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墓じまい費用の平均はいくら?内訳と実例データで解説

最終更新日:2026年10月11日|監修(法務):司法書士・行政書士 久留慎一郎|作成:安心墓じまい事務局(相談窓口責任者 田所)

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

監修者プロフィールの詳細

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

墓じまいの費用相場を調べると「総額30万〜300万円」という幅の広い数字によく出会います。結論から言うと、この幅が大きいのは「平均値」が一部の高額な一般墓移転事例に引っ張られているためで、実際に多くの家庭が負担している金額(中央値に近いゾーン)は平均よりも低めです。「結局うちはいくらかかるのか」を知りたい方のために、この記事では次の4つを数字で整理します。①全国平均と中央値がズレる理由、②㎡数・改葬先別の費用内訳表、③公開されている費用実例5件の分布、④平均より安く済む条件(自治体の補助金や相見積もりの考え方)。最後まで読めば、自分のケースがどの価格帯に当てはまるかを自分で判断できる状態になります。

目次

墓じまい費用の全国平均は30万〜300万円、中央値はそれより低い

複数の葬祭・石材関連事業者が公開している費用相場をまとめると、墓じまいの総額は「30万〜300万円程度」という幅で語られることが多く、記事によっては「50万〜200万円」「35万〜150万円」と幅を狭めて紹介しているケースもあります※1。この違いは調査対象の墓地規模や改葬先の分布が異なるために生じています。

平均が高く出る理由:一般墓への改葬が金額を押し上げる

墓じまい費用は「撤去費用(20万〜50万円)」+「改葬先費用(3万〜250万円)」の合計で決まります。改葬先の費用レンジは次のように広く、特に新しい一般墓を建てる場合は80万〜250万円と高額になります※2。

改葬先の種類費用目安特徴
合祀型永代供養墓3万〜10万円他の遺骨と合同埋葬。最も安価
樹木葬5万〜100万円(多くは20万〜80万円)合祀型は安価、個別型は高額になりやすい
納骨堂10万〜150万円位牌式は安価、自動搬送式・仏壇式は高額
海洋散骨3万〜30万円お墓自体を持たない。委託散骨が最安
手元供養数百円〜50万円自宅供養の容器代のみなら低額
新しい一般墓80万〜250万円永代使用料・墓石代が高額。費用を押し上げる主因

実際には合祀・樹木葬・納骨堂を選ぶ世帯が多数派であるのに対し、一部の「新しい一般墓を建てる」ケースが数百万円単位で平均値を押し上げています。少数の高額事例が平均を引き上げ、多数派である「中〜低価格の改葬先」の実態とズレるのは、統計学でいう分布の右への偏り(右裾の長い分布)が働くためです。

試算:中央値に近いボリュームゾーンは40万〜80万円

公的統計に「墓じまい費用の中央値」そのものを集計したデータは見当たりませんでした(確認でき次第、本記事を更新します)。そこで、撤去費用の相場(20万〜50万円、1㎡あたり目安10万円〜)に、合祀・樹木葬・納骨堂を選ぶ世帯が多数派である前提を重ねて試算すると、中央値に近いボリュームゾーンは40万〜80万円に収まると見られます。これは独自の試算であり、公式統計の中央値を示すものではない点にご注意ください。

㎡別・改葬先別の費用内訳表(印刷して確認できます)

自分のケースに近い行を確認してください。撤去費用は墓石の面積(㎡数)、改葬先費用は供養方法によって決まります。

墓地面積別の撤去費用(1㎡あたり約10万円〜が目安)

墓地面積撤去費用目安備考
1㎡前後10万〜15万円小規模区画。重機が入りやすい立地なら最安帯
2㎡前後20万〜25万円一般的な区画サイズ
3〜4㎡30万〜45万円石塔が複数基の場合は加算されやすい
6㎡以上50万円〜大型区画・傾斜地・搬出経路が狭い場合は割高

改葬先別費用(供養方法を変えると総額が大きく動く)

上の表と、先ほどの改葬先別費用表を掛け合わせると、自分のケースの総額レンジが見えてきます。たとえば「2㎡・合祀型」なら撤去20万〜25万円+改葬先3万〜10万円+閉眼供養3万〜10万円+離檀料(寺院墓地のみ3万〜20万円)で、総額は26万〜65万円程度に収まる計算です。「2㎡・一般墓へ改葬」なら撤去20万〜25万円+改葬先80万〜250万円で、総額は103万〜275万円程度まで跳ね上がります。

