの増設や、墓石への追加彫刻が、区画の広さや景観規約で制限される場合があります

寺院墓地で両家墓が難しいと言われた場合は、宗派を問わない民間霊園や、永代供養専門の施設(合祀墓・樹木葬・納骨堂)に新しく契約先を変更するケース(パターンB)を検討するとスムーズに進むことが多くなっています。

改葬許可申請の基本(両家墓で特に注意すること)

改葬許可申請は、墓地、埋葬等に関する法律にもとづき、お墓がある市区町村の窓口(多くは市民課・生活衛生担当課)に提出します。両家墓では、次の点に特に注意が必要です。

  • パターンBのように2つのお墓を墓じまいする場合、お墓がある市区町村が異なれば、それぞれの役所で別々に申請する必要がある
  • 改葬許可申請書は遺骨1体につき1通が原則。両家分の遺骨数をあらかじめ確認しておく
  • 申請者が現在の墓地の使用者(名義人)本人でない場合、使用者本人の承諾書が別途必要になる
  • 残す側のお墓に新しく納骨する場合(パターンA)は改葬許可は不要だが、カロートを開けて埋葬証明を受ける手続きが必要になることがある

改葬許可申請の書類収集が難しい場合は、提携行政書士のご紹介が可能です(ご契約・報酬は行政書士と直接となり、報酬目安は33,000円〜です)。手続き全体の流れは改葬許可申請の方法で詳しく解説しています。

両家墓にまとめるまでの流れ(7ステップ)

パターンA・Bのどちらを選ぶ場合でも、基本的な進め方は共通しています。全体の流れを把握しておくと、どの段階で何を確認すべきかが分かりやすくなります。

  1. 両家の親族に両家墓を検討していることを伝え、方向性(パターンA・Bどちらか)について意向を確認する
  2. 残す側のお墓・新しい供養先の候補について、墓地管理者・霊園・寺院に両家墓が可能かを確認する
  3. 墓じまいする側・墓地が別の市区町村にある場合はそれぞれの役所で改葬許可の手続き方法を確認する
  4. 墓じまい業者・石材店から見積もりを取る(2基同時見積もりの場合はまとめて依頼する)
  5. 墓地管理者から埋葬証明の発行を受け、改葬許可申請書を役所に提出する
  6. 閉眼供養を行い、墓石の撤去・改修工事(カロート増設・彫刻、または新しい供養先への改葬)を実施する
  7. 開眼供養・納骨を行い、新しい両家墓での供養を開始する

この流れ全体で、墓じまいする側の撤去工事から改葬先への納骨まで、通常1〜3か月程度かかるのが一般的です。寺院との離檀の話し合いに時間がかかる場合や、両家の合意形成に時間をかける場合は、半年以上かかることもあります。早めに動き出すほど、親族間の合意や寺院との調整に十分な時間を確保できます。

見積もり例(2基同時の墓じまい)

両家墓を検討する場合、2基分の見積もりを同時に取ることで、業者の出張費・現地調査費がまとめられ、個別に依頼するより割安になるケースがあります。安心墓じまいの基本プランは墓じまい一式198,000円〜(税込)です。追加費用は発生せず、お支払いはご契約時の着手金と、工事完了後の残額払いの2回に分かれます。

ケース内容費用目安
片方を墓じまいし、残す側に彫刻追加のみ撤去・閉眼供養・彫刻費込み50万円台
片方を墓じまいし、残す側のカロートを増設撤去・閉眼供養・カロート増設込み70万〜100万円
両方を墓じまいし、合祀墓へ両家分を改葬2基分の撤去・閉眼供養・合祀費用込み60万〜90万円
両方を墓じまいし、新しい個別型の両家墓を建墓2基分の撤去・閉眼供養・新しい墓石の建墓費込み150万円以上

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両家墓の名義変更・税金に関する注意点

お墓や墓地の使用権は、現金や不動産とは異なり「祭祀財産」として扱われ、相続税の対象にはなりません。そのため、両家墓にまとめる際にかかる費用(墓じまい費用・改修費・永代供養墓の契約費)そのものに相続税がかかることはありません。ただし、次の2点は実務上の注意点として押さえておきましょう。

  • 墓地の名義変更:残す側のお墓に両家分の遺骨を納める場合でも、墓地の使用者(名義人)は1人のままが一般的です。承継者を誰にするかは、両家で事前に話し合っておく必要があります
  • 永代供養墓の契約者:パターンBで新しく永代供養墓を契約する場合、契約者を両家の代表者のどちらにするか、あるいは両家で共同名義にできるかを、契約前に霊園・寺院に確認しておくとトラブルを防げます

墓じまい・改葬にかかる費用そのものが控除や補助金の対象になるケースは少ないですが、自治体によっては改葬や墓じまいに関する独自の補助金制度を設けている場合があります。お住まいの自治体の公式サイトで最新の制度を確認することをおすすめします。

見積書でチェックすべき5項目(印刷用チェックリスト)

両家墓は関わる墓地・寺院が2つになるため、見積書の内訳が分かりにくくなりがちです。次の5項目が明記されているかを確認すると、あとからの追加請求を防ぎやすくなります。