費用内訳の中身:撤去・閉眼供養・離檀料とは何か

金額の表だけでは「何に対して払っているお金なのか」が分かりにくいため、代表的な3つの費目を説明します。

墓石の撤去・処分費用(10万〜30万円が中心)

墓石本体の解体、基礎(巻石・納骨室)の撤去、廃材の処分、更地に戻すための整地までを含む費用です。重機が入れる平坦な区画か、人力での搬出が必要な斜面・奥まった区画かで作業日数と人件費が変わるため、同じ面積でも見積もりに差が出ます。契約前に「現地調査をしたうえで金額を提示しているか」を確認すると、工事後の追加請求トラブルを避けやすくなります。

閉眼供養(魂抜き)のお布施(3万〜10万円が目安)

墓石を撤去する前に、僧侶に読経してもらい「魂を抜く」儀式です。宗派・寺院によって金額の考え方が異なり、「お気持ちで」と言われて金額が分からず困るケースも少なくありません。迷った場合は、同じ寺院・霊園内の他の檀家に相場を聞く、または事前に金額の目安を率直に尋ねても失礼にはあたりません。

離檀料(寺院墓地のみ・3万〜20万円程度)

寺院墓地で檀家をやめる際に求められることがある費用で、法律上の支払い義務はありません。ただし、これまでお世話になった菩提寺との関係を円満に終えるための慣習として、多くの家庭が支払っています。高額を提示された場合にいきなり拒否するのではなく、まずは住職に改葬の意向と事情を丁寧に伝えることがトラブル回避の第一歩です。市営・公営霊園にはこの費用自体が発生しません。

都市部と地方で費用は変わるのか

結論として、都市部か地方かという立地そのものより、現地の施工条件が総額を左右します。具体的には「重機が墓地の近くまで入れるか」「墓地までの通路の幅」「斜面・段差の有無」「最寄りの廃材処分場までの距離」が撤去費用に影響します。山間部の墓地や、車両が入れず人力搬出になる墓地では、同じ面積でも都市部の平坦な霊園より高くなる傾向があります。逆に、都市部でも重機が入れない狭小な共同墓地では費用が上がることがあるため、「都市部は高い/地方は安い」と単純には言い切れません。見積もりを取る際は、現地写真や図面をもとに事前見積もりを出してもらい、現地調査後に金額が変わらないかを確認することをおすすめします。

全国の改葬件数は10年で約1.9倍に急増

厚生労働省「衛生行政報告例」に基づく集計では、全国の改葬件数(遺骨の移動件数)は2015年度の91,567件から2024年度には176,105件まで増加しており、約10年で1.92倍に拡大しています※3。年々「墓じまいをする人が少数派」ではなくなっていることが、統計からも裏付けられます。

年度改葬件数
2015年度91,567件
2018年度115,384件
2019年度124,346件
2020年度117,772件
2022年度151,076件
2023年度166,886件
2024年度176,105件

なお、この件数は「遺骨1体=改葬許可証1枚」で集計される仕組みのため、家族単位の「お墓の撤去件数」とは一致しません。実際の墓じまい(お墓の撤去)件数は、これより少ない可能性がある点は留意してください。

件数が増えている背景としては、一般に「お墓の承継者がいない・遠方に住んでいる」「子や孫に管理の負担をかけたくない」といった事情が指摘されています。墓じまいを検討する家庭が年々増えているということは、裏を返せば業者側の経験値や施工事例も増えており、見積もりの相場観がつかみやすくなっているとも言えます。

費用実例5件の分布:公開データとモデルケースで見る価格帯

実際にいくらかかったのかを、公開されている体験談と、ここまでの相場データを組み合わせた代表パターンで確認します。№1は報道・メディアで公開された実在の体験談、№2〜5は「このレンジの相場データを前提にするとこの金額帯になる」という試算モデルです(実在の個別顧客事例として提示しているものではありません)。

No.墓地面積改葬先総額目安根拠
1約1㎡公営の合葬式墓地45万4,800円公開体験談(HALMEK up / Yahoo!ニュース)。離檀料なし・公営墓地のため相場より安く収まった事例※4
21㎡合祀型永代供養墓26万〜45万円程度撤去10万〜15万円+合祀3万〜10万円+供養料3万〜10万円+閉眼供養3万〜10万円の試算
32㎡樹木葬(合祀型)33万〜55万円程度撤去20万〜25万円+樹木葬5万〜20万円+閉眼供養3万〜10万円の試算
43㎡・寺院墓地納骨堂(ロッカー式)56万〜90万円程度撤去30万〜45万円+離檀料3万〜20万円+納骨堂10万〜25万円の試算(離檀料ありのため割高)
54㎡以上新しい一般墓へ改葬120万〜180万円程度撤去30万〜45万円+一般墓80万〜250万円の試算(改葬先費用が総額を左右する典型例)

この5件を並べると、同じ「墓じまい」でも改葬先の選び方ひとつで総額が4倍近く変わることが分かります。平均値(30万〜300万円)に惑わされず、自分がどの改葬先を選びたいかを先に決めることが、見積もり比較の第一歩です。

各ケースをもう少し詳しく見ていきます。No.1の実例(総額45万4,800円)は、石碑・霊名碑・巻石の処分費用と解体手間賃を合算した解体・処分費用が約29万4,800円、公営の合葬式墓地への使用料が11万円、閉眼供養のお布施が5万円という内訳で、寺院墓地ではなかったため離檀料がかからなかった点が総額を抑えた最大の要因です※4。No.4(納骨堂・寺院墓地)が高くなりやすいのは、離檀料という寺院墓地特有の費用と、納骨堂の中でも管理費がかかるタイプを選んだ場合に総額が積み上がるためです。No.5(一般墓への改葬)は、撤去費用自体はNo.4とほぼ同水準でも、永代使用料・墓石代を含む改葬先費用が総額の8割以上を占める点が他のケースと大きく異なります。

見積もり比較で確認すべき5つのポイント

相見積もりを取る際は、金額の大小だけでなく、次の項目が見積書に明記されているかを確認してください。

  • □ 墓石撤去・整地費用の内訳(人件費・重機代・廃材処分費が分かれているか)
  • □ 現地調査後に金額が変わる可能性と、その条件が明記されているか
  • □ 閉眼供養のお布施が見積もりに含まれているか、別途必要か
  • □ 離檀料の要否(寺院墓地の場合のみ)が見積もりとは別に説明されているか
  • □ 改葬先の費用(永代供養料・納骨堂使用料など)が総額に含まれているか

この5項目が曖昧なまま契約すると、工事後に「ここは別料金でした」という追加請求トラブルにつながりやすくなります。見積書を受け取ったら、この表に沿って1つずつチェックすることをおすすめします。

お墓の広さや場所から、費用の目安がわかります。

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平均より安く済む3つの条件

実例の分布からも分かる通り、総額を平均(30万〜300万円のレンジでも上寄り)より抑えられるケースには共通点があります。

  • 改葬先を合祀型・樹木葬・公営墓地にする:一般墓への改葬と比べて改葬先費用を数十万〜200万円以上圧縮できる
  • 離檀料が発生しない墓地を選ぶ(市営・公営霊園):寺院墓地の離檀料3万〜20万円が不要になる
  • 自治体の補助金・助成金がある墓地を使っている:対象なら撤去費用の一部が戻る(下記参照)

自治体の補助金は現状ごく一部(市川市・太田市など)

墓じまいの補助金・助成金は全国一律の制度ではなく、各自治体が運営する市営墓地の利用者に限定して用意されているのが実態です。公式情報で確認できた例を挙げます。

自治体対象助成額出典
千葉県市川市市川市霊園(一般墓地)の返還面積区分により7万5,000円〜44万円市川市公式サイト「市川市霊園一般墓地返還促進事業」※5
群馬県太田市八王子山公園墓地の墓石撤去上限20万円太田市公式サイト「八王子山公園墓地」※6

自分の墓地がある自治体に同様の制度があるかどうかは、墓地を管理する役所の窓口(霊園管理課・市民課など)に直接確認してください。民営・寺院墓地は対象外のケースがほとんどです。補助金制度の全体像は墓じまいの補助金で解説しています。

あなたの場合はいくら?早見チェックリスト

以下のチェックリストに沿って自分の条件を当てはめると、総額の目安レンジを絞り込めます。印刷してメモ代わりにご利用ください。

  • □ 墓地の面積はどのくらいか(1㎡/2㎡/3〜4㎡/6㎡以上)
  • □ 墓地は寺院墓地か、市営・民営霊園か(寺院墓地のみ離檀料を想定)
  • □ 改葬先はどこにするか(合祀・樹木葬・納骨堂・散骨・一般墓)
  • □ 墓地がある自治体に補助金制度があるか(役所に確認)
  • □ 石材店・代行業者から複数見積もりを取ったか(2〜3社が目安)