  • □ どちらの墓じまい費用か(片方のみか、両方分か)が明記されているか
  • □ 残す側・新しい供養先にかかる費用(彫刻・カロート増設・契約費)が別立てで示されているか
  • □ 離檀料が含まれているか(寺院墓地のみ。業者は代行できず、あくまで目安の提示のみ)
  • □ 2つの市区町村での改葬許可申請費用・手間の見込みが分かるか
  • □ 追加費用が発生する条件(重機が入れない・遺骨数が想定より多かった場合など)

特に「どちらの費用か」が曖昧な見積書は、後から「これは別料金でした」というトラブルにつながりやすいため、契約前に必ず確認しましょう。

墓地管理者への連絡と埋葬証明の依頼

改葬許可申請には、現在の墓地管理者(寺院・霊園・墓地の管理組合など)が発行する埋葬(埋蔵)証明が必要です。両家墓の場合、墓じまいする側・残す側の両方の墓地管理者に連絡が必要になることがあり、特に墓じまいする側の墓地が遠方にある場合は、証明の発行に数日〜数週間かかることもあります。改葬先・残す側の方向性が決まったら、できるだけ早い段階で両方の墓地管理者へ連絡しておくと、手続き全体がスムーズに進みます。

よくある質問

Q. 両家墓にする場合、必ず両方のお墓を墓じまいしないといけませんか?

いいえ、必須ではありません。この記事のパターンAのように、片方のお墓だけを墓じまいし、もう片方の既存の墓に合祀する方法でも両家墓は実現できます。費用を抑えたい場合はパターンAのほうが総額を低く抑えやすい傾向があります。

Q. 両家の宗派が違う場合、両家墓は作れますか?

寺院墓地では宗派が異なると難しい場合がありますが、宗派を問わない民間霊園や永代供養専門の施設であれば、宗派が異なる両家でも1つのお墓・供養先にまとめることができます。事前に霊園・寺院へ確認することをおすすめします。

Q. 両家墓の費用は、両家でどのように分担するのが一般的ですか?

法律上の決まりはありません。残す側の家がより多く負担する、折半にする、墓じまいする側が自分の家の墓じまい費用のみ負担するなど、ケースによって様々です。トラブルを避けるため、着工前に両家で合意し、メモやメールで記録しておくことをおすすめします。

Q. 2つのお墓が別々の市区町村にある場合、改葬許可申請はどうなりますか?

お墓がある市区町村ごとに、それぞれ改葬許可申請が必要です。パターンBで両方を墓じまいする場合、2つの役所に書類を提出する手間がかかります。郵送での申請に対応している市区町村もあるため、遠方の場合は事前に窓口へ確認するとよいでしょう。

Q. 両家墓にまとめたあと、将来さらに墓じまいすることはできますか?

可能です。ただしパターンAで既存の墓石を残した場合、将来その墓石自体を墓じまいする際には、再度撤去費用や離檀料(寺院墓地の場合)が発生します。将来的な負担までなくしたい場合は、最初から永代供養墓にまとめるパターンBを選ぶ方が、長期的な総費用を抑えられることがあります。

Q. 片方の親族が両家墓に反対している場合、進めることはできますか?

墓地の使用者本人(名義人)の同意があれば手続き自体は進められますが、後々のトラブルを避けるため、関係する親族への説明と合意形成を先に行うことを強くおすすめします。特に離檀や改葬は、後から知った親族との関係に影響することがあるため、早い段階での相談が重要です。

Q. 両家墓にまとめると、管理費は1件分になりますか?

パターンAで既存の墓石を残す場合、管理費は残した1件分のみとなり、これまで2件分支払っていた管理費が1件分に減ります。パターンBで永代供養墓(合祀墓・樹木葬等)にまとめる場合は、多くの施設で管理費自体が不要(契約時の費用に含まれる)になるため、さらに負担が軽くなります。

Q. 両家墓にまとめる際、墓石に両家の家紋や姓はどのように彫刻しますか?

一般的には、正面に「〇〇家」「△△家」と両家の姓を並べて彫刻する方法や、「先祖代々之墓」のように家名を出さない形にする方法があります。石材店によっては、デザインの相談から対応してくれる場合もあるため、彫刻前に複数のデザイン例を見せてもらうとイメージの違いによるトラブルを避けられます。

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まとめ

両家墓にまとめる費用は、片方のお墓だけを墓じまいして既存の墓にまとめる場合は50万〜120万円、両方を墓じまいして永代供養墓にまとめる場合は60万〜150万円(個別型は150万円以上)が目安です。費用の差は「残す墓石の改修」か「新しい供養先の契約」のどちらが中心になるかで生まれます。まずはどちらのパターンにするかの方向性を両家で話し合い、残す側・新しい供養先それぞれの可否を寺院・霊園に確認したうえで、2基分まとめて見積もりを取ることが、費用を抑え、トラブルを避ける第一歩です。

安心墓じまいでは、墓じまい一式198,000円〜(税込)の定額制で、両家墓にまとめるための2基同時の墓じまいもサポートしています。追加費用は発生せず、お支払いは着手金と完成後の残額払いです。無料相談はお電話(10:00〜18:00、土日祝休み)のほか、フォーム・LINEなら24時間受け付けています。お気軽にご相談ください。

参考文献

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
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久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

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  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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