上から順に埋めていくと、「撤去費用のレンジ」×「改葬先費用のレンジ」で総額の目安が算出できます。たとえば「2㎡・市営霊園・合祀型・補助金なし」なら、総額は30万〜50万円程度に収まる可能性が高いということです。

定額プランなら198,000円〜・追加費用なし

安心墓じまいでは、上記の「平均より安く済む条件」を踏まえたうえで、墓地面積に応じた定額プランをご用意しています。

プラン対象面積費用内容
基本プラン1㎡まで198,000円(税込)石塔1基の撤去・整地まで。追加費用なし
基本プラン2㎡まで298,000円(税込)石塔1基の撤去・整地まで。追加費用なし

2㎡を超える場合は1㎡あたり110,000円の追加となります。お支払いは着手金と、工事完了後の残額払いの2回に分かれており、追加請求は発生しません。前章の実例表と比較すると、合祀型・樹木葬・公営墓地を選ぶケースの総額(26万〜55万円程度)に近い水準で、撤去から改葬先のご案内までを定額で依頼できる設計です。詳しい料金条件は料金プランをご覧ください。

定額プランに含まれるもの・含まれないもの

「198,000円〜」という表示を見たときに気になるのは、何がこの金額に含まれていて、何が別料金なのかという点だと思います。安心墓じまいの基本プランには、遺骨の取り出し、石塔・外柵の撤去、基礎・納骨室の解体、廃材処分、整地までの一連の作業が含まれます。墓地面積が1㎡・2㎡の区分内であれば、現地調査後に追加費用が発生することはありません。一方で、改葬先の永代供養料・納骨堂使用料、閉眼供養のお布施、寺院墓地の離檀料は、改葬先・菩提寺に直接お支払いいただく費用であり、定額プランの範囲外です。この区分けは、前述の「見積もり比較で確認すべき5つのポイント」と照らし合わせて確認いただくと分かりやすくなります。

自分の場合はどのパターンに近いか:3つの診断フロー

ここまでの表を踏まえ、代表的な3つの状況別に「何から考えればよいか」を整理します。

パターンA:とにかく費用を抑えたい・承継者がいない

合祀型永代供養墓または公営の合葬式墓地を改葬先の第一候補にしてください。墓地が市営・公営であれば離檀料も発生しないため、本記事の実例No.1(総額45万4,800円)に近い金額感になりやすいパターンです。寺院墓地の場合は、離檀料の有無・金額を早い段階で住職に確認しておくと、総額の見通しが立てやすくなります。

パターンB:お参りの場所は残したいが、費用も抑えたい

個別区画のある樹木葬や、ロッカー式・位牌式の納骨堂が候補になります。合祀型より費用は上がりますが、一般墓を新しく建てるよりは大幅に抑えられます。実例No.2・No.3(33万〜55万円程度)が目安になります。

パターンC:お墓の形は残したい(一般墓への改葬)

永代使用料・墓石代がかかるため、総額は100万円を超えることを前提に資金計画を立てる必要があります。この場合こそ、複数の石材店・霊園から見積もりを取り、墓石のグレードや霊園の永代使用料を比較することで数十万円単位の差が出ます。

改葬先ごとのメリット・デメリット(費用以外の判断基準)

総額は改葬先選びで大きく変わりますが、金額だけで決めると「継承者がいなくて困る」「お参りの形式が合わない」といった後悔につながることもあります。費用と合わせて、それぞれの特徴を確認してください。

合祀型永代供養墓(3万〜10万円)

最も費用を抑えられる選択肢です。他の方の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から遺骨だけを取り出すことはできません。「とにかく費用を抑えたい」「承継者がいない」という家庭に向いていますが、個別のお参りの場所がなくなる点は親族間で事前に合意しておく必要があります。

樹木葬(5万〜100万円)

樹木や花を墓標とする供養方法で、「自然に還る」という考え方から人気が高まっています。合祀型は安価ですが、個別の区画を持つ個別型・集合型になるほど費用は上がります。承継者が不要なタイプが多い一方、埋葬後の年数が経つと合祀されるプランもあるため、契約時にルールを確認してください。

納骨堂(10万〜150万円)

屋内施設のため天候に左右されず、車椅子でもお参りしやすいのが利点です。ロッカー式・位牌式は比較的安価、自動搬送式・仏壇式は高額になります。都市部に多く、アクセスの良さを重視する家庭に選ばれています。

海洋散骨・手元供養(数百円〜30万円)

お墓自体を持たない選択肢です。海洋散骨は船で沖合に出て散骨する個別散骨と、複数家族合同で行う委託散骨があり、委託散骨の方が安価です。手元供養は自宅で遺骨の一部を保管する方法で、骨壺や分骨容器の費用のみで済みます。将来的に「やはりお墓が欲しい」となった場合の選択肢が狭まる点は留意してください。

墓じまいの流れ5ステップと各段階でかかる費用

全体の流れを把握しておくと、どの段階でどの費用が発生するかが分かり、見積もりの項目に抜け漏れがないか確認しやすくなります。

  • ①改葬先を決めて契約する:永代供養料・納骨堂使用料など、改葬先費用が発生する段階
  • ②現在の墓地管理者から埋葬証明をもらう:寺院墓地ではこの時点で離檀の意向を伝えることが多い
  • ③市区町村に改葬許可申請書を提出し、許可証を受け取る:申請手数料は無料〜数百円程度の自治体が多い
  • ④閉眼供養を行い、墓石を撤去・整地する:お布施と撤去費用が発生するメインの工事段階
  • ⑤改葬先に許可証を提出して納骨する:開眼供養が必要な改葬先では、このタイミングで別途お布施が発生することがある

見積もりの総額を確認する際は、この5ステップのどこまでが含まれているかを業者に確認してください。「撤去工事費のみ」なのか「改葬先の案内や許可証の取得サポートまで含むのか」で、同じ金額表示でも実質的なサービス範囲は変わります。

よくある誤解と注意点

誤解1:墓じまいは必ず高額になる

「墓じまい=数百万円」というイメージが先行しがちですが、それは一般墓への改葬を含めた平均値の話です。合祀・樹木葬・公営墓地を選べば、総額30万〜60万円程度に収まるケースが多数派です。

誤解2:離檀料は必ず払わなければならない

離檀料の支払いに法律上の義務はありません。ただし、これまでの供養への感謝を示す慣習的な意味合いがあるため、金額や有無については住職との話し合いで決まります。

誤解3:見積もりが安い業者を選べば必ず得をする

見積もり時点の金額が安くても、現地調査後に「重機が入らないため追加費用」という形で総額が膨らむケースがあります。前述の「見積もり比較で確認すべき5つのポイント」を使って、総額の内訳と追加費用の有無を事前に確認することが重要です。

改葬許可申請の法的根拠と、自分でやる場合の費用

墓じまい(改葬)の手続きは「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいています※7。同法第5条では、墓地に埋葬・埋蔵されている焼骨を他の墓地に移す「改葬」を行う場合、市区町村長の許可(改葬許可証)を受けなければならないと定められています。無許可で遺骨を移動することは法律違反にあたるため、「費用を抑えたいから許可を取らずに進める」ということはできません。

改葬許可申請そのものの費用は数百円〜無料

改葬許可申請書の提出・許可証の発行自体にかかる手数料は、無料〜1,000円程度としている自治体が一般的です。費用の大部分を占めるのは、申請手数料ではなく「墓石撤去」「閉眼供養」「改葬先費用」であることを押さえておくと、全体のコスト構造を誤解しにくくなります。

すべて自分で手配する場合と業者に依頼する場合の違い

石材店・寺院・改葬先・行政窓口をすべて個別に自分で手配すれば、業者の中間マージンがかからない分、総額を抑えられる可能性があります。一方で、平日の役所窓口への訪問、複数業者とのやり取り、遠方の場合は現地への移動など、時間的・精神的な負担が増える点は見落とされがちです。特に遠方に住んでいる、仕事で平日に動けない、親族との調整窓口になりたくないという事情がある場合は、撤去から改葬先の案内までを一括で依頼できる定額プランの方が、総コスト(金銭+時間+手間)で見て割安になることがあります。

改葬許可申請について(行政書士紹介に関する表記)

改葬許可申請は、現在の墓地がある市区町村の窓口に申請者ご本人が手続きするのが原則です。書類収集や役所とのやり取りに不安がある場合、安心墓じまいでは提携行政書士のご紹介を行っています。行政書士との契約・報酬のお支払いはお客様と行政書士の間で直接行っていただくもので、弊社が手続きを代行するものではありません。手続きの流れは改葬許可申請の方法で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 平均費用と中央値、どちらを目安にすればいいですか?

自分が合祀・樹木葬・納骨堂など中〜低価格帯の改葬先を検討している場合は、平均値(30万〜300万円)よりも、本記事で試算した中央値に近いボリュームゾーン(40万〜80万円程度)を目安にするほうが実態に近くなります。新しい一般墓を建てる予定がある場合は、平均値の上限側を見ておく必要があります。

Q. 見積もりが相場より高い・安いかはどう判断しますか?

本記事の「㎡別撤去費用表」と「改葬先別費用表」を組み合わせた金額と、受け取った見積もりを比較してください。大きく上回る場合は、重機搬入の難易度や立地条件の説明を業者に確認し、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。

Q. 改葬許可申請は自分でやらないといけませんか?

申請自体はご本人(祭祀承継者など)が行うのが原則です。書類の収集や記入が難しい場合は、安心墓じまいから提携行政書士をご紹介できます。契約・報酬のお支払いは行政書士と直接行っていただきます。

Q. 自治体の補助金がない地域ではどうすればいいですか?

市川市・太田市のような補助金は現状ごく一部の市営墓地利用者が対象で、多くの地域では利用できません。補助金がない場合は、相見積もりと改葬先選びで費用を抑えるのが現実的な方法です。詳しくは墓じまいの補助金をご確認ください。

Q. 離檀料を払いたくない、または高額すぎる場合はどうすればいいですか?

離檀料の支払いに法律上の義務はありません。ただし円満に話を進めるため、まずは住職に改葬の事情を伝え、金額について率直に相談することをおすすめします。それでも折り合いがつかない場合は、第三者(行政書士や消費生活センターなど)に相談する選択肢もあります。

Q. 見積もり後に金額が変わることはありますか?

現地調査前のWeb上の概算見積もりは、実際の墓地の立地・搬出経路・石塔の数によって変わることがあります。追加費用が発生しない契約かどうかは、契約前に書面で確認してください。安心墓じまいの定額プランは、1㎡・2㎡の面積区分内であれば追加費用は発生しません。

関連記事

まとめ:平均値ではなく「自分のケース」で判断する

墓じまい費用の「全国平均30万〜300万円」という数字は、一般墓への改葬という高額パターンを含んだ平均値であり、合祀・樹木葬・納骨堂を選ぶ多数派の実態は、本記事の試算で40万〜80万円程度に近いと考えられます。改葬件数が10年で約1.9倍に増えている中、同じ「墓じまい」という言葉でも、実際にかかる金額は改葬先の選び方、墓地が寺院墓地か公営霊園か、自治体の補助金の有無によって数倍の開きが出ます。この記事で紹介した、㎡別・改葬先別の内訳表、5件の費用分布、見積もり比較の5つのポイント、早見チェックリストを順番に当てはめていけば、ネット上の平均値ではなく「自分のケースの金額レンジ」を把握できます。そのうえで複数社に相見積もりを依頼し、補助金の有無を役所に確認することが、平均より安く、かつ納得して墓じまいを終える一番の近道です。安心墓じまいでは、1㎡198,000円・2㎡298,000円(税込・追加費用なし)の定額プランで、着手金と工事完了後の残額払いのみでご依頼いただけます。

参考文献

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この記事の監修者

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士|東京司法書士会 第7135号・東京都行政書士会 第11924号

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続手続きや改葬・墓じまいに関わる法律手続き、名義変更などを担当する。安心墓じまいの提携司法書士・行政書士。当サイトでは、改葬許可申請などの行政手続きと、相続・名義に関する法務部分を監修しています(墓じまいの施工内容・費用は監修対象外)。 監修者プロフィール・監修範囲 →

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■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
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  • 改葬・墓じまいの手続き
  • 相続放棄
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この記事を書いた人

資格:終活カウンセラー。安心墓じまい 相談窓口責任者。幼少期の祖父母との温かい思い出を原点に、「誰もが迷わず、安心して終活を終えられる社会」を目指して、墓じまいから実家じまいまで終活全般の相談窓口を務める。ライフワークとしてYouTubeで高齢者の方々への人生インタビューを続け、シニア世代の本音に寄り添うカウンセリングを最も得意とする。記事は自治体・厚生労働省などの公的一次情報にもとづき、編集部とともに執筆・確認。

